ADHD 転職活動メモ~衝動性を活かす~その他特性の方・定型の方にも(TIPS)

 記事を見ていただき誠にありがとうございます。

 私事ですが、転職をしました。前に勤めていた会社を退社し、現職になり、今記事を書いています。(会社-職種 未経験の仕事になりました)

 私は、はっきり言って転職活動は苦労しました。
 転職活動はとてもとても消耗します。
 ①勤めながらだと現職との調整で消耗 ②退職してからだと落ちれないプレッシャーで消耗と、どちらにしても精神がすり減る一方です。
 しかし、ネットや周りを見ると簡単に転職を決めたような話ばかりで自分の何がよくないか長らくわからず、暗闇の中を歩いているようでした。
 ですが、途中から考え方とやることを変えてからうまくいきだしましたので参考になればと思い、記事を書いています。
 転職を決意して悩みながら、次に進もうとしている方は周りになんて言われようが大変立派です。決意して動いている自分を認めてあげてください。

 *ADHD・アスペルガーの特性は前頭葉の発達が弱い→衝動性が強い特性を加味した転職の考え方及びやり方です。これは、特性が強い方はもちろんですが、この特性がない方でも十分適用できる転職活動の考え方です。

 この記事は、以下の構成で書いています。

【1.自己紹介】
【2.自己分析】
【3.業種選び/エントリーシート】
【4.面接】
【5.退職まで】
【6.入社後1か月】

【1.自己紹介】

 私は、35歳男性  理系大学院卒(地方国立)で25歳で機械大手と言われる企業に就職しました。しかし、就職後、仕事が全くうまくいかず、苦労し、 うつかと思い心療内科受診、ADHDグレーゾーン診断を受けました(入社後4年目)。

 そこから、数年間頑張っていましたが、最終的に転職を決意したのは、その時の上司が部下に対して責任を押し付ける上司で、他部署の上司を見てもそういう人ばかりであったことから、部署変えでは問題は解決しないと考えたこと。また、同僚もそういった動きを推奨する方ばかり(いかに他人にババを引かせるか)を考えている人ばかりだったのでここにいては心身が壊れると考え転職を決意しました。

 2018年8月に転職活動開始→職種が近く、経験が生かせそうで業界も近い大手で最終面接までいく→しかし、2018年12月最終で落とされ、エネルギー切れ。

 2019年8月に再度転職活動開始→前年経験を活かし、
①職種が近くて経験が生かせそうな業界 
②自分が何が向いているのか考え、やりたいけど未経験の職種 業界の2方向で進めました。
 その結果、
 ①はエントリーシートは通るけど、面接で面接官にどうして現職をやめるのかを上手に説明できず内定もらえず。
 ②は未経験ですが、自分の言葉で話すことができるのでエントリーシートが通れば、面接でも好印象で、内定をもらえるという結果になりました。

【2.自己分析】←ここが一番大事です。

 ここから、具体的な内容を記していきます。はじめに1.自己紹介を書いたのはもし私が近い境遇でいる方がいたら、より私の方法が活かせる可能性が高くなるのではと考え記載しました。

 ここが一番大事ですのでここのワークだけはごまかさず、本音で自分と向き合って紙に書いてください。ここで手を抜くと後工程もすべてその場しのぎになってしまいます。では、以下の本のワークシートをやってください。
「面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと」
 海老原嗣生(えびはらつぐお)

本の特別付録①「簡易診断シート」(これ絶対)
  特別付録②「自己アピール」と「退職理由」(①の後で疲れるがここまで集中してやってほしいです)

