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能登半島を縦断して金沢に行った話
※令和6年能登半島地震により被災された皆様に、衷心よりお見舞い申し上げます。
2021 年春、某ウイルスの本格的な拡散から1年が経ちリモート中心の生活に完全に慣れた一方、第 n 波の襲来で自由な旅行に制約がかかる日々が続いていた。そんな中、金沢へ体を持っていかなければならない用事ができたため能登半島を縦断して行った話。
なぜ能登半島経由?
東京から金沢へ行くには北陸新幹線を利用するか小松空港を経由するのが一般的だろう。わざわざ時間のかかる能登空港を利用した理由はもちろん感染症対策……というのは完全に建前で、王道ルートで行くのはつまらないという捻くれた理由が本音である。
ちなみに能登空港があるのは能登半島の北の方で、金沢からはだいぶ距離がある。単に小松を利用したくないアンチ小松民というだけなら、能登空港よりも富山空港を利用する方が良い。
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いざ能登半島へ
というわけでさっそく旅行スタート。用事が月曜日の午前中にあるため、日曜から前日入りすることになった。羽田の搭乗口に着くとびっくり。
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誰もいねえ……。いくら日曜朝に田舎へ行く需要のなさそうな便とはいえ、ここまで閑古鳥大合唱とは思わなかった。コロナ禍恐るべし。
上空から見た羽田空港はこんな感じ。パンデミック直後に大量欠航の影響で飛行機がずらっと駐機している様子がニュースになっていたが、1年経ってもまだ混雑しているようだった。
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機内の様子としては、3列シートに1人乗っているかどうか……といった感じ。ANA の経営が心配になるものの、人間嫌いの私としては大変快適な空間だった。
なお、この羽田能登便は先日まで震災の影響で週3往復の運航となっていたが、現在は毎日1往復している。復旧が進めば午後便の1往復も復活するだろう。
能登空港に到着
羽田を出た時には晴れ間が見えていたものの、能登へ向かって高度を下げるとどんよりした雨雲が広がっていた。
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それにしてもこんな山だらけの土地によく空港なんて作ったな……。
能登空港には鉄道が乗り入れていないものの、バスで穴水まで出ればのと鉄道に乗り継げる。このルートを使う場合は七尾・和倉温泉までの鉄道とバスがセットになった能登空港連絡切符を使うのがおすすめだ。
※震災の影響で現在は発売中止となっているため注意したい
そんなわけでまずはバスに乗車。利用客は私と地元のおじさん2人だけ。
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穴水駅に到着。
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のと鉄道に乗車。沿線が聖地となっている花咲くいろはのラッピングが施されていた。
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始発である穴水駅の時点で乗客をちらほら乗せた状態で出発したが、次の能登鹿島駅ではホームに大量の乗客が!!「うわ~やっぱり観光路線だったか……ここから混雑するのかな」と思っていたら、ほとんどの人はホームで写真を撮っているだけで乗車してこなかった。全くリサーチを入れてなかったが、桜の名所となっているらしい。
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そんなこんなで終点の七尾に到着。なお、和倉温泉~七尾はのと鉄道と JR が重複する珍しい区間となっている。普通列車同士を乗り継ぐ場合は七尾での接続となるが、特急能登かがり火は和倉温泉が終点である。
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七尾では途中下車してお昼を調達。予め発券しておいた七尾発東京行きの乗車券で再入場し、始発の普通列車に乗車……するのではなく、花嫁のれん号という観光列車に乗車。
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花嫁のれん号は土日祝日を中心に運行されている列車で、観光列車ということで車内は普通の特急と比べてもかなり豪華な作りとなっている。
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車内サービスもいろいろあるが、乗るだけなら指定席特急券の課金のみで済むためそれなりにリーズナブル。
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集団での利用を想定した座席が多いものの、1人席や対面の2人席なども存在するためソロプレイヤーにも親切な設計となっている。
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ただし、予約が遅いと対面4人席に座った3人グループと一緒になってしまうなど気まずい思いをするリスクもあるので注意。
なお完全に余談だが、花嫁のれん号や先述した能登鹿島駅などで列車を撮影している一般人で、ホームの線をはみ出すなどマナーの悪い行為が散見された。もちろん人様に迷惑をかけまくっている撮り鉄を擁護する気は全くないが、鉄道写真を撮るならちゃんとマナーを守ってほしいと切に思う。
金沢に到着
そんなこんなで金沢駅に到着。ホームの端っこというだいぶ辺鄙な場所で降ろされるため、改札まではそこそこ歩かないといけない。
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鼓門がお迎え。市内の中心地は香林坊付近となっており、金沢駅からはそこそこ歩く。国鉄の駅が町外れに作られる典型例だ。
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金沢観光
で、初日は有名観光地を巡る脳死トラベル。まずは金沢21世紀美術館へ……行ったのだが、写真は外の桜しか撮ってなかった。
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雨の休日ということで館内は大混雑。有名な「スイミング・プール」も大行列となっておりなくなく諦めることに。また金沢に行く機会があればリベンジしたいところだ。
そんなわけで21美から退散し尾山神社へ。
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和洋中が融合したなかなか面白い建築物。上部のステンドグラスは夜になると明かりが灯るらしい。
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庭園も良き。
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そこはかとなく中華感を放っているこの橋は渡れなかった。
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長町武家屋敷跡へ。
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繁華街すぐ近くに歴史的町並みが残っているの良いなあ。
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ひがし茶屋街。全然人いないけど大丈夫か?
