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入院中に読んだハーバード大学名誉教授が執筆した『スター・ウォーズによると世界は』がいい意味でメチャクチャだった

2017年に1ヶ月くらい入院してましたが、本当に何もできない時期もあれば、わりと普通に動ける時期もある。後者の場合は基本的に暇で暇でしょうがない。そんな中読んで面白かったのが『スター・ウォーズによると世界は』という本。

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ハーバード大学ロースクール教授で、憲法学・環境法・行政法に詳しいことで知られているキャス・R. サンスティーンが執筆している。

これまでも『スラムダンク勝利学』や『「ONE PIECE」に学ぶ最強ビジネスチームの作り方』など、フィクションを通じて学問的な主張を説明するような本はあった。著者はオバマ政権の一角をも担った人物。当然そういう方向性の本、と思っていたけどちょいと違ってた。

『スターウォーズ』の成立までの経緯、なぜヒットしたのか、どのエピソードから順番に観たらいいのか、エピソードランキング、スタートレックとどっちがいいか、などが本のあちこちに散りばめられている。スターウォーズへの愛が隠し切れてない(隠す気もない)。

もちろん著者の知見を活かし、憲法解釈の変遷を通して過去と現代のスターウォーズ作品を比較・検証する章もあり、作品と憲法の理解を両方深めてくれる。でもその章の最後が“どの順番で観るべきか?”という全く学問と関係ない話。

結局のところどういう本かというと、めちゃくちゃ優秀で実績もある学者が綴った愛情たっぷりのファンブックと言ってよい。ただファンブックとしてはかなり内容が濃く、しっかりとしているものなので、スターウォーズの世界をさらに深掘りしたい人にとってはぴったりな一冊。


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