見出し画像

『死を見つめる心』

岸本英夫 1903〜1964
『死を見つめる心』1964

・死というものは、実体ではないということである。死を実体と考えるのは人間の錯覚である。

・死というものは、そのものが実体ではなくて、実体である生命がない場所であるというだけのことである。

・これを裏返していえば、人間に実際与えられているものは、現実の生命だけだということである。

・死の恐怖は、生理的である。その点でも、それを、われわれは、食欲によせて実感することができる。空腹感、飢餓感は、その当事者にとっては、理屈ではない。

・死は、突然にやって来る。思いがけない時にやって来る。いや、むしろ、死は、突然にしかやって来ないといってもよい。いつ来ても、その当事者は、突然に来たとしか感じないのである。

・私が、生死の問題に対する、近代人にとっての解決方法として考えているのを、一言でいえば、それは、「よく生きる」ということである。


 今やりたいこと、今できることをやる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?