 特別付録①「簡易診断シート」では5つの対立軸で自分はどの人間なのかを出します。
・スピード⇔緻密
・協調⇔競争
・理性⇔情
・思考⇔行動
・伝統⇔斬新
 各項目でスコアを振っていきスコアの差が大きいところが(各項目10個質問があり、3個以上対立する項目と差があれば偏っている)軸で偏っている気質で、あなたの強みであり弱みである部分です。差がない軸でしたらそこは特徴がない軸です。
 ここでの絶対にやってはいけない注意は、強みをたくさん言いたいからと、自分は協調性もあるし、競争力もあると伝えても矛盾する強みになるので周りからするとよくわからない人間になり、面接官にとっても強みがよくわからない人間になります。
 面接官にとって、よくわからない人間というのは嘘くさい人間と映ってしまい、結局落とされてしまうでしょう。
 ここで重要なのは「自分の強みであり弱みである部分を認識すること。」です。ここが全ての自己アピール-退職理由とつながりますので5軸の偏りを自分で把握してください。
 因みに私は、以下でした。
・スピード5⇔緻密4 偏りなし
・協調5⇔競争2   協調中_差3
・理性4⇔情8    情大_差4
・思考3⇔行動7   行動大_差4
・伝統2⇔斬新7   斬新大_差5

特別付録②「自己アピール」と「退職理由」
「自己アピール」
 ①で5軸で自分の偏りが把握できたら、差が大きい部分が自分の強みになります。自己アピールでこの項目が伝わりやすいエピソードを具体的に思い出して書き出し、面接でもいえるようにしておきます。
 面接では、具体的なエピソードを話せないと結局あいまいな言葉の応酬となりよくわかない面接になってしまします。
 例えば、私の場合、軸の中で伝統2⇔斬新7 と斬新が伝統と比較し、とても大きかったら斬新さを示すエピソードを用意します。
 例)購買職経験時、通常馴染みのあるサプライヤではなく、全く他業種の会社に飛び込みして新しいサプライヤとして開拓した。今までになかった材料を製品に使いだした等。

「退職理由」
 さて、言いたくない項目になりました。ここで苦労する方が多いのではないでしょうか。気を付けなくてはいけないのは、前の会社の悪口になっては絶対にいけません。
 キーワードは「私には合わなかった」です。
 ここでも、①でつかった軸-自己アピールの内容が生きてきます。
 退職理由は、自分の気質の【強み】を反転させるこてでできる【弱み】から作ります。
 例えば、私の場合は、軸の中で伝統2⇔斬新7 と斬新が大きかったので斬新さが強みでした。
 しかし、この斬新さが評価されず、逆に伝統的であることがよしとされる会社・職種であったとします。
 すると、以下のような退職理由になります。

 自分としては、今までない斬新なやり方、取引先を開拓することが会社の利益になると考え、飛び込み営業など自分の強みが生きる形で取り組んできましたが、前の会社では商材の性質上、従来のやり方が踏襲されていました。
【この展開が重要】私としては、自分の業務の範囲内でできる限り工夫はしていましたが、絶対に品質を落とさないことが第一になっている商材上、どうしてもアイデアを形にするのは難しいのが現状でした。
 そのため、アイデアを形にすることができるような会社・職種はないかと転職活動を始めました。

 後半ぼやっとした書き方になってしまいましたが、ここで重要なのは、在籍していた会社を悪く言わず、自分の強みを生かせず、「努力したが、どうしても前の会社(在職中なら現職)と合わなかった」という言い方ができることです。
そして、これがADHDの人にとってとても重要なのですが、この流れで自己PRと退職理由をつくると、【だれにも(何より自分にも)ウソをついていない考え方やストーリーになります。】

 ウソはとても疲れますし、相手も人を見抜くプロです。ましてやADHDの人にとって、ワーキングメモリをがっつり持っていかれる緊張した面接でのウソはきっとうまくいかないと思います。

 余談ですが、私が2018年に転職活動をして最終を落とされたときは、
 自己PRは上手にいき、経験も即戦力になりそう、と能力と人柄を評価してもらっていた状態だったのに、退職理由が腑に落ちないという理由で落とされました。
 実は、自分の中での本当の転職理由は、全く尊敬できない上司が嫌で転職活動をしていたのですが、在籍していた会社のことを悪く言っては必ず落とされるという話だけは分かっていたので、
 嫌いな上司や会社のことは言わずに自己PRだけで押し通そうとしてました。
~最終面接にて~
 自分:自己PR  「こういうことができます!こういう経験もあります!」
 自分:退職理由 「農業の製品に携わりたいからです。」
 面接官:「その理由だけで本当に退職まで考える?何か現職であったんじゃない?」
 自分:「いや、そんなことはないですけど、御社の製品に携わりたいんです」
 面接官:「やりたいことはわかったんだけど、そもそも退職するってきめないと転職活動始めないよね。転職を決めた理由が府に落ちないあ、、、、現職と同じくらいの会社規模だし、、、、」
という問答を30分くらいやった後結局落とされました。

