🎬ロング・グッドバイ 感想

レイモンド・チャンドラー原作『長いお別れ』をロバート・アルトマンが映画化。
私立探偵のフィリップ・マーロウはメキシコに送った友人テリーの殺人容疑に疑問を持つ。マーロウに夫を連れ戻すことを依頼する女性アイリーンやテリーが持ち逃げした金を返せと迫るギャングが現れチグハグに見えていた点は線でつながっていく。
私はチャンドラーの原作を読んでいないし、アルトマンも『M★A★S★H マッシュ』しか観ていないので、原作と比較しての賛否には全く疎い。
フィリップ・マーロウをエリオット・グールドが特有のボサボサ頭でヘビースモーカーとして演じていて、気取りのないグールドらしいとぼけた味を醸し出している。
印象的なのはオープニングから延々と続く猫とのやり取り。
深夜に腹をすかせた猫のためにエサを買いに行くがお目当ての銘柄がなく、猫相手に子どものように本気で誤魔化そうとし猫に愛想を尽かされるところで、グールド=マーロウがどんな人物なのかなんとなくわかってくる。おそらくこの辺りから原作とは違うのかな?と想像はつくのだが、グールド=マーロウの全編を通した個性が意外とクセになる。
入れ替わり立ち替わりいろいろな人物が現れ、それぞれがマーロウに勝手な言い分を繰り返すストーリー展開には一貫性がなく不安定。
音楽はジョン・ウィリアムズが印象的で魅力的な主題歌を書いていて、そのフレーズがいろいろなアレンジで延々と流れ映画全体の展開を暗示していく。
ラストのマーロウが見せる全く違う顔は男のプライドか?嫉妬なのか?
ストーリーとしては、私が読み取れていないのかもしれないが、アイリーンとマーロウの出会いが偶然だとしたらご都合主義だし偶然ではないならアイリーンの意図が全くわからない。
正直私は映画のストーリーとしてはピンとくるほどのインパクトはなく退屈だったが、グールド=マーロウの雰囲気を楽しむ映画としてはありだと思った。
深読みすればおもしろいのかもしれないが、好みは分かれるところかも。わからないユーモアや古臭いモノマネはなんじゃこりゃ?
無名時代のアーノルド・シュワルツェネッガーがちょい役で出ていることを知らなかったが、筋肉を見せた途端、彼だとわかる存在感はさすが。役者としては当然イマイチなのだが筋肉は全てを凌駕してしまうことをあらためて思い知らされた。
やはり最強なのは"パワー!!"なのか⁈

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