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プログラミングスクールの虚偽広告の裏側にあるもの

目次

まずは自己紹介

みなさん初めてまして。じょうと申します。

年齢は20代後半のアラサーです。前職ではメーカーで経営戦略・マーケティング全般に携わっていました。

この度、僕は未経験から完全独学でプログラミングを学び、一部上場を含む合計4社の自社開発企業から開発職として内定をいただきました。

コロナ禍 × 働きながら × 独学という非常に厳しい環境の中でも、それなりに成果を出せたのは、間違いなくQiita・Zen・noteを初めとした多くの諸先輩方が残して下さったコンテンツのおかげです。

僕自身も、何か恩返しができたらという思いから今回のnoteアカウント設立に繋がりました。

よくある未経験エンジニアノウハウ、転職方法等の有料note化とかも今後を通じて行うつもりは微塵もありません。

誰もが平等に未経験エンジニア転職のノウハウに辿り着ける世界に変わっていければ良いなと心から思っています。

未経験エンジニア転職を希望する方が『リアル』を知るきっかけになればと思います。

未経験エンジニア転職がひと段落して思ったこと

転職の経験がある方なら誰しもわかると思いますが、希望する企業から内定を貰うと浮かれ気分になってしまい、自分が辿ってきた道を半ば『正解』のように周りに共有してしまう節があるかと思います。

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お恥ずかしながら、類に違わず僕もこのツイートを皮切りに同じ道を歩みつつありました。笑

その一方、エンジニア転職活動を終了してからある程度時間が経過し、入社関連の諸手続きも終わるに従って、

上記のような見るに耐えない『未経験エンジニア転職's high』もひと通り落ち着いてきます。笑

自分のこれまでの歩みを冷静に振り返る中で、改めて未経験エンジニア転職市場で見えてきたものがありました。

それは、未経験エンジニアが正しく転職を成功させるためには障害があまりにも多すぎるという事実です。

その要因は何でしょうか?

・コロナ禍で企業業績が悪化、それに伴い新規求人数が減少。
・未経験エンジニア希望数が急増し飽和状態。
・未経験可能な求人数<<希望者の超買い手市場になった。
・未経験エンジニア希望者に対する企業側の評価が著しく低くなる。
・未経験者がエンジニア転職するための入口が更にタイト化。

もちろん僕も上記に一切異論はないのですが、実際に未経験エンジニア転職市場を当事者として歩んできた身として思うのことは

これらは表面的な事象の一つでしかなく、背後にある仕組みによって生み出された結果ということです。

それはつまり、『知識の乏しい情弱』を食い物にして荒稼ぎをして、『知識の乏しい駆け出しエンジニア』を世に輩出しまくった結果です。

今回は上記の諸悪の根源の一つでもあるプログラミングスクールの闇を暴いていきたいと思います。

お金をかけなければエンジニア転職ができないわけではありません。

あなたが投下しようとしている50万円があればどれだけ家族を笑顔にできるでしょうか?

あなたが投下しようとしている50万円は本当に価値あるものでしょうか?

根拠の無い『転職成功率の高さ』を訴求せざるをえない大手プログラミングスクールのジレンマ

前置きがかなり長くなってしまいましたが本題に入ります。

プログラミングスクールは今や大航海時代です。

毎年新しいプログラミングスクールが乱立して未経験エンジニア希望者を血眼になってかき集めています。

彼らの主な集客戦略はweb広告というものです。

Google/yahoo/facebook/Instagram/Youtube/LINEにて『未経験でもエンジニアへ!!』『稼げるweb制作へ!!』という例のやつです。

web広告を理解するには以下の指標が必要になります。

またこれらの指標を目標にweb広告運用部隊は日々の運用を行います。

・IMP(インプレッション):広告がどれだけ表示されたか
・CTR(クリック率):表示された広告がどれだけ実際にクリックされたか
・CVR(コンバージョン率):クリックされた後に申し込みされたか
・成約率:お申し込みから実際に契約締結に至るまで
・顧客単価:サービス申し込み料

先程の指標で考えると広告部隊は以下のロジックで運用していきます。

①CTR(どれだけクリックされるか)× 

②CVR(どれだけ申し込みされるか)× 

③成約率(申し込みから実際に契約に繋がって継続してくれるか)×
④顧客単価 (ユーザーが払うお金)
※実際はかなり複雑ですが説明のため簡略化しています。

ではどうしたら他社と比較してお申し込み数を多く獲得し、売上を最大化することができるでしょうか?

