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水源(小説)(8話完結)

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エモーショナル・ポストロックバンド,シノエフヒの曲である「水源」という曲の物語を小説という形にしています.どうにか完結させたいので,応援,ご支援よろしくお願いいたします. ヘッダ…
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2020年6月の記事一覧

水源②

水源②

第一話はこちら

からっ風がふくと,君はいつも悲しそうな目をしていた.僕にはその理由が今でもわからない.
「どうしたの.」ってきくと笑って,
「なんでもないわ.」って言うんだ決まって. 僕はその都度不安な気持ちになるのだけれど,あと一歩を踏み出してしまったら手のひらから溢れてしまいそうで,いつも踏み出せずにいたんだ.

病室の扉が少し空いていたので中を覗き込むと,君が窓の外を見ているのが見えた.

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水源③

水源③

【第二話】はここから

「私達は,もともと海の子供なの.だから,死んだら海に還るんだよ.」

医者からの許可が出て,海岸沿いを僕らは歩いた.風が少し強いし,天気も晴天ってわけではないけれど,それでも彼女が嬉しそうだったから,僕も嬉しかった.
「へぇ,なら君がもし死んだら,雨になって僕の元にもう一度降ってきてくれるわけだ.寂しくないね.その時は傘をささないで置くよ.」
「風邪ひいちゃうよ.その風邪が

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水源④

水源④

【第三話】はこちら

日差しが差して起きた.
わけではなく,目覚ましで起きた.君が言っていたようなカーテンからの優しい光は見るタイミングを失っている.僕はジリリリと鳴り響く不快な目覚ましを思い切り叩き,これでもかというほど勢いよく立ち上がった.これをしないと起きられない.結局明日が来てしまった.こうやってまた毎日を繰り返す.

今日も曇天だったから,特に不快です.昔植物に興味なんかないのに君に勢い

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