 なぜ自分が、転職活動する原因を作っている上司をかばって、結局面接に落とされなければならないんだと、その時は怒りと悲しみで震えました。
 結局のところ、面接官も大勢の人間を見ていくなかで、やめなそうな能力のある人間を採用する必要があるので、面接官を納得させられる転職理由・自己PRがないと簡単に落とされてしまいます。

「2.自己分析まとめ:
本「面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと」のワークシート①、②をやって自分の特徴・強みが出たエピソードを書く」

3.【企業選び/エントリーシート】

 2.自己分析から自分の気質の理解とそれに伴ったエピソードを書き出せたら、あとは企業選び、エントリーシートと進みます。
 しかし、2.で自分の強み弱み+それに伴うエピソードをしっかり書き出したら、後はほぼ流れ作業でもできてしまうかもしれません。
 というのも「志望する会社および志望する職種の特徴」を「自分の強み」と関連づければ、ちゃんと筋の通った企業選びと「志望動機」になります。
そのため、ここまでで
・「自己PR」(5軸からわかった強み)
・「退職理由」(上記で書いた強みと逆の項目の関係で会社で努力したがどうしても合わなかった)
・「志望理由」(自己PRと退職理由から転職活動を始めた。御社および応募職種は自分の強みが生かせるものである)
 と流れができていますのでエントリーシートも無理なく書けるはずです。 
 しかも、自分を偽ることない「自己PR」「退職理由」「志望動機」が考えられると思います。
 この流れに慣れると「志望する会社および志望する職種の特徴」と「自分の強み」に関連づけられる会社なら、すぐストーリーを作れるようになります。
 例えば、私だったら5軸だったら1番数字の差が大きいのは伝統2⇔斬新さ7で際立った強みは斬新さですが、次に際立ってるのは思考3⇔行動7で行動も次点で際立った強みと言えます。
 そこで、志望している会社がフットワークを重視しているような社風もしくは職種だとしたら、
 行動を自分の強みにして、
 自己PR(行動からくるもの)
→退職理由(行動項目の反対 思考を重視する環境だった)努力を重ねたがどうしても合わない
→御社および募集職種は~ 
 とストーリーを作ることができます。

 次は、転職エージェントおよび転職サイトについてです。
 これは、主観になってしまうので参考としてなのですが、紹介できる企業はどこのサイトも同じような気がします。
 募集のある企業でしたら、ほぼ横並びですし、(ex.リクルートに募集があったら、dodaにもある)
 登録している転職サイトが増えると管理がしにくくなり、集中が分散される気がします。結果、転職活動が長引き消耗していく悪循環になってしまうので、2社か多くて3社ではないでしょうか。
 私の場合は、2社登録しており、具体的にはメーカー勤務の経験から紹介してくれる1社(メイテックネクスト)と未経験分野からもみたい1社(DODA)に登録していました。

 企業選びについて、
①経験が生かせる職種
②未経験の職種
 私はここで大変苦労しました。
 大前提として、採用の面接官としては、辞めそうにない仕事ができる人材を取りたいと考えています。そのため、納得いく理由で辞めてくる人じゃないと、仮に能力があって雇っても辞める恐れがある。と強く考えています。
 そのため、「面接官を納得させなければなりません。」筋の通った理由を示さなければだめなのです。
 その点①の経験が生かせる職種については、能力は高そうとエントリーシートは通りますが、面接官を納得させるような前職を辞める理由を説明するのがなかなか難しかったです。
 経験が生かせる→似たもしくは同じ職種→なぜ転職するの?似た職種ならわざわざ転職しなくてもいいじゃない?→、、、、、(在籍している会社の上司がとんでもない人間だからとは言えない)
 のようになり、一見うまくいきそうですが、面接で転職理由を話すとなるとなかなか難しいのです。
 仮に会社の規模や年収が上がる転職活動でしたら、ランクアップのためといえるのですが、規模の大きい会社→規模の小さい会社への転職活動でしたら、面接官の疑問は拭えません。
 それなら②未経験の職種への応募の方が会社をやりたいことをやるには転職しかないと明確な回答ができるので潔いともいえるのかもしれません。

