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   自 由 の 意 味

自分が しあわせなのを思い出した。
自分が 何者なのか思い出した。
いつも自由だったことを思い出した。
私は 不自由だったことも、不幸だったこともなかった。
私は自由だった。
私の自由とは 心が自由に、型にはめられずに 考えられることなのだった。
見た目じゃない。心の自由なのだ。
心が牢獄にいなければ、そもそもそれが 本当の自由じゃないか。
他人でも、環境でも、状況でもない。
心の自由こそが、自由に考えられることこそが、かけがえのない自由ではなかったか。
外から来る不幸、外から来る不安にだまされるな。
不幸の足音が聞こえたら、心から追い出すのだ。
あの人が、あたしのあの人が、私の主人が、私を喜ばせてくれるのを思い出せ。
常にあの人が、私を見つめている。
そのまなざしの 暖かさの中で、私はずっと生きてきたのではなかったか。
あの人の顔を 曇らせてはいけない。
あの人のやさしさが、まなざしが、私の名前を呼ぶ時の声が、あの人の無邪気さが、私の愛したもの、私のあの人ではなかったか。
あの人と、ともに生きていて、今私はしあわせではないか。
不幸な物語など要らない。
私は自由の意味を知った。
私は今しあわせをかみしめ、涙を流している。

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