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自作PCに初挑戦したらASUSのマザボで2連続トラブった話

自作PCのデメリットの1つに、トラブル時の対応の煩雑さが挙げられる。

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メーカー製PCやBTOで組んだ場合は購入元に丸投げすれば良いわけだが、自作PCとなるとそうはいかない。CPUやメモリ、GPU、ストレージや電源などの中からどのパーツが原因なのかを特定しなければならず、大変な手間がかかる。

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今回はそんな自作PCに初挑戦したところ、ASUSのマザーボードが2回連続で不具合を起こし、しかも最終的にトラブルは解決しないという事態に陥ったお話。ちなみにマザーボードが初期不良を起こす可能性はかなり低いため、2回連続というのは天文学的確率かもしれない

自作PCに手を出したきっかけ

そもそもなぜ自作しようと思ったのか。実はあまり明確な理由はなく、「そろそろ買い替えの時期だよね」というなんとも素人くさい判断で自作することになった。

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今まで使っていたPCは2015年の初め頃にBTOで組んだもので、Core i5-4690のCPUに8GBメモリという当時としてもミドルクラスのスペックだ。GPUは後にGTX 1050 Tiを導入しており、これまたミドルクラスど真ん中。
とはいえ、現在においても動画編集や3Dモデリング、そこそこ重たい3Dゲームなどなど不自由なくこなしていたため特に買い替えが必要と感じることはなかった

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ちなみにBTOとは”Build To Order”の略で、CPUやメモリなどのパーツをカスタマイズした上で注文できるサービスだ。まあ、この記事を読む人でBTOの意味がわからない人はあまりいないような気もするが。

しかしながらここ数年でCPU市場は大きく動いていたようで、ついに第10世代Core i5に倍以上のスコア差を付けられてしまっていた。もちろんCore i3にもボロ負けである。挙句の果てに「インテルまだ入ってるwww」とAMD勢が煽ってくるようになり、「性能には困ってないけどとりあえず新しくしよう」となったわけである。

ちなみに、第2世代Core iシリーズ(Sandy Bridge)にこだわる人たちはSandyおじさんと煽られていたが、ついに私の使っていた第4世代(Haswell)も怪しくなってきた。Haswellおじさんと煽られる日も近いかもしれない。

購入したパーツ

そんなわけでCPUを買い換えることになったが、CPUを変える場合大抵はマザーボードも交換することになる。というのもCPU用のソケットが世代によって異なってくるため、対応するマザボを買わなければならないのだ。

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そんでもって、古いマザボからの交換だとメモリの世代も異なるためこちらも全交換。元々のスリム型ケースだといろいろと不便することもあり、ケースも交換電源も不安だったため交換
そんなこんなで、結局自作PCを1台組むことになってしまった。元のPCから引き継ぐのはGPUとストレージ(およびOS)くらいである。

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まずCPUの候補として挙がったのが、IntelのCore i5-10400FAMDのRyzen5 3600。どちらも内蔵GPUなしのミドルクラス帯でコスパに優れており、対応するマザボにも価格差はほとんどない。スペックとしてはRyzen5 3600の方が良いが、その分価格が高いといった感じ。

いろいろと悩んだ結果、Ryzen5 3600でも普通に予算内のためついにAMDデビューすることになった。まあ、以前使っていたノートPC(現在は液晶モニター化)のCPUはAMDだったりしたが、譲り受けたものだったのでノーカン。

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マザボは本当にこだわりがなかったため、セットで購入できる安いもの(ASUS PRIME B450M-A)にした。……が、この判断に後で後悔することになる。

ケースはThermaltakeのVersa H26。低価格帯にも関わらず性能はそこそこ良いと評判のものだ。

電源はこれまたThermaltakeの600W電源を採用。後々拡張する可能性を考えると700Wくらいが良いのだと思うが、ちょっとケチった。

メモリはCrucialの8GB*2

……とAmazonのリンクをわちゃわちゃ貼ったが、実際には楽天を利用した。Amazonと価格差がほとんどなかったため(それどころか安いものも)、お買い物マラソンに合わせてまとめ買いすればポイントをガッツリ稼ぐことができるというわけだ。

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組み立て

注文後、すぐに届いた。さっそく組み立て……といきたいところだが、当時はいろいろと忙しく後回しにしてしまった。

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購入したのが11月の中旬で、「このままだと組み立てるのは年明けになるかもね」と周りの友人に笑われていたが、どうにか時間を確保し12月に組み立てに入った。……が、まさか完成するのが年明け2月になるとは当時は思いもよらなかった。