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明かりが灯っているのに人がいない様子は千と千尋のようで、なかなか神秘的だった。
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狭い路地大好き。
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好き好き。
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鉄分補給
翌日、用事を済ませてから時間に余裕があったため北陸鉄道を乗りつぶして鉄分を摂取することにした。まずは石川線の野町駅へ。けっこう寂れてて地方私鉄のターミナル駅感が出てる。
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石川線に乗車。だいぶ急カーブな駅だ。
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北鉄の乗りつぶしをする場合は1日乗車券の購入をおすすめする。石川線の往復だけなら通常運賃と変わらないが、浅野川線も乗るならその分お得だ。
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北鉄は市街地にそこそこ短い間隔で駅が置かれており、どの駅でもそれなりの乗降客がいる様子。終点に近づくと視界も開けて「田舎!」という景色が広がるものの、終点の鶴来(つるぎ)はそこそこ利用客がいるようだった。
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昔は鶴来から先の加賀一の宮駅まで線路が延びていたようだが、現在は廃線となっている。
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加賀一の宮駅は改修された駅舎が残されており国の登録有形文化財となっている。鶴来からは歩いて 30 分程度だ。
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引き返して野町行きに乗車。
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ただし野町までは戻らず、西金沢で JR に乗り換えて金沢駅へ。
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金沢駅から今度は浅野川線に乗車。ここだけ地下区間となっている。しかし北鉄の2路線が別々のターミナルから出ていて、しかもどちらも中心地から少し外れているというなんとも不便な状況はなんとかならないのか。
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夕方の帰宅ラッシュ時間帯ということもあり、立ち客もちらほらいる様子。……といっても1人ずつ空けて席に座っていたため、座ろうと思えば座れる状態ではあったが。
で、終点の内灘に到着。ここからさらに海へ向かって 20 分ほど歩くと、
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夕日!!ギリギリ間に合ってよかった。
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曇り空の多い北陸でここまで快晴の日没を拝めるのはなかなか運が良いのではないか。
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そんなこんなで北鉄の乗りつぶしを終え、気分良く帰路につく……前に、有名撮影地である大野川橋梁へ。
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いや、夜だとダメだわこれ。昼ならエモい写真が撮れたはずなのだが。
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再び金沢観光
で、翌日。帰りの便を午後に予約したため午前中に金沢観光の続きを済ませることに。まずは金沢城公園へ。
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庭園!でかい。
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続いて兼六園に入園。
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「あ!教科書で見たことのある景色!」と思ってシャッターを切ったのだが、どうやら記憶違いだったようだ。
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桜満開。うまく誰も映らないタイミングを見計らって撮ったが、実際には観光客だらけだった。
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初日に閑散としていたひがし茶屋街も晴れているとそこそこ観光客が集まるようだ。
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一方でにし茶屋街は晴れててもシーンとしていた。こちらは観光地ではないのかな。
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観光地を巡ったあとはぶらぶら街歩き。ただし金沢の地理を全く予習せずにその場でルートを引いたため、とにかくアップダウンが激しく体力的にはわりときつかった。
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ここまで高低差が激しいのは、並行して流れる犀川と浅野川によって作られた河岸段丘上に街が広がっているためだ。2つの川を行き来するような形で歩くと上って下ってを繰り返し大変なことになってしまうわけだ。
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で、足を消耗しきったあたりで時間となり金沢駅へ。帰りは普通に新幹線でサクッと帰宅。北陸というとかなり遠いイメージがあったが、東京から2時間半でアクセスできるのはすごい。
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おわりに
そんなこんなで能登半島を縦断して金沢に行った話だった。8割くらいは金沢の内容だったのでちょっとタイトル詐欺感が強いがご容赦いただきたい。
今回は素通りしてしまったがのと鉄道沿線にはいろいろと魅力的なスポットがあるため、震災から復旧して落ち着いてきたらまた行ってみたいと思う。みんなも行こう!
……といったところで今回はここまで。
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