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日本の商慣行と流通の機能(食生活アドバイザー3級)

日本には独特の商慣行がありますが、規制緩和や市場開放が必要であり、諸外国からも認められていることもあります。

ここでは、日本の商慣行とともに流通の機能についてのお話をします🤗

日本の商慣行

日本には、メーカー、卸売業者、小売業者の利益を保護するために、次のような独特の商慣行があります。

《一店一帳合制》
メーカーや卸売業者などが、ある商品を小売業者以外から仕入れられないようにする制度です。

《委託販売》
メーカーや卸売業者などが、ある商品を小売業に渡して販売してもらう方法です。小売業者への代金払いは、小売業者が商品を販売し終わった時点となります。

《返品制度》
委託販売で、商品が売れ残った場合は、メーカーや卸売業者に返品することができる制度です。

《リベート》
メーカーが、自社商品の売上高に応じて卸売業者や小売業者に、正当な販売差益以外に支払うお金のことです。割戻金報奨金などとも呼ばれています。

《メーカー希望小売価格》
小売業者以外のメーカーや代理店などが、自社製品にあらかじめ設定した販売参考小売価格(販売希望小売価格)のことです。

《制度価格》
メーカーが、卸売業者や小売業者に対して設定した販売価格のことです。

《建値制度》
制度価格の安定を図るために、メーカーが一定の取引数量について設定した適正価格のことです。

《派遺店員制度》
メーカーが、百貨店や大型小売店などの小売業者に、自社製品の販売を手伝うために派遺する店員のことです。

《販売協力金》
小売業者がイベント料や宣伝費などとして、メーカーや卸売業者に要求するお金のことです。

《商品添付制度》
注文数量に対し、商品を上乗せして納品する、小売店向けの販売促進制度です。
 現在は自由競争の原則から、市場開放の向けて規制緩和が進んでいます。また、次のように「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」で禁止されているものもあります。

《抱き合わせ販売》
売れない商品(死に筋商品)を売れ筋商品に付けて販売する(両方を買わないと売れない)方法です。

《押しつけ販売》
百貨店や大手小売業者が、優越的な地位を利用して、納入業者に商品を買わせる方法です。


流通の機能

 流通とは、生鮮食品や加工食品など、生産者によって作られたモノが消費者に渡るまでの仲介機能全般(一連の経済活動全般)をいいます。

 流通されるモノには、目に見える有形の物だけでなく、商品やサービスの効用を高めたり、付加価値を増すという無形のサービスも含まれます。

 また、一連の経済活動とは、輸送、保管、仕分け、商取引などを指します。


流通の4つの機能

商流機能:商品の売買(取引機能)
物流機能:商品の輸送・保管・荷役・仕分け・梱包など
金融機能:商品代金の回収
情報機能:商品の売れ筋・死に筋情報、マーケット情報、新商品情報などの提供

生産と消費の間には、「人・時間・場所」という3つの点で次のようなギャップがあります

  • 人的ギャップ…生産者と消費者が違う

  • 時間的ギャップ…生産と消費の時間が違う

  • 空間的ギャップ…生産場所と消費場所が違う

流通は、「人、時間、場所」という3つのギャップを埋める、つまり、生産と消費を結びつけるパイプ役を機能で上記の4つの機能があります。


流通の全体像

参考資料



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