「3.企業選び/エントリーシートまとめ:
2.自己分析内容から自分の強みと企業・職種共通点を見つけ、ストーリーにする。経験職種に応募した場合だと一見簡単な気がするが、面接で転職理由を話すときに、面接官の納得のいく理由を話すのに気を付ける必要がある」

【4.面接】
 先段落でもいいましたが、面接で大事なことは「面接官を納得させることです。」筋の通った理由を示さなければだめだということです。
 ただ、面接になっても面接官が聞くことはそう多くありませんし、聞くことはだいたい同じです。
・「自己PR」(5軸からわかった強み)
・「退職理由」(上記で書いた強みと逆の弱みの関係で会社で努力したがどうしても合わなかった)
・「志望理由」(自己PRと退職理由から転職活動を始めた。御社および応募職種は自分の強みが生かせるものである)
 という流れです。
 自分を偽ることない「自己PR」「退職理由」「志望動機」を面接で言えるようになっていたら、他に聞かれることはもう枝葉のことですし、リラックスしていればちゃんと答えられる内容だと思います。
 また、ペーパーテストは足切りに使われることが多いためちゃんと対策しておきましょう。 
「4.面接まとめ:
 聞かれることは、「自己PR」「退職理由」「志望動機」がメインで聞かれ他の質問は端々で聞かれるくらい。逆にいうとメインの質問だけ自信をもってストーリーになった話をすることができたら、あまり他は気を付けることはない。ADHDにとって何かを隠しながら面接に臨むのはリスクが高い。2自己分析から自分の強みを理解し、「自己PR」「退職理由」「志望動機」と話せるようにする」
 
【5.退職まで】
 無事内定を手にすることができました。色々なストレスの中、内定を勝ち取った自分をまずはほめてあげてください。
 内定をいただくことができてほっとするのもつかの間、次の退職交渉という戦いに入ります。
 私は、内定をもらってから1.5ヵ月を経て、最終出社日という日程にしました。
 その間、毎日下の記事を見ていました。
 https://joho-bookmark.com/retirement-date-spend
 私の経験では、この期間中は、自分の気持ちを強くもち、周りに優しい言葉をかけてもらおう等は、一切期待しないことです。
 もし、優しい言葉をかけてくれる。惜しんでくれる。そんな方がいればとても幸運です。会社を離れても個人的な付き合いを続けられる可能性もあるでしょう。
 しかし、裏で好き勝手言っている人とは会社を離れたら二度と会うことはないので粛々と時間を過ごしましょう。
 「5.退職まで まとめ:心を強くもち、ドライに粛々と退職まで時間を過ごす」

【6.入社後1か月】
 本当にがんばりましたね。色々な経験を経て、やっと転職がかないました。
 ただ、新天地でスタートを切る前に、改めて考えてほしいです。なぜあなたはこれだけの苦労をして転職をしたんですか?
 転職先でも、ADHD由来の気まぐれでさぼったり、周りとの関係でトラブったりして居心地が悪くなったら、頑張って転職活動した意味がないですよね。
 人は第一印象の印象がずっと後に続くといわれています。
 そのことを肝に銘じて、自分が今まで不要としていた言動なども見直す必要があるかもしれません。(私は、人によって態度を変えることや、上司を第一に業務をすることが反吐がでるくらい嫌いでした)
 以下の本をよく読んで、会社(部族)のルールを変えることは現実的ではなく、返り討ちにあい、自分が損をするだけだということを理解しましょう。
「発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術」借金玉

 最後に、
 転職活動は、とても大変です。そんな中、逃げずに自分や転職市場に向き合って頑張っている自分を認めてあげてください。
 これを読んでくださっている方が納得して転職活動を終えられることを願ってやみません。
 
 ここまで、拙い長文を読んでいただき誠にありがとうございました。

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