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【覚書】ロジェ・バディム監督『素直な悪女』(Et Dieu crea la femme, 1956)

 アントワーヌ・ド・ベックは、『素直な悪女』に出演したブリジット・バルドーについて「彼女が登場したことによって、リアルな身体が、スタジオから外に出て照明や造形上の慣習から逃れていくものとして提示された」とする(ベック 456)。つまり、1930年代から60年代にあっては古典的スタジオ・システム下で飼い慣らされていた俳優(特に女優)の身体が、ヌーヴェル・ヴァーグの映画によって屋外に解放され「野生化」すると指摘したのである。

〈引用文献〉アントワーヌ・ド・ベック「スクリーン ― 映画における身体」『身体の歴史III―20世紀 まなざしの変容』岑村傑監訳、藤原書店、2010年)、435‐471頁。

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