迷走プロジェクトを爆速で進めるためにしたことを振り返ってみる
この記事はSafie Engineers' Blog! Advent Calendar 12日目の記事です。
こんにちは、セーフィーでプロダクトマネージャーをしてるジョンです。
エンジニア中心のアドベントカレンダーなので、若干毛色の違う話になりますが参加させてもらいました。
今回は新しいオプションサービスをイチから作ったプロジェクトの話をします。
プロジェクト自体は1年以上前からあったのですが、壁にぶつかって進まない・進む兆しが見えそうなところで状況が変わって方向転換・また壁にぶつかって進まない、、、、とかなり迷走していました。
そんな迷走プロジェクトだったのですが、あることがきっかけで爆速で進ませることができました。
プロジェクトがなかなか進まない背景に潜む理由と、その克服策について自身の経験を振り返りながらお話したいと思います。
1. プロジェクト開始初期 〜迷走時代〜
当時ARPUが中々上がらないという課題があり「アップセル商材が欲しい」という背景から気軽に販売できる安価なオプションサービスの企画を始めました。
当時注力していたエンタープライズ領域のお客様からのご意見が多かった保守保証系のオプションサービスを作ることに決めました。
早速何をどのように作るかの検討を進めるのですが、エンタープライズのお客様は個社ごとに事情が様々で、標準化した一つのサービスでニーズを満たすことは難しいことがわかってきました。
全体をカバーするためにはコストが大きく、利益を担保できるだけのビジネスプランが描けず苦戦。。。
こうしてはどうか?ああしてはどうか?あのお客様に当ててみては?と紆余曲折を経てきましたが、結局進んでは戻るの繰り返しで1年近く迷走期間が続きます。。。
2. プロジェクトが進み出したきっかけ
そんな迷走状態が続き疲弊しきっていた時、営業のSさんがプロジェクトに入ってくれました!!!
「これ、確実に売れるからやり切りましょう。自分がコミットします。」と言ってくれたSさんからは後光がさしてキラキラと輝いてました。
それからSさんと密にコミュニケーションをとる中で「まずは素早くローンチすることを最優先事項にしよう」と言ってくれました。
改めて振り返ると当たり前のような発言ですが、当時は自分自身の思考も迷走して凝り固まっていました。
そんな中、熱いハートでコミット宣言しながら、冷静に「まずは素早く出すのが最優先」と言ってくれたSさんには感謝しかありません。
3. 「まずは素早く出す」のためにやったこと
これまでは多くのお客様からの多種多様な要望に対して明確な優先度をつけられずに迷走していましたが、目的が明確になったことで、意思決定が格段に速くなりました。
あれもこれもやろうとせず、必要最小限のもの以外を削ぎ落とす覚悟が生まれます。
「まずは素早く出す」ためにやったことはとてもシンプルで ①Who・Whyの再定義 ②MVP(Minimum Viable Product)の定義 の2つです。
①Who・Whyの再定義
当初はエンタープライズ向けに企画してたサービスですが、エンタープライズ特有の事情にマッチさせるにはコストが大きくかかることがわかっていたので、メインターゲットをSMB領域に変更しました。
元々エンタープライズのお客様から要望を多くいただいていたことや、市場規模を考えると、どうしてもエンタープライズをターゲットにしたくなります。
一方で最優先事項である「素早く出す」を考慮すると、今は適切なターゲットではありません。
大事なのは”ターゲットをSMBにしたこと”ではありません。
自分たちが今すぐ提供できる価値は誰に刺さるのか?を冷静に判断して、「小さい市場だとしても素早く的確に取りにいく」という意思決定ができたことだと思っています。
ターゲットが明確になったことで、定性・定量の両側面のデータを集めやすくなり、顧客課題の解像度が大きく上がります。
顧客課題の解像度が上がったおかげで、何を解決すると一番インパクトがあるのか?がクリアになりました。
②MVPの定義
「何を解決するか?」が決まったので「どのように解決するか?」の検討を始めます。
ちなみに、このタイミングでプロジェクトメンバーが3人から9人に増えます。
解決手段はいくらでもあるが故に、検討初期の段階でプロジェクトメンバーの視点を揃えないとあらぬ方向にプロジェクトが進む or スピードが落ちてしまう懸念がありました。
特に「素早く出す」の実現のためには、MVP(Minimum Viable Product)について解像度高く共通認識を持つ必要があります。
今回のプロジェクトは影響範囲が大きくステークホルダーも多い、また複雑なオペレーションフローになるため全体像をイメージしづらいという課題がありました。
そこで、全員の共通認識を高めるために「SBP(サービスブループリント)」をプロジェクトメンバーとディスカッションしながら作成しました。
SBPをプロジェクトメンバーと一緒に作成したことで「一連のサービス提供フロー」が可視化され、プロジェクトメンバーの間でMVPの共通認識を解像度高く持つことができました。
4. 結果 〜サービスローンチ〜
MVPの共通認識を解像度高く持てたことで、プロジェクトメンバー各自が「自分が何をしないといけないか?」が明確になります。
各自がオーナーシップを持って課題に取り組んでくれたおかげで、迷走期間が嘘のように爆速でプロジェクトが進んでいきます。
もちろん進める中で大小様々な課題はありましたが、その都度メンバー全員がしっかりと対処してやり遂げてくれました。
その結果、1年半近く迷走してたプロジェクトが、SBP作成から2ヶ月足らずでサービスローンチすることができました!
「まずは素早く出す」を最優先にして進めたので、まだまだ成長の余地だらけのサービスですが、少なからずお客様に価値提供できるようになったことが本当に嬉しいです。
ちなみに当初掲げていた目標は順調に達成していて、むしろ想定以上の伸びを見せてきています。
5. まとめ
プロジェクトを爆速で進めるためにしたことは主に次の3つです。
目的の明確化:
「まずは素早く出す」を最優先にして軸をブラさなかったこと
Who・Whyの再定義:
「まずは素早く出す」ためにターゲットを絞ったこと
MVPの定義:
検討初期段階でプロジェクトメンバーの共通認識を高めたこと
迷走してたプロジェクトの進行速度が切り替わったのは、Sさんの「まず素早くローンチすることを最優先事項にしよう」発言からでした。
それまで、プロジェクトに様々な課題があることは認識してたものの、何をどうすれば良いのかわからずに迷走してしまっていました。
迷走してる時、最初の前提条件に立ち返り「何を最優先とするのか?」を改めて考えてみることが必要だったと今になって思います。
最優先だった「まずは出す」はクリアできたので、これからは「もっと満足してもらう」サービスに育てるための挑戦が続きます!
まだまだ挑戦の途中ではありますが、今回のプロジェクトは成功だったと断言できます!
今回のプロジェクトの成功理由の解像度を上げることで再現率を高めて、今後もより良いサービスを大量に作っていきたいです。
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