24.子供の私の世界を広げたのは漫画という文化
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近所の同級生・ユキちゃんと親しくなって、色んな発見があった。
例えばテレビ番組もその一つだ。
うちの場合、父が野球を見るかプロレスを見るか大人向けのバラエティー番組を見ていた。
母はあまりテレビを観る時間もなかったけれど、歌番組は好きだった。
曲を気にいると自分のストリップでのステージでも使うためだ。
ユキちゃんの家は子供が三人いるので、夕方はアニメの再放送。
当時はドラゴンボールやキャッツアイが流れていた。
それが終わったらNHKだ。
幼児向け番組の間に宿題を済ませ、子供向けの番組を見て、18時頃からは海外ドラマというアメリカのドラマを観るのが日課だそう。
私もマネして観るようになってからは、俄然話題が広がった。
「なっちゃんはなかよし?りぼん?どっち買ってるの?」
と、何の話か分からなかったが、少女マンガ誌の事だった。
セーラームーンに惹かれて私は”なかよし派”になった。
世の中はセーラームーンが大ブームで、流行に敏感な母は喜んで買い与えてくれた。
思えばこの辺りから、マンガオタクになりつつあったのかもしれない。
セーラームーンはアニメよりも断然マンガ派だった。
武内直子先生の描く繊細で、なのに力強い絵も、カラーも芸術の域だった。
マンガの内容よりも、カラー表紙が楽しみだったし、それだけ何度も眺めた。
でも恋愛が絡んでくると途端にシラけてしまう。
この王子様みたいな彼も、いずれはあんな事やこんな事をするのだ。
っていうか現実はこんなにキレイなもんじゃないし。
キスシーンさえ嫌悪感があったのは、やっぱり親の職業の影響があったのかもしれない。
”キスは好きな人と♡”っていう世界観がそもそもね、ビジネスでそれ以上の事やっちゃってるのを見てるしな。
愛情なんてなくたっていくらでも出来るもんだからな。
敷地内同居をする従姉妹から嫌われている事は知っていたので、あまり関わらないようにしていたけれど、少女マンガ誌の貸し借りだけはした。
従姉妹の姉はちゃお派、妹はりぼん派だった。
おかげで少女マンガに関しては詳しくなっていった。
従姉妹の「なっちゃんほんとノロイいよね、プークスクス」は腹が立ったけれど、関わっていれば多少メリットもある。
これも同級生と同じで”世間を知れる事”だった。
でも私は従姉妹の父・つまり叔父(父の弟)が大嫌いだった。
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