見出し画像

地球一周したら日本の象徴が制服姿のJKであることに気づいた話

今日から日本文化を語るのに困ることはなさそうだ。

今回は留学から帰る途中でいろいろと寄り道しながらもようやく東京に戻った際のお話。

画像1

今までのまとめ

本題に入る前に少し今までの旅の軌跡をまとめたい。

まず、アメリカにはLAから入国。5日間ほど滞在し、崖から滑り落ちたりアメリカ版コミケに参加したりした。

画像10

その後留学先のフィラデルフィアへ。鉄分補給も欠かさずに一ヶ月ほど勉強。留学後はアメリカを出るためNYへ。空港に一日放置されるという拷問を受ける。

画像11

そして偏西風に流されてイギリスにたどり着く。ロンドンの田舎町で「きんモザ」の聖地巡礼をした。

画像12

ロンドンの次はフランスに入国。パリを観光した後、地方都市であるナンシーへ移動し「ごちうさ」の聖地巡礼

画像13

次にベネルクス三国を縦断しながらアムステルダムに到着しアブダビへ飛ぶ。そして灼熱地獄により命の灯火が消えかけるもどうにか生還。

画像14

……といった感じで、特に理由もなく地球を一周してしまった
そして常にGPSを稼働させていたため、記録データがバッチリ残っている。少し統計データを取ってみたい。

どれくらい移動した?

留学中の期間を除いた6/30~7/4、8/3~8/20の23日間で鉄道による移動が3275.7km、徒歩による移動202.7km、飛行機による移動が31467kmとなった。

フィラデルフィア-48

やはり飛行機による移動が圧倒的であるが、鉄道もかなり利用したため日本列島縦断できるくらいの距離は移動している
そして地味に徒歩の移動が多い。平均すると一日10kmいかないが、日によっては30kmくらい歩いていた日もあった。公共交通機関という文明の利器を知らない原始人になっていたのかもしれない。

どれくらい費用かかった?

1. 飛行機代
飛行機代は全部合わせて約12万くらいだった。正直なところ、LCCでもないフラッグシップキャリアの国際線を片道発券するという無駄の塊のような行為をしたわりには驚異的に安くすんだと思う。
というか、東京~NYをANAとかJALの直行便利用するほうが高く付く(普通に14万くらいぶっ飛んでいく)。

画像16

もちろんここまで安い航空券を確保するのはかなり苦労したのだが、スカイスキャナーと数ヶ月にらめっこして最安便をピンポイントで予約していった。
アメリカ発着の便を予約する際には居住国をアメリカに設定するなど、ずる賢い手段をいろいろ利用したのだが詳しくはそのうちまとめようと思う。

ちなみにスターアライアンス世界一周航空券を同じルートで発券すると36万くらいする。マイル利用でも75000マイルくらいかかるためかなり安く買えたと思う。

2.宿泊費
留学中はホームステイを利用し一ヶ月で10万ほど。前後の旅では7万ほどだった。
Airbnbを積極的に利用したためかなり宿泊費は抑えられていると思う。ちなみにきんモザの聖地巡礼だけで2万ほど宿代がかかっている。

3.滞在費
アメリカも西欧も物価が高いため滞在費が一番困った。
特に食費がゴリゴリ積み重なるためここをどう削るかが勝負なのだが、留学中はWawaというコンビニのサンドイッチ(Hoagies)にお世話になっていた。
大体5ドルくらいでトッピングの選択肢もめちゃくちゃ豊富な上、野菜が入って栄養バランスも良いという完全無欠食である。毎日食べていた。

画像23

一方で旅の間はそもそも食事を取らないことでどうにか凌いだ。元々スケジュール管理が絶望的に下手くそであり、普段から昼食を食べる時間が会議やらで潰れる生活を送っていたためあまり大きな問題にはならなかった。人間一日二食でもどうにかなるものである。

そんなこんなで滞在費は合計で15万ほどになった。苦労して削った割には高く付いている気がするが、乗り鉄しまくったのが原因である。

画像21

4.授業料
正直に言ってしまうと授業の内容の割には授業料高すぎである。単位をお金で買っていると言われても首を横に振れないレベル。学生ビザの取得やらの細かい出費も含め30万ほど消えていった。

画像17

ちなみに飛行機代については16万、宿泊費は8万の給付型奨学金をJASSOからいただいており、さらに大学の給付型奨学金も50万くらい強奪に成功していた。
「留学行きたいけど経済的にきついよお」という人はバイトを増やすのではなく、授業をがんばってGPAおばけになると幸せになれるかもしれない

SIMはどうした?

