詩「永遠に打ちひしがれて」

転倒して またおきあがり ふいに セイレーンが腹をそむける
地上にありふれた憎悪をかきみだした天使がそっと火炎の詩編を宙に投げかける
詩的生活に 色とりどりの骨董品を前に 静かな朝をむかえる
忘れられた河に とりにいったのは 苦渋の愛人の涙
愛情が染み入ったときおもったのが わたしはすでに詩人をこえて廃人であるということ
暗がりにみつかったのは 性愛のあとの汗と血
そしてボードレールが落としていった書物が畑にいくつも植えられている
不安障害というものを楽しみもはや闇夜を遊ぶ妖精のように
わたしは詩編を編まなければならない そこに王が一つメダルを落としていく
反詩人という叛旗をひるがえしながら、血みどろになる詩人の目玉が皿の上で輝く
太陽より熱い肛門からひねり出したのは 女が願った奇形児
そして わたしの目からは永遠に処される磔刑像がぬるっと出てくる
これらの思念がマチエールになり果てる時
わたしたちは世界に風邪をひいた青い馬を見いだし
むくっと起きた詩人の太い腕に転がる女性の媚態を
文章の中に晒す。倦怠、艶やかさ、そして世界、これらをわたしは忌避する

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