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細かすぎる英文契約解説

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英文契約の細かな(時に細かすぎる)TIPSをまとめています。週一程度の更新を目標に書いていきます。
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#契約

細かすぎる英文契約解説(第7回)〜論点抽出のフレームワーク〜

細かすぎる英文契約解説(第7回)〜論点抽出のフレームワーク〜

はじめに:フレームワークの重要性契約ドラフトの担当者は、一般に日々多岐にわたる契約書をドラフトする必要があります。例え同一のビジネスに関する契約書でも、その取引条件は様々なバリエーションがありますし、ときに全く経験のない契約書のドラフトも求められます。そのような際、論点抽出のフレームワークを知っておくと、大前提として「そもそもこの取引は何をしようとしているのか」を把握すのに大変役に立ちます。契約の

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細かすぎる英文契約解説(第5回)〜Deemの正しい使い方〜

細かすぎる英文契約解説(第5回)〜Deemの正しい使い方〜

はじめに「deem」とは、英文契約においてよく使用される法的用語で、「〜とみなす」「〜と判断する」という意味を持ちます。この言葉は、ある状況や条件が満たされた場合にあるフィクションの事実が成立すると「みなす」ことを表現にするために使われます。ロースクールの教科書では以下のように記載されています。

ところが、意外に誤用が多いのがこの言葉です。本記事では、Deemの本来の使い方を少し深掘りした上で、

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細かすぎる英文契約解説(第1回)〜As of とDatedの違い〜

細かすぎる英文契約解説(第1回)〜As of とDatedの違い〜

この留学で力を入れた学修の一つに、英文契約のドラフティングがあります。インハウスロイヤーとして、英文契約のドラフティングはそれなりの数をこなして来ましたが、本場のドラフティングの授業を受けて、いろいろな発見がありました。個人的に新たな学びがあった点を整理して書いていきたいと思います。

第1回はAs of とDatedの違いについてです。

通常、As of もDatedも契約の発効日付を表現する

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