新旧ケースを比較するとあまりのデカさにビビる。というか逆にスリムケースは詰めすぎてメンテナンス性は最悪と言えるだろう。

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はっきり言って組み立てについては完全にド素人のため、説明を見ながら一つ一つパーツを取り付けていく。

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CPUを付けて。

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CPUファンも取り付け。

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メモリも。ツメの部分が片側しか開かない設計になっており、入れるのに苦労した。

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GPUは元のPCから取り外す。

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電源も取り付け、とりあえずここで起動の確認をしてみる。

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トラブル発生

……が、画面は真っ暗のまま。ファンのLEDが光っているから給電はされているはずだが……。あ、CPUの補助電源付け忘れてる!アホだ。

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そんなわけで補助電源を取り付け、再度電源オン!ようやく画面がつく……と思っていたが、やはり真っ暗のまま。ありり?

その後もメモリの抜き差しやCMOSクリアも行うが状況は一向に変わらず。具体的には以下の通り。

・CPUやGPUのファンは回るものの映像が出力されない
・ビープ音も特に鳴らない
・電源ボタンを長押しすると電源オフにはできる

メモリはそれぞれ1枚刺しにしたり場所を変えたりしたが何も起こらず(1枚も刺さずに電源を入れるとビープ音が鳴った)。新品で買った2枚とも初期不良というのは考えづらいため、おそらくメモリの不具合ではないだろう。GPUは元々使っていたPCで普通に動いていたためこちらも問題ない。

となると電源かCPU、マザボの不具合だが、おそらくマザボではないかと思い購入元のパソコン工房さんに連絡することに。

3分ほど待たされてどうにか電話が繋がり、実行環境について確認した後、一旦CPUとマザボを返却することになった

また、映像出力端子の勘違いなどのケアレスミスが無いことなども確認された。内蔵GPUがないためマザボの出力端子からは何も表示されないということだが、さすがにそのあたりは大丈夫。CPUのピン折れなどの物理的破損がないことも確認した。

検査の結果……

返却してからすぐに連絡が届き、マザボの初期不良が確認できたとのことだった。どうにか問題は解決しそうだ。

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修理して送り返してもらったが、明らかに修理品ではなく新品だった。不具合の原因についても何も教えてくれなかったが、まあ動けば問題ないわけだろう。

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CPUを一度取り外してしまったため、新たにCPUグリスを購入した。こちらも評判の良いものを脳死でポチった。

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さっそく取り付け。

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おお~~!ちゃんと表示された。よかったよかった。

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さっそく小躍りしながら他のパーツも取り付け、全てケース内に収まったところで再度起動!

またしてもトラブル

……が、なぜかうんともすんとも言わない。以前と同じく真っ暗になってしまった。なんでやねん\(^o^)/

「もしかしてマザボ以外に原因があったのでは?」と、古いPCも完全に解体して交差検証することに。これは面倒になってきたぞ。

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電源について交差検証したところ、以下のようになった。

・新しい電源と古いPCのマザボを繋ぐ → 普通に起動
・古い電源と新しいマザボを繋ぐ → 起動しない

とりあえず電源が原因ではないことが判明。

で、ケースが原因というのは考えづらいが、一応古いPCのマザボを入れSATAケーブル類など全て繋げたところ、普通に起動できた。そんなわけでやっぱりマザボに原因があるとしか思えない。

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結局、直接話を聞かないとわからんということで都内に用事があったついでに秋葉原へ立ち寄り、サポートセンターに出向いた。……が、工場で検査するしかないということで特に進展はなし。普通に手渡して終わった。
この時点で12月の下旬に差し掛かっていたが、なんとメーカーがすでに年末年始休業に入るということで検査には時間がかかるらしい。休むの早すぎ。

年が明ける

そんなわけで本当に年を越してしまった。1月下旬になっても連絡が来なかったため「忘れ去られているかも?」と思い一度こちらから催促したところ、まだメーカーで修理中とのことだった。ASUS仕事遅すぎないか?まさか台湾か中国の工場まで輸送しているのだろうか?