答えは簡単です。

『とにかくセンセーショナルな広告で流入母数を増やす事』


『とにかくユーザーがクリックしてフォーム入力するような導線を敷く事』


『とにかくユーザーが契約してくれるように急がせる事』

『キャンセルの払い戻しを少なく一回の広告流入で高単価を獲得すること』

その結果が昨今の虚偽広告がまかり通っている今の現実です。

実体の転職市場や現在の未経験エンジニア市場の厳しさを鑑みることなく、『転職率90%以上』『自社開発企業への転職多数』『卒業後にすぐ案件獲得』といった過度でセンセーショナルな広告訴求に走るのです。

LPも縦長で『成功者の声OOO』『未経験でも初案件!!』『月収100万』とか見覚えはありませんでしたか?

プログラミングスクールの申し込み面談を受けた方は『今ならキャンペーンでOO%オフ』『この面談後にお申し込みされるなら』的な経験はありませんでしたか?

全ては上記の仕組みが働いているためです。

さらに、企業側でのweb広告運用というのは大きく分けて二つに分かれて実行されています。

①自社内でWebマーケティングを担当する部署
②代理店に予算を渡して運用をお願いする部署

話が少しそれますが、webマーケ部隊は基本、管理画面やExcelでの集計作業がメインであるため自分自身の顧客データや顧客の声には一切触れずに業務を行います。

さらに広告やSEO流入データは定量的に示されるため、KPIがシビアに管理されがちです。

その結果、

『エンジニア志望のユーザーに沿った広告』
『実際の未経験エンジニアの現実に沿った広告』
『ユーザーの幸せを考えたためになる広告』

等の現場感から非常に乖離した広告を打ち出す形で成果を追い求めるようになるのです

成果を出さないと自分自身の評価が上がらないのです。

評価が上がらないと給料が上がらないのです。

未経験エンジニアが転職に失敗しようが、

未経験エンジニアが60万溶かそうが、

何が起きても彼らには一切関係がないのです。

※前職で社内webマーケティングプロジェクトにアサインされた時に僕は上記を自分の手で行う形になりました。顧客を裏切るような気持ちに日々苛まれました。

ビジネスモデル的に破綻しているプログラミングスクール

まこなり社長で有名なテックキャンプを運営している株式会社Devの一連の一件はご存知でしょうか?

コロナ禍も重なり経営が大きく傾き従業員を大量にリストラせざるを得なかったという経緯がありました。

世間は『まこなり社長がクソだ!』という風潮に沸き立っていましたが、個人的には別の視点を見ていました。

それは、

プログラミングスクールというビジネスモデルが限界に近いのではないかという点です。

プログラミングスクールの収支はどのようなものでしょうか?

売上   :ユーザーからのサービス利用料金
変動費  :広告宣伝費
固定費  :①メンター人権費
     :②教材作成費用
     :③その他運営費

ざっくりこんな感じです。

ここから何が見えてくるでしょうか?

変動費が増え続けるジレンマ

先程説明した虚偽広告を打つことが成果に繋がるという話。もちろん双刃の剣であり、炎上する可能性は大いにあります。

さらに状況が悪化させる要因の一つが、競合参入・事業拡大につれて変動費はどんどん上がりつつげていくことです。

web広告の広告単価というのは一定ではりません。

市場に参入するプレイヤーが多ければ多いほど単価が高騰していくというアルゴリズムを搭載したオークション形式で入札価格が決まるのです。

昨今のレッドオーシャン化したプログラミングスクールを運営する会社は中長期的に事業を継続すればするほど広告宣伝費が跳ね上がるというジレンマを抱えています。

固定費も増え続けるジレンマ

特に①と②です。

プログラミングスクールに通う多くの人が『自走できない人』『独力ではエラーに対応できない』方です。

その結果、事業が拡大しユーザーが増加すればするほど人件費は跳ね上がります。

少ない人数で回していきたいというのが本音でしょうが現実的では無い理由があります。

残念なことに、

プログラミングスクールの利用者のリテラシーは非常に低いのでメンターは真摯に教えていても『対応が最悪だった』という形で炎上 or 退会されてしまうからです。どうしても人手が必要になるのです。

