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25.叔父からの性被害

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従姉妹とは適切な距離を模索しながら上手くやっていけるようになっていたけれど、従姉妹の父・叔父の事は大嫌いだった。
叔父は叔母の死後、一緒に住む事になったわけだけれど、しょっちゅう酔っ払っては家の鍵をなくしていた。
深夜、従姉妹たちが寝ている家に入れずに、こっちの家のインターフォンを連打したり、ドアを叩いて「開けてくれよ~」と叫ぶ。
なぜこっちの家なのか。
両親が家にいる時はほとんどこんな事は起こらない。
決まっていつも両親がストリップ劇場の巡業でいない時なのだ。
真っ暗な一戸建てに私しかいないのに、それはそれは怖かった。
時には酩酊していて名前さえ言えない。

さすがにこれは祖父母に相談した。
祖父母も気付いていたみたいだけれど、
「酔っ払いなんか気にするな、無視しなさい」
と言うだけで何の解決にもならなかった。

それに家の浴室は窓がついていたのだが、その外側にタバコの吸い殻が落ちている事もあった。
父も母も喫煙者だったけれど、さすがに自分の家にポイ捨てなんてしない。
「誰かが覗いているのね、近所の人なのかしら」
と母は怖がっていたけれど、私はなんとなく叔父が犯人だと思っていた。
いつも母や私を見る時に、ニヤニヤするからだ。

もちろん母に伝えてみたことがある。
「お風呂場の覗き、叔父さんなんじゃないの?」と。
すると母は
「証拠もないんだから絶対に口に出しちゃダメよ。
お義母さんに聞かれたら大変な事になるわよ。」
と口止めされただけだった。


それだけでも子供ながらに不快だっていうのに、叔父はよく私の身体を触った。
フランクにお尻を触ったり、揉んできたりする。
嫌な顔をすれば
「なんだよ~こんなの冗談だろ~つまんねぇヤツだな」
と悪態をつかれる。
「こりゃ安産型だな~将来は安心だ!」
なんて言われて、子供の私には意味がわからなかったけれど腹が立って思わず舌打ちした。
すると激高した叔父は
「大人になんて態度をするんだ」
と私を叱り、両親を蔑むのだった。

でも、
「いちまんえん、どこにいったのかな」
と言えば黙って踵を返した。
私と叔父には因縁の”いちまんえん事件”があった。


まだ幼稚園の頃で、叔父と従姉妹が引っ越してきてすぐの事。
両親が巡業に行く前に
「何かあったら使いなさい、ここにしまっておくから」
と、一万円をキッチンの引出しに入れてれた。

だが、巡業から戻った両親が確認すると一万円はなくなっていた。
「何に使ったの?お釣りは?」
と聞かれたけれど、私は使った記憶もなければ触った記憶もなかった。
というか、キッチンの引出しを開ける機会がなかったので、お金が無くなった事にも気付いていなかった。

「怒らないから言いなさい!」と詰問されたけれど、本当に心当たりがなかった。
近所には個人商店が一軒だけあったけれど、そこの店員はいつもエロ本を立ち読みしているので、出来る限り近付きたくなかったし。
一人で買い物にも行っていないし、親のおつかい以外で個人商店に行った事もない。

それでも詰問されて、信じてもらえず、悲しくて涙がぽろぽろ零れた。
ふと、叱る窓の外から視線を感じて振り向くと、その光景を見てニヤニヤしている叔父の姿があった。

そこから私は叔父を信用していなかった。
この”いちまんえん事件”がなければ、身体を触られる事も拒みきれなかったかもしれない。


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