で、2月に入ってようやく連絡が来た。……が、結果としては残念なことに、「PCIEリセット回路部抵抗破損が確認されたため有償修理になります」とのこと。まじか(;´Д`)

しかも修理費は1万円を余裕で越していた。パソコン工房のお兄さんも「これは新品を買い直す方が安いですね……」とのこと。正直なところ物理破損があったというのは納得がいかないが、仕方がないので修理せずに送り返してもらうことに。鉄くずと化したマザボはいらないが、CPUもセットになっているから返してもらわないと困る

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しかしなぜ物理破損が起きたのだろうか?パーツの取り付け時はかなり慎重に作業していたし、輸送時に傷が入るのも考えづらい。
まさかパソコン工房さんや代理店さんが作業中に破損させたのではないかという邪な推測もしてしまったが、いずれにしろそんな簡単に壊れる製品を作っているASUSに責任があるのではないかと思う。まあ文句言っても仕方ないが、今後はASUSの製品は一切買わないことにする。

さらにトラブルは重なる

そんなこんなでマザボはすぐに送り返された。すでに述べたように返却してほしいのはマザボではなくCPUのみ

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……あれ?CPUどこ?

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マザボしか入ってなかったΣ(・∀・;)

すぐにパソコン工房さんに再度連絡。代理店から返却されたものをそのままこちらに送っていたため、CPUの返却を失念していたとのことだ。翌日に改めて送ってもらい解決。

新たにマザボを購入

で、新しく(ASUS以外の)マザボを購入するはめになったわけだが、いろいろと調べてみると低価格帯でもそこそこ性能の良いものがあり、MSIのB450 GAMING PLUS MAXというATX規格のマザボをチョイスした。

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そもそもケースがATXサイズ対応だから、Micro ATXよりは拡張性の高いATXを使うほうが合理的だろう。

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ちなみにマザボを作っているメーカーはかなり少なく、ASUS以外だとMSIASRockGIGABYTEあたりしか選択肢がない。長らく使用しているGPUがMSI製ということもあり、今回はMSIを選んだ。

さっそく組み立て

CPUが返却された後、時間を見つけて組み立てに入る。トラブルシューティングで交差検証を繰り返していたため、PCの組み立てスキルは無駄に高くなってしまった

また、再度CPUファンを取り付けることもあり、勢い余って新しいCPUファンを買ってしまった。でかい……。

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虎徹 Mark IIというもので、かなり評判が良かった。ただし取り付けの難易度は初見だと高めかもしれない。

メモリについても、ツメが両側とも開くタイプのため非常に付けやすい。

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GPUも取り付け、最小構成で起動を確認してみる。問題なく動いている。

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SSDとHDDも取り付け、OSの起動まで確認。こちらも問題なさそうだ。

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最後にケースに取り付けて起動の確認。これでダメだったら私が破壊神すぎる話だが、全く問題なく動いてくれた。

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よっしゃあああああ!!!11月に購入したPCが、2月になってようやく使えるようになったのは感慨深いものがある。主にASUSのせいだが。

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ちなみにマザボが変わるとOS的には別端末と認識されるらしく、ライセンスの取得を要求された。マイクロソフトのアカウント経由でオンラインライセンスを得るだけなので楽な作業ではある。

また、Office 365もなぜか動かなくなったが再インストールで解決した。ただし、元は大学のアカウントで動かしていたはずなのになぜか個人のアカウントになっていた。個人ではOffice 365の料金払ってないのに大丈夫なのだろうか。

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また、わちゃわちゃと遊んでみた感覚ではスペックの向上を実感することはほとんどなかった。動画のエンコードとかしたらわかるのかな……最近は動画編集あまりやってないため、Ryzen5 3600のスペックが活かされるのはしばらく先かもしれない。一般的な用途では6年前のPCとの違いが実感できないというのは少し残念だ。

おわりに

そんなこんなで、ASUSのマザボでトラブったお話だった。結局トラブルは解決しなかったが、それ以上に交差検証などで時間が吸われたのが痛い。トラブルシューティングする中で自作PCの知識はモリモリ増えていったのだが、それでも苦労に見合わないような気がする

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また、今回すでにBTOで組んだPCがあったためある程度は交差検証できたわけだが、もし何もなしにいきなり自作に挑戦していた場合は原因の特定にかなり苦労したと思われる。本当に初めてデスクトップPCを組む場合は、素直にBTOにしたほうが良いかもしれない

……といったところで今回はここまで。

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