句会と絶対美|俳句修行日記
実力を見せつけてやると意気込んで句会デビューを果たしたのだが、ボクの俳句が詠みあげられることはなかった。翌朝、ショックを引きずりながら仕事をしていると、師匠が頭をはたいて「おまえは俳句というものを理解していない」と。師匠が言うには、『柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺』という、子規の超有名な俳句も、当初は評価が低かったのだとか。
「俳句に絶対はない。そもそも、この世に絶対美なんぞ存在せんのじゃ。対象物は、観察地点によって形を変える。おまえも、きのう詠んだ俳句が今日は響いてこんとい