国ごとにいちいちSIMを購入して挿し替えるのは面倒だったため、こちらのSIMを事前に購入して利用した。

イギリスの通信会社のSIMだがアメリカでもヨーロッパでもデータローミングで使える上、3ヶ月有効版で1740円という驚異的な安さである。ただしデータ通信は3GBまでのためかなり気を使った。

イギリス以外の国では3G通信となるのだが、田舎でも都会でもサクサク動いていたため全く問題はなかった。もちろん対応バンドについてはよく確認しておくべきである。

いざ東京へ

ようやく本編開始。東京行きの飛行機に搭乗する。

画像2

すると搭乗待ちで並んでいる時に隣にいたアラブ人が「いや~暑いですね。早く日本に帰りたいです。」とめちゃくちゃ流暢な日本語で話しかけてきた。
実家が日本にあるのか、それともテレパシーで私の心を読んだのかはわからないが、後者だとしたらそこまで帰りたいとは思っていないため少しテレパシーミスってる。

画像7

とにかく、アラブ人だからといって日本語が喋れないとは限らないということでやはり見た目で人は判断できないのだと改めて実感した。

画像3

アブダビからは約10時間ほどで成田空港に到着。

画像4

荷物を受け取り入国。
税関のお姉さんに「どれくらいの期間海外にいましたか?」と聞かれる。
「7週間くらいです。」と答えると「荷物はそれだけですか?」「スーツケースとかはないですか?」とめちゃくちゃ疑われる

というのも荷物は普段大学に行く際に使うようなバックパックとショルダーバッグだけだったため、明らかに7週間も海外に行くような装備ではないのだ。

画像8

とはいえ圧縮袋を利用すれば3日分の衣類は余裕で入るし、他には勉強道具やらカメラくらいしか必要なものはないため特に困ることはなかった。何か必要になれば現地調達すれば済む話である。

ちなみに勉強道具は重たかったため、授業が終わった後に全部自宅に送りつけた。送料が5000円くらいかかるためゴミ箱にダストシュートすることを考えたが、なんとか踏みとどまった。

成田からはバスを利用しようとしたが何便か後まで満席だったため鉄道利用に切り替え。

画像5

アクセス特急に乗車。
夏休み期間とはいえ平日のお昼過ぎということもあり車内はほとんど外国人観光客。日本語は車内放送くらいしか聞こえてこなかった。

画像6

そんなわけで日本に帰ってきた感は全く無く、ぼんやりと外の景色を眺めていた。北総線は国道と並走するのだが、そこを走るトラックを追い抜いたと思ったら駅に停車中に追い抜かれ、また追い抜いてを繰り返しているうちにいつの間にか浅草線に直通し地下にもぐっていた。

そして停車中に駅のホームに目を向けると……


なんとそこには制服姿のJK



……あ、日本に帰ってきたんだ。

急に電流が走り、まだアブダビあたりをふよふよしていた私の意識がいきなり東京に戻ってきた。

画像22

一度”日本感”を得ると今度は身の回りの全てに日本を感じるようになり、降りた駅のホームも、乗り換え改札も、少し混んでる東西線の車内も、周りの乗客も、車内広告も、すべてが日本らしさを放っているように感じた

きっと日本スイッチが入る条件は人によってそれぞれ違うのだろうが、とにかく私にとっては制服姿のJKだった。アニメばかり見ていることが原因と思われるが、欧米では学生が制服で街中を歩く光景はあまり見られないというのも大きいと思う。
というかもしかしたら日本だけかもしれない。台湾や中国、フィリピンなんかでも街中で制服姿の学生を見かけることはなかった気がする。そう考えると日本固有の光景として認めても良さそうである。

地下鉄を降りて地上に出る。

高田馬場駅からは今にも雨が降りそうな曇天のもとに、よく見なれた東京の景色が広がっていた。
そして乗り込んだ西武線の車内は微妙に汗の臭いが漂っていた。
……これが日本の香りか。

その後

帰国してから大学の授業が始まるまでは2週間ほど時間があったのだが、完全にほったらかしにしていた大量のタスクを消化しているうちに元の生活に戻った。

画像20

結局、留学したからといって、地球を一周したからといって何かが大きく変わるということはなかった。英語がペラペラになることもなければ、価値観がガラッと変わることもない。今まで通りの、普段の自分で普段の生活を送るのみである。

でも、ひきこもり体質の私にとってそこそこの長期間旅をしたことは本当に貴重な体験だったし、いろんな景色や人々との出会いから様々な小さなことを学んだと思う。

画像19

そしてこの街も、ずっと工事中だった道が開通したり、住宅が更地になってたり、逆に新しいスーパーができたり、それ以外にも数多くの小さな変化があった

画像18

知らない景色を見て自分の世界を外へ広げていくのもいいけれど、知っている景色の小さな変化に気づくのも楽しいかもしれない。

画像9

旅の中でほんのちょっぴり成長して、ほんのちょっぴり変わっていくこの街で今日も生きていく。

おわり

この記事が参加している募集

#スキしてみて

528,758件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?