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詩67/ 春

遠くどこかにいる
もう会うことのないあの人に
あの日のことを
恨まれているかもしれない
恨まれていないかもしれないが
確かめるすべは今はもう無い
でもそれはもう
考えても仕方のないことだ
傷を忘れて生きている人の
傷を思い出させてはいけない
会えないのではなくて
もう会ってはいけないのだ
俺は
全てを詰め込んだリュックを背負って
それを絶対に開けずに
それを絶対に下ろさずに
終えてはいけない旅を
続けるつもりだ






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