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Work Song

「大好きな人のために作曲する。」
それは、ミュージシャンあるあるのひとつだ。

音楽大学の在学中に知り合ったその人は、僕より年上で、いつも不機嫌そうな顔をしていた。そのせいか僕の同期の仲間たちから「あの人ちょっと怖くない?」と噂されたりしていたし、当時の僕もそう思っていた。

そういえば、一度だけ大学の廊下ですれ違ったことがあった。僕は勇気を出して「お疲れ様です!」と声を掛けてみたが、結果は玉砕。その人は僕に目を向けることもなく、そのまま行ってしまった。

結局僕はひと言も会話できないまま、大学を卒業してしまった。しかし、心の底ではその人のことがずっと気になったままだった。

再会は突然だった。あるイベントで演奏に誘われた僕は、控え室の中で相変わらず不機嫌そうにしているその人を見つけた。僕はとても驚いた。そしてその日、僕らは初めてステージで共演した。

「キミ、なかなかやるね!」

イベント終了後、その人が初めて僕に話しかけてきた。この時の気持ちは今でも忘れられない。
それからというもの、その人は事あるごとに僕をイベントに誘ってくれるようになった。
僕はその人のことをますます好きになっていったし、ミュージシャンとしても尊敬していった。

そして僕はその人に捧げる曲を作った。誰かのことを思って曲を書いたのは初めてだった。
僕の1stアルバムに収録されている『A Wounderful Encounter』は、こうして出来上がった。しかもメロディーは、実際にその人が演奏している。

「その人」とは、そう
テナーサックス奏者・中村誠一さん!!!

僕は誠一さんの奏でる魂のこもった音が大好きだ。例えどんなに単純なメロディーを吹いていても、その一音一音が心に響いてくるのだ。

今年の夏に発売予定の僕の3rdアルバムに、ジャズの名曲「Work Song」がコントラバスの独奏で収録される。

この曲を初めて独奏で披露したのも、誠一さんとのライブでだった。それからというもの、誠一さんは僕とライブする度に「定、Work Songやってよ!」とリクエストしてくれる。折り紙付きのアレンジだ!

そんなWork Songのレコーディング風景、ぜひご覧ください。

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