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危機状況下でのマネジメントについて考える

※この記事は約3000文字です。約6分で読めます。

Gallup Webinar【危機状況下でのマネジメント~新型コロナウイルス対応としてのリモートワーク】に参加しました。
恐らく、以前に「新版 ストレングス・ファインダー2.0」を受けた際の情報から案内が来たものと思われます。

仕事上、DXやアジャイル・スクラムについての話が多いのですが、それらは組織論や社会学に基づいた理論でもある為、その知識の補充になればと思い、参加しました。

このWebinar内容とリモートワークをどう行えば良いかや組織論について、皆様の参考になれば幸いです。

1.日本人が情報ソースとして信頼するのは医療機関

医療関係の情報について
・日本人は医療機関の情報を最も信頼している(約69%)
・家族・友人からの情報もかなり信頼している(約24%)
・一方政府の情報は信頼していない(約49%)
・ワクチンの有用性について懐疑的(安全性について約64%が同意しない)
※Gallup Webinar/危機状況下でのマネジメント~新型コロナウイルス対応としてのリモートワークより抜粋

「医療や健康に関する情報元として信頼出来るのは?」と言う質問で最も信頼していると言う結果が出たのは医療関係者と言う事でした。(まぁ、これは当たり前かと)。

ただ、驚いたのは家族・友人からの情報を信頼する率が世界平均より約10%程高いと言う事。友人と言うのは、例えば若い世代であればリア友までなのか、ネ友も入るのか気になると共に、その文化背景は何なんだろうと思いました。自分は家族・友人から情報を得てもソースを探してしまうタイプなので(そのソースが信頼出来るものなのかは別問題で、昨今の偏向報道など見ているとその判断も難しい所)、ちょっと意外でした。かつての村社会信頼への高さが残存しているのでしょうか。

また、政府への信頼度は医療関係に比べ約半分しか無く、これは世界平均から比べ約25%も低いと言う事。これは昨今の政治不信であったり、CDCの様な政府機関総合研究所が日本に無い事が起因しているのかもしれません。

もう一つ意外だったのが、日本人のワクチンの安全性を信頼していない率は約64%で、これは世界平均の約4倍と言う事(効果については約35%が懐疑的)。日本は国際的に「ワクチン後進国」と呼ばれています。ワクチンは行政の施策になりますが、他国に比べ日本がワクチン浸透の必要性を国民に対し十分に出来ていない事やワクチン副作用に対する不安、または上記の政府への信頼度の低さが現れているのかもしれません。ないしは、最も身近なワクチンであるインフルエンザワクチンについてもワクチンの型が流行の型と合わず空振りになったり、逆にワクチンにより罹患する方が居る事も影響して居るかもしれません。

これらを総合すると、

会社としての医療に関する指針は
・医療機関の科学的根拠を持って実施
・ワクチンについては不安を感じている人が多い事を認識し、施作実施

の2点が大切と言う事です。

2.危機状況下を乗り越える為に必要な要素

危機状況に更に大事になる指標
・信頼
・思いやり
・安心感
・希望
※Gallup Webinar/危機状況下でのマネジメント~新型コロナウイルス対応としてのリモートワークより抜粋

これは完全に同意ですね。
透明性から信頼と安心感は醸成され、パフォーマンスの正しい設定と測定が思いやりと希望を生み出すと言う事だと思います。
自身の経験を元に纏めると、平常時でも大切な以下の項目が危機状況下だと更にその重要性が際立つ、と言う事だと思います。

【透明性について】
・経営陣に明確なプランがあり、それは社会的必要性とリンクしている
・プランが共有されており、On-Scheduleで無くても進捗を公開する
・会社の指針やプランに対し、意見を出来る環境(心理的安全性)
・会社が従業員の生活を考えている事が実感出来る施策
【パフォーマンスの正しい設定と測定】
・一律では無く各自の状況に合わせたパフォーマンス設定と都度見直し変更
・互いに納得できる数値レベルでの測定とそのフィードバック
・何をどうすれば更に改善出来るといった具体的な行動の見える化
・改善プランが実現可能である事

また、エンゲージが高い(これらが出来ている)企業は低い企業に比べ、不況時に平均以上の業績を出す可能性が高いし、その不況からの回復も早いと言う具体的な数値があり、非常に腑に落ちました。

纏めると

危機状況下如何に関わらず、
・透明性
・パフォーマンスの正しい設定と測定
が大切で、その重要度は危機状況下であれば更に高まる

と言う事だと思います。

3.エンゲージメントを高める具体的な方法

エンゲージメントを高めるには、
・Q12の内容を理解し、それぞれの得点を上げる行動をする
・個人の強みを理解し、共有し、それを活かす仕事を与える

従業員のエンゲージメント度合いを図る質問としてQ12があります。
これについては以下のサイトが良く纏まっていますので、ご参考に下さい。危機時には特に1、2、3、8が大事との事でした。

面白かったのは、特に大事なのは危機状況で大切なのは自己肯定であり、ただ、他人に自分をもっと肯定しろと言っても他律的要因で無理なので、まずは自分で自己肯定を行い(「今日は頑張った!」と寝る前に自分を自分で褒めるなど)、それが他人への思いやりにも繋がり、その輪が広がる事により、互いを尊重し合える組織と成長していく、と言う部分でした。
なお、週数回やそれ以上のコミュニケーションがエンゲージを53%まで高める、という結果もあり、例えばChatルームやMTGの場を作るなどし、意識的に雑談や不安事を共有する場を作る事をすべきと感じました。

また、不安を感じやすい状況の場合、個人の強みを活かし、エンゲージメントを大切にし、パフォーマンス志向で評価する事が大切(所謂、支配型リーダー では無くサーバントリーダーが求められる。サーバントリーダーについては以下サイトをご参考に下さい。)と言う事でした。確かにリモートワークだと旧来の勤務時間での評価では無く、Outcomeでの評価と明確化が必要で、その辺り個人の強みとエンゲージメントが無いと成立せず、なるほどと思いました。

私としては以下を意識していこうと感じました。

危機状況下では以下が更に差別化となる
・従業員エンゲージメントが更に重要視すべき
・エンゲージメントを高めるには個人の強みを活かし、自己肯定を促す
・計測可能なパフォーマンス志向で評価する
・サーバントリーダーシップを実践する

4.まとめ

如何でしたでしょうか。学んだ事と自分の主観も混じっていますが、下記を学びとして自分の仕事にも活かして行きたいと思います。
(要は、IT界隈で言われるアジャイルやスクラムの考えです)

・不確実な状況であればあるほど、従業員エンゲージメントを重要視する
・まずは透明性とパフォーマンスの正しい設定と測定を実行する
・エンゲージメントを高めるには個人の強みや価値観を理解し活かす
・個人の強みを組み合わせながら不確実な状況に組織として立ち向かう
・その過程により、組織としての力が高まり、差別化となる

昨今の社会情勢は誰にとっても共通の不安材料であると思いますが、これに関わらず、所謂危機状況と言うのはいつでも人それぞれの状況により起こり得る(会社、部活、プライベートなど)と思います。それらを乗り越える為のヒントとして、皆様の参考になれば幸いです。

ここまで読んで頂き、有難う御座いました!


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