超短編小説 涼 初恋
高校は寮生活だった。退屈な朝礼に退屈な授業。友達も出来ずただボーっとしている毎日。
教室の壁にもたれかかっていると「涼君、たまにはみんなと話そうよ」おせっかいな琴音が話しかけてきた。その隣で心配そう縁が見ている。なんだこいつら。
「うるせーな」そう言ってその場を去った。ただただ面倒くさい。なんであんなに心配そうに縁は俺を見たんだろう。
揉め事は嫌いだ。友達なんて揉め事運ぶだけだろ。中学時代に悪い連中に絡まれて大変だったことを思い出す。もうあんなのうんざりだ。
次は体育の授業か。
着替えて校庭に出る。今日は三段跳びか。何がホップステップジャンプだよ。
俺の番か。しょうがない。
思いっきり走って三段跳び。をしたつもりが躓いて足をひねって動けなくなり、授業が中断。
病院に行くと足首を少し骨折。ふざけるなよ。
松葉杖をついて学校に帰ると縁が泣きそうに見ていた。あれ、意外と可愛くないか。なんか気にになってきたな。なんだろうこの心の熱い感じは。
ちょっと不味い。
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