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仕掛人・藤枝梅安 第一作

鑑賞:2023年3月@新宿ピカデリー

面白い。話も一級(当然ですよね…)、役者も画づくりもバッチリです。

東映京都撮影所制作。レジェンドアンドバタフライで派手に攻める一方で、玄人志向も仕込んでました的な時代劇。配給は東映じゃないの?え?うそ?
日本映画専門チャンネルの肝入り作品と思います。往年のフジテレビドラマをつくってきた方々が、東映京都撮影所スタッフと腕を振るっています。

中だるみ全然ない。コンパクトにしてこの中身。濃密。役者が、どのキャラも良いんですよ奥さん…。

トヨエツの円熟した渋みと、持ち味の優しさがMIXされて、すんごい良い主人公。ちょっと辛口で言うと、薄っぺらいのもトヨエツの持ち味ですが、そこの解消にも挑んでいます。そして、やり過ぎない愛之助さんの表情の良さ。当然なんだと思いますけれど、好かれるキャラクターが生き生きとスクリーンに出ていると思います。時代劇いいなあとか、一切形式に頼らない視聴者への信頼を感じます。

主人公の梅安が、屋敷の塀を、ひょいと登っちゃうアクション、見事です。実は超人離れしている身体能力がある、ということをサラリと見せつける。シンプルにかっこいいのもあります。どうやって撮影してるのかわからないのですけれど、コンパクトに印象付ける、いい映像です。

それにしても役者が豪華なんですけど、他の役者にやらせてたまるかという意気込みが画面から滲み出てます。六角精児さんとか、中村ゆりさんとか、他の役者でも良さそうに思ったんですけど(すいません)、「そうはさせんぞ」というのが本人だけでなく制作陣の姿勢もあるように感じて、勝手に謝りたくなりました。

で。菅野美穂さんがカワイイんですよ…。妙齢に近づいてるなんて全く思えない。キャピキャピじゃないんですけどやたらカワイイ。卑怯です。
妙齢とは思えないお方、天海祐希さん。メイクしてるとはいえバケモノ級にビューティー。みんな「他の役者にやらせんぞ」感がエゲツナイ。
早乙女太一さんがね。いちばんおいしい。役柄も見せ場も持って行きます。裏稼業のトヨエツ・愛之助に対して、表のヒーローです。アクションも良いです。

こんなに面白いストーリーなら、そりゃみんなやりたいですよね。ジャパニーズアサシン、ダークヒーローです。


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