営業という仕事に迷った時に救われた本
今回は、いつもと毛色を変えて、自身の価値観にポジティブな影響を与えてくれた本を紹介したいと思う。
本のタイトルは、文字通り『営業』である。
https://www.amazon.co.jp/営業-野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて-冨田和成-ebook/dp/B075ZQ9WPZ/ref=mp_s_a_1_1?dchild=1&keywords=営業+冨田和成&qid=1588745131&sprefix=営業%E3%80%80冨田&sr=8-1
超スパルタで知られる野村證券、その中でもトップセールスになられた方の本。
営業のなんたるか、どのようなアクションを取れば営業としてのレベルが高まっていくかがわかりやすく書かれている。
また、こういう本では筆者の自慢話がひたすら書かれているケースも散見されるが、本書はそういうこともなく読みやすい。
今営業職の人はもちろん、今後営業職に就くことを考えている人にもお勧めの一冊である。
乱暴にまとめると、営業とは体系立てて学ぶものであり、
①課題について、解決策の仮説を立てる
②確度の高そうな仮説をぶつけ検証する
という工程を繰り返し、精度を高めていく仕事だということだ。
これだけを聞くと簡単そうに聞こえるかもしれないが、実際にはこれが出来ている営業は少ない。
例えば、まったく知らない会社に飛び込み営業をかける時に、どうすれば受付を突破し、決裁者に会わせてもらえるのか?
「保険の営業に来ました」では、受付で門前払いされる可能性が大きい。
それでは、どんな言葉であれば通してもらえるのか?
そもそも「営業に来ました」では、買う側と売る側で対立した構図になってしまうので、顧客の味方であることをアピールした方がいいのでは?
そのためにはどうしたら良いのか?
という感じでどんどん深掘りしていく。
最終的に、筆者は「不動産の件で伺いました」というフレーズを多用することになったそうだ。
これにより、受付は「保険の営業に来ました」と伝えた場合と違って、門前払いしていいものか判断がつかず、ある程度裁量のある担当者と会えるようになったそうだ。
今のご時世では「不動産の相談」と伝えてもなかなか会ってもらえない気もするが、重要なのは「なぜ」の深掘りと仮説の構築、そして実行することだ。
このプロセスは何にでも応用できるし、行き当たりばったりで営業している人とは少しずつ差をつけることが出来るだろう。
本書の中でも、自分にとって印象的だったエピソードと、明日から使えそうなアクションを紹介したい。
それは、課題を相手に気づかせるようコーチングすることだ。
どれだけ営業が理路整然とメリットを語り、持論を展開したとしても、相手は感情の生き物である。
相手にその気になってもらわないと、なかなか首を縦に振ってもらえない。
そこで、「〇〇が課題、かもしれませんね」というように、語尾に「かもしれませんね」というフレーズをつける。
これにより、顧客本人に思案するきっかけを与えつつも、セールス側の考えに誘導しやすく出来る。
一緒に課題解決に取り組んでいる姿勢を出すことも出来、プッシュ型の営業よりも遥かに良好な関係を築くことが出来るという理屈だ。
この本を読む前、自分は営業という仕事を属人的で潰しがきかない仕事と考えていた。
しかし、仮説思考力を鍛え、かつ検証も行える仕事と捉えられるようになってからは、前向きに取り組むことが出来るようになった。
営業職に疑問を感じている人、営業に興味がある人にはぜひ読んでみて欲しい。
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