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発達領域の作業療法士

作業療法士(OT)が活躍する領域はさまざまです。
ざっくり言うと、身体障害領域、精神障害領域、発達障害領域、高齢者領域などでしょうか。その中でも、OTにとって、メジャーな領域とマイナーな領域があります。(そもそもOT自体がマイナーな職業かと思いますが…)
僕が最強を目指すのは「発達障害」の領域です。
OT全体の割合でいうと…
「3%」くらいです。
えっ?です。

海外(アメリカなど)では、こどもに関わるOTはもっと多いようです。学校に勤務するOTが多い事もあります。
作業療法が日本に入ってきた初期から子どもへのOTはあり、継続されてきましたが、日本は、高齢化社会によって高齢者へのリハビリテーション需要が高まった事と、教育への参画が仕組み上難しかったなどの社会情勢といった背景により、数が拡大しにくかったことがあると思います。

近年では、偉大な先輩方の活躍のおかげで、発達領域の作業療法への需要が拡大しています。具体的な例を挙げていくと、通常級に在籍する学習や行動に困難がある子どもの割合が8.8%という文部科学省の調査結果があり、これまで教員のみで行われてきた学校教育への参画が期待されている事や、放課後等デイサービスなどの福祉サービスが拡大している事などで、活躍が期待される職域は広がっています。しかし、育成が追い付いていない現状があると感じています。

ここまでは、OT界隈ではよく言われている事ですが、いざ育成となった時にそのノウハウは確立しているのでしょうか?それを教えられる人はどのくらいいるのでしょうか?と疑問を感じています。

そこで、これから発達領域のOTスキルを習得していく方々や、今まさに必要としているOTにお伝えしたいのは、「支援のスキルや知識は作業療法士から学ぶ事にこだわらず、その領域で成果をあげている方々や他職種からあらゆる事を学んでいく事」をお勧めします。
理由は簡単で、これまで蓄積してきた取り組み数の違いです。前に述べたように、発達領域のOTは数が少ないので、必然的にOTの取り組みだけにこだわると支援の引き出しは少なく、クライアントに最善の支援を提供する事は難しくなります。そして、世の中にはクライアントの困り事を解決する方法が数多く存在しています。それを使わないのはもったいないです。
もう一つの理由は、作業療法が作り上げてきた文化が影響していると考えていますが、この事についてはまたの機会に触れていきますね。

他職種や他分野からの学習を勧めていくと、ぶち当たる壁があります。「他職種が積み上げた方法や知見を使用すると作業療法ではなくなってしまうのではないか?」という作業療法士というアイデンティティが揺らぐことです。結論から言えば、作業療法です。(作業療法とは何かについてもまたの機会に書こうと思いますが、)一言でいうと「Occupation(作業)を介してクライアントの健康やQOLに寄与する」のが作業療法なので、そこから離れていなければ作業療法でなくなる事にはなりません。

今後、効果的な支援技術や知識については紹介していきたいと思います。

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