また教材に関しても金を食います。

プログラミングの世界は常に流動的です。Laravel7系が出たと思ったらすぐに8系、キャッチアップ中に9系リリース。というのが日常茶飯事です。

教材の維持費や更新費用も常に発生していきます。

競合との差別化で学習できる言語を増やしていけばいくほど上記対応に伴う固定費が増加します。

大学受験のように過去から『学習内容が変わらない』というわけではなく常に最新の内容に更新していく必要があるのです。

では他者と異なる教材で差別化を図り付加価値をつければ投資に見合うバリューを実現できるでしょうか?

現実的にこちらも厳しいです。

プログラミングスクールは教材での差別化が非常に難しいのです。

なぜならば大元は各プログラミング言語の公式マニュアルに回帰するからです。大元が無料で公開されている分、各社の情報ソースは統一化されます。

その結果、起きうることは教材での差別化が一切難しくなるということです。

どう考えても固定費が上がり続けていくのです。そして競合が増えれば投資に見合う価値を生み出すこともないのです。

なんとか利益を担保するためには強引に流入を増やすしかない

競合他社の参入で広告宣伝費が跳ね上がる。

事業拡大につれて固定費も跳ね上がる。

ではどうしたら儲かるか。

答えは簡単。
・『流入数をとにかく上げること』
・『顧客単価をとにかく上げること』

もうわかりますね???

これがプログラミングスクールがありえないほど利用料金が高額にならざるを得ない根本的な背景です。

とにかく流入量を増やして申し込みをさせて初回で『高額利用料』を稼ぐこと。

これを回していかなければプログラミングスクールは事業としてなりたたないのです。

・事実無根の虚偽広告で流入量をとにかく増やす
・一回の申し込みで高額料金を請求する

利用者が転職成功しようがしまいが関係ありません。

実際に転職率がどうとかも関係ありません。

自社開発企業の内定ができるかも関係ありません。

どうでもいいのです。

未経験エンジニアが叩かれる本当の背景

未経験エンジニアの風当たりが非常に強くなっているのは周知の事実です。

・実力が無いにも関わらず『やたらめったら選考に応募する』
・入社したにも関わらず数ヶ月で『フリーランスとして独立しようとする』
・プログラミングスクールで『手取り足取り教えてもらおうとする』

Twitterで上記のような人をディスる内容が流れてくる内容を見るたびに『どんどんどん未経験エンジニアが転職し辛くなってくるなぁ』とうら寂しくなります。

では、本当に未経験エンジニアだけが弾糾されるべきなのでしょうか?

無知・浅はか・短絡的な未経験エンジニアは自然発生的に湧き出るものなのでしょうか?

その大量発生周期がここ数年にあたっただけなのでしょうか?

僕は絶対に違うと思います。

間違いなく背景には『その人たち』を生み出しうる仕組みと『その人たち』を生み出す事で儲けを貪る人たちが多くいるからです。

【まとめ】プログラミングスクールは通わない方が良い?

結論。

僕は全然そうは思いません。

なんやねんお前と思われた方は申し訳ございません。

十分に熟考を重ねて、メリットデメリットをしっかりと吟味した上で判断したのであれば問題はないと思います。

注意して欲しいのは上記の通り、プログラミングスクールには虚構が多く含まれています。

最終的に必要なことは、

プログラミングスクール任せではなく『自力』で情報を見極め、『自分』で判断できる力です。

長文駄文大変失礼いたしました。個人的見解もかなり含まれているので悪しからず。。

Twitterやっているので良かったらぜひ。みてやってください(^ ^)



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