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リスキリングの前に日本企業がすべき事は何?

リスキリングという言葉がバズワードのように紙面やWEBに登場して久しくなりますが、日本企業は社員のリスキリングに取り組む以前にすべき事があるのでは?という事で、2023年2月にIPA(情報処理推進機構)が公開した「DX白書2023」のデータから考えてみたいと思います。

◎DX白書2023
https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/dx-2023.html

DX白書は、デジタルトランスフォーメーションの進展を背景に、人材と技術の要素、及び戦略の視点で、2021年には「DX白書2021」を公開。その続編として、日本企業と米国企業のアンケートの経年変化、最新動向、国内DX事例の分析に基づいて、DXの取組状況やDX推進の課題などについて2023年2月に「DX白書2023」として公開されたものです。第1部から第5部で包括的に構成されているので、ご興味ある方は上のURLからご参照ください。

本ブログでは、「第4部デジタル時代の人材」のアンケート結果が示唆に富むものでしたので、幾つかご紹介したいと思います

一部のアンケート結果である点と言う事をお断りしておきますが、結論は、「日本企業は、採用・配置・育成(リスキリング)の以前に、先ずは人材像を明確にすべき」と言うものです。

すなわち、

  •  人材像が明確でないから、必要なスキル・レベルが定義できていない

  •  人材像が明確でないから、採用したい人材のスペックが明確でない

  •  人材像が明確でないから、リスキリングでの成長支援ができない

アンケートでは、

  •  DX人材像を設定し、社内に周知している米国企業は48.2%に対し、日本企業はわずか18.4%

  • DX人材像を設定せず、検討もしていない日本企業40.0%にも上ります。因みに米国企業はわずか2.7%

また、人材獲得の課題に関して図の通り、

  •  戦略上必要なスキルやそのレベルが定義できていない

  • 採用したい人材のスペックが明確でない

■DXを推進する人材の獲得・確保の課題

引用:情報処理推進機構(IPA) 「DX白書2023」 第4部デジタル時代の人材 JOB Scopeにて作図

とあります。すなわち、人材育成するならスキルを明確に。採用するならスペックを明確に。ひいては、人材像を明確にすべきではないでしょうか。

さらに、下図の人材育成に対する課題でも、

  •  スキル向上・獲得へのマインドシフト

  •  スキル向上・獲得による処遇向上

が上位にあげられます。

■DXを推進する人材の育成に関する課題

引用:情報処理推進機構(IPA) 「DX白書2023」 第4部デジタル時代の人材 JOB Scopeにて作図

すなわち、スキルアップへの行動変容と適切な処遇の提供が必要というものです。
次に、DXを推進する人材のキャリアサポートに関しては、

  •  特に実施していない日本

  •  キャリアパスの整備と計画的な配置・育成の米国

と日本の人材が放置されている現状があります。

■DXを推進する人材のキャリアサポート

引用:情報処理推進機構(IPA) 「DX白書2023」 第4部デジタル時代の人材 JOB Scopeにて作図

本ブログで紹介したデータは、ほんの一部ですが、デジタル社会の今日、混沌として曖昧で複雑なVUCAな社会の今日、「DX白書2023」のアンケートから、人事には以下が求めらるのではないでしょうか?

  •  事業を担う人材像の明確化

  •  職務内容の詳細な定義

  •  職務に求められるスキル・レベル・知識の定義

  •  キャリアパスの明確化

  •  リスキルに応じた処遇

  •  職務・スキルを中心とする人材の採用・配置・育成

JOB Scopeは、職務中心とするタレントマネジメントのクラウドサービスで、経営理念から組織・職務定義、人材育成、評価、賃金査定、サーベイが包括的かつシームレスに連動し組織と人材を次のステージに導きます。「DX白書2023」のアンケートからも、先ずは人物像を明確化する。その為には、職務を中心とする人事制度は必要な施策では無いでしょうか?

執筆:JOB Scope 編集部