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【映画評】ダン・カーティス監督『家』(Burnt Offerings, 1976)

 原題は Burnt Offerings 、即ち「燔祭」(ユダヤ教・キリスト教における供犠を伴う儀式)のことである。ロバート・マラスコが1973年に出版した同名小説の映画化作品で、スティーヴン・キングの小説『シャイニング』(1977)、スタンリー・キューブリックの同名映画(1980)に先立って、夏の休暇の間に古い屋敷(右上図)の留守番役を務めることになった一家(父・母・子・伯母)の悲劇を描く。狂って息子を襲う父(左上図)、人の生命を吸う屋敷の恐怖が既にここにある。
 しかし、最大の見どころは、伯母役を演じるベティ・デイヴィスの死にかけた「婆あ」ぶり(左下図)で、どうにも怖すぎる。
 名作幽霊屋敷映画、『サイコ』(1963)からの影響が垣間見られる作品である。

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