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魂に響く書を求める遅読者の読書彷徨記。読書歴はたかだが10年、さらに小説は僅か2年前ほどと浅学だけど、書かずにはいられない読後の感情を記していきたいと思います。該当の書を読んだこ…
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#海外文学のすすめ
【悲しみよ こんにちは】朝吹登水子訳
「悲しみ」と「こんにちは」、まるでN極とS極を強引にくっつけたようなこのタイトルが昔から気になって仕方がなかった。
子どもの頃、日曜洋画劇場で映画の予告編を家族で観たことがあった。僅かに1分ほどの映像を見ながら、父も母も、ともに悲しい物語だと歎息たんそくしていたのが強く印象に残っていた。それ以来、映画でも本でも構わない、いつかこの物語に接したいと願っていたのだが、そうした気持ちも大学生になった頃