【バーナム　人心操作の修辞学】1835年7月15日新聞

<驚異の高齢女性>
フィラデルフィアとその近郊にお住まいの皆様は、メソニック・ホールで、世にも珍しい人物にお会いすることができます。百六十一歳の黒人女性。名前はジョイス・ヘス。かつては、あのワシントン将軍の父上に仕えていました。バプティスト教会の会員になって百十六年、数々の賛美歌を当時の唱法で唄います。バージニア州の旧ポトマック川の近くで生まれ、ケンタッキー州パリのボウリング家で百年ほど暮らしてきました。お見えになった方々からは、老女の年齢は宣伝されている通りとの評判を得ています。面倒をみてきたボウリング家からの証拠としてワシントンの父上自筆の売買契約書もあり、話だけでは信じられないという方もご納得。老女は午後と夕方にはホールにおります。ご興味のある方々のご来場をお待ち申し上げます。
『ペンシルバニア・インクワイアリー』　一八三五年七月十五日号

出典：Pennsylvania Inquiry Jul.7,1835