いろいろクセになる【ホンカトリー】@湯島
湯島の名もない坂道に建つマンションの1階に店を構える【ホンカトリー】。
店の前には常に行列ができているのか、「いつも行列ができているけど、そんなにおいしいんですか?」と声をかけられた。
店内はL字型のカウンター7席のみで、店主がワンオペで切り盛りしている。
店の外で待つこと約〇分。店内に入って待てたのはいいのだが、カレーなのに全然お客が入れ替わらない・・・。結局2時間近く待っただろうか。
しかし、席に着いたらそれも納得であった。
ただルーをライスにかけているのではなく、もはや調理の世界。
几帳面にライスを盛り、10種類近いトッピングをひとつずつ丁寧にかつ美しく盛り付けているのだ。
焼き小エビ+サンバル:1000円
キーマ(合挽)+エダマメ:1000円
まず、なんといっても、お花畑のような色鮮やかさに思わず感嘆の声がでる。ちょうどカウンター内が良く見える席だったので、盛り付けの工程を見ていたのだが、いったいいくつのトッピングを乗せただろうか。軽く10種類は超えている。
店主より、テーブルにおいてある調味料の中から、プリックナンプラーとエビチリココナッツをかけて食べることを勧められる。
また、真ん中のグリーンチリソースで辛さを調整するとよいとのことであった。
確かに、この具沢山ライスであればナンプラーとエビチリココナッツをかけただけで、カレーのルーがなくてもいいんじゃないかっていうぐらい完成している。
ライスはバスマティライスでパラパラっとしている。水分を吸いやすいので、ルーは少しずつかけて食べるように言われる。
韓国料理の五味五色ではないが、ライスの上にはいろいろなパウダー状のものの他、多種多様な野菜などが散りばめられている。
野菜もただ蒸したり煮込んだりしたものではなく、スパイスでそれぞれ味付けされていて、味だけではなく、香りや食感もいろいろ楽しめる。
コーンフレークも自家製なのか、香り高かった。
コロッケも乗っているのだが、割ってみるとこちらもスパイスが使われているのがわかる。外側はカリッと香ばしく、中はおからのようにホロホロっと崩れ、これまた混ぜ合わせると、イイカンジになる。
ライスだけで思わず食べ進みそうになるのだが、ルーがまたイイ。
焼き小エビ+サンバルは何かのスパイスが立ちすぎることなく、絶妙なバランス感。辛さは控えめ。いろいろなトッピングと併せても、全く喧嘩せず、きちんとそれぞれの食材を生かしてもいる。
キーマ(合挽)+エダマメはてっきりキーマカレーに枝豆が散りばめられているのかと思っていたら、キーマカレーの上に枝豆をすりつぶしたカレーが盛られているではないか。
これがまたうまいんだ。先のカレーともまたタイプが異なり、まろやかさもあり、甲乙つけがたし。
店主曰く、生のにんにくはあえて使っていないとのことであった。理由は食べた後に胸やけを起こさないためということであったのだが、ボリュームはそれなりにあると思うが、確かに、重さはまったくなかった。
卓上にはスパイスの用意があり、店主はそれも使うようにすすめてはいたものの、なくても十分満足するカレーであった。
先にも記載した通り、ワンオペで一皿一皿丁寧に盛り付けていることもあり、回転率の悪さは否めないものの、丁寧かつ手間ひまかけた感がひしひしと感じられるカレーはおいしさだけではなく、ワクワク感ももたらしてくれる。
このクオリティで千円だなんて、客としてはありがたいの一言につきる。
とは言え、昨今、カレーのスパイスも高騰しているわけだが、店主曰く、たった2品のカレーにここまでお待ちいただいているので、今のところは値上げを考えてはいないとのことであった。盛り付け中は黙々と朴訥な雰囲気を醸し出しているように感じたが、結構気さくな面もあり、人間的にも興味をひく店主であった。
待つ甲斐ありだったな。
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