つながりを保つもの

ここ3年くらい、状況が状況なこともあって何かと「人とのつながり」について考えることが多い。

磁石が引き寄せ合ったり退け合う図を、幼いころは理科の教科書なんかでよく目にした。くっつくと離れるで分かるところを、未だに独特の表現を覚えている部分に印象の強さを感じる。

人とのつながりは、磁石みたいに2つのパターンではない。
くっつくために近づく過程、離れるまでの過程、磁石がただの2パターンに至るまでの一瞬一瞬の過程が人と人の間には存在している、気がする。

パターンが多いから、安定しない。
つい最近まで連絡を取っていた人と、あまり話さなくなる。
何かのきっかけで、今まで話さなかった人と頻繁に話すようになる。
こういうことって、何がきっかけだろうと考えたときに、悪口とか悩みとか暗いものばかりが浮かんだ。
もちろんそれだけではないことは分かっているけれど、つながりを急速に強める要素にはあまり良くないイメージがある。

急速にはたらく要素はそうだとして、じゃあつながりを保つ・継続させるものはなんだろうと考えてみた。
良く言うなら、それは「心地いい沈黙」。
話さなくても、会わなくても、つながっていると感じられる時間がある。強くつながりを感じた思い出なんかよりも、相手を思い合うことに深いつながり、長い付き合いは出来上がってゆくのかもしれない。

ただ、必ずしも大切に思う人が自分にもその思いを向けているとは限らない。疑り深いとかではなく、現実的に。
かすかな心地よさを感じて、一生のうちで1人だけとでもそうしたつながりをもてるのは、ある意味人間の特殊能力なんじゃないかなと思った。
大げさかもしれないけれど、そうやって考えているとつながりは洗練された深いものになるような気がする。

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