読書感想『図解 反論する技術 反論されない技術』
著書名:『図解 反論する技術 反論されない技術』
著者:木山 泰嗣
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
■どんな本?
弁護士としてご活躍されている著者が、普段使っている反論のポイントがとても分かりやすくまとまっています。
ほんの少しの意識で使えそうなテクニックが多いので、今日から実践可能です。
私も個人的には、逆質問や論点をずらすなど、1つのテクニックだと思うので、使えそうなときは使ったりします。
とはいえ、著書の中でも、コメントにも書かれていましたが、現実世界では気を付けながら使わないと、相手との信頼関係を損なうリスクがはらんでいるので注意が必要です。
なので、おそらく使い方としては、
①まずは主張された相手を褒める
熱意、情熱、論じた内容の緻密さ、正確性、日ごろの仕事ぶりなど。。。
②その上で
②-1:全面的に反対する立場であれば
逆質問、論点をずらす、などのテクニックを使用する
②-2:条件付き賛成という立場であれば、
細かな点を質問しつつ、最終的に相手に、さらに必要な要素は何かを理解し持ち帰ってもらう。
こんな感じで、まずは相手を持ち上げることが大切なんじゃないかと感じました。
■目次
PART 1 「反論する技術」編
1 「逆質問」でその場をしのぐ!
「そもそも何なのか」を訊く
図に描いてもらう
言葉の定義を尋ねる
成功事例を訊く
なんでもいいから訊きまくる
もう一度説明してもらう
2 都合よく論点をずらす!
勝手に話をまとめる
話をするりと切り替える
相手が避けている話題に触れる
自分に有利な問題点を設定する
相手の熱意だけをほめる
現実問題を持ち出す
3 答えるのをやめる!
感情的な意見には付き合わない
あえて反論しないで沈黙を守る
上から目線で無視する
守秘義務をタテにして答えない
理由をつけて回答の時間をかせぐ
その場で答えず、後回しにする
4 相手のスキを突く!
総論は賛成し、各論を問題にする
矛盾を見つけて指摘する
データの間違いを指摘する
単純ミスを指摘する
失敗事例を指摘する
相手の弱点をあぶり出す
PART 2 「反論されない技術」編
1 「一理ある」と思わせる!
事実を起きた順に淡々と伝える
「動かない事実」をベースに話す
反論のあとに代案を出す
キーワードを繰り返す
一貫性のある話を繰り返す
難しい専門用語を使う
キーパーソンをねらいうちにする
2 証拠をもとに説得する!
客観的な証拠を示す
正確な数字を示す
統計データを示す
何かにたとえる、例を挙げる
権威を引用して話す
成功事例を紹介する
付録 「反論する」「反論されない」ための実践テスト
■著者のプロフィール
木山 泰嗣
1974年横浜生まれ。弁護士。上智大学法学部卒。税務訴訟及び税務に関する法律問題を専門にする。青山学院大学法科大学院客員教授「租税法演習」。単著の合計は25冊を超える
■本の詳細
著書名:『図解 反論する技術 反論されない技術』
著者:木山 泰嗣
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2013/12/27
ページ数:152ページ
■良い口コミ
・特別な場ならともかく、日常的にこれを実践したら相当に嫌がられるので注意
毎日暮らす職場で皆が実践していたら、そこ全体がコミュニケーション不全になります。
・・・・・などと苦言を言ったけど、とにかく面白い本なので職場の”給湯室に”一冊常備しとこう。
・目的が「反論」であるこの本を50男がコンビニで買うのはさすがに恥ずかしかったが反論される立場から相手の「手口」を知りたくて手に取った。
なるほど、「あの時こう言えたら…」なんて悶々としている人にとっては光明かも知れないし「反論されない技術」を育てながら、「文句の言えない存在」として成長していくのも道である。
ただ、お客様のクレームに対していたずらにスルーするだけの技術なら意味無いんじゃないか?「納得」を得られる方法はまた別の問題なのか?同じに思えるけどね。「あぁ、こう来たか。それならば…」と手が打てるエピソードも結構あるから、オールマイティの本では当然ない。
■悪い口コミ
・回答を探すために、時間を稼ぐのは、仕方ないとしても、全てにおいて、建設的な内容は見られない。チームとしての信頼関係は、どうやって築くのだろうか?この本を実践している人は大抵嫌われている。だから?何をしたいの?自分中心で思い通りにすべてを進めたいの?と聞き返したくなる。
・確かにきれいに整理されていて見やすいが、内容は、それなりにビジネス書を読んでいる学生でも知っている内容。
■まとめ
テクニック自体は、ちょっと考えればわかる技術かもしれませんが、きちんと整理されている分、頭の中の引き出しに入れ込んで使いやすいテクニックだと思います。