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人的資本経営は、人事部に任せておく話ではない。人的資本経営は「戦略」だ。

人的資本経営の重要性が叫ばれる今日。2023年度からは、経済産業省の旗振りのもと、上場企業に有価証券報告書への人的資本の開示が義務化された。こうした動きに対応し、人事部が人的資本経営に向けて主導的な役割を担っていくべきであるとする特集が多数のメディアで掲載されている。「人的資本経営は人事部の問題ではない、経営の問題だ」と指摘するのが、慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授の清水 勝彦氏だ。


インタビューの前編では、戦略の本質や「良い企業」の条件、人的資本経営を巡る誤解などが語られた。

【前編はこちらから】

■前編の目次

  • 社員のパワーを100%駆使している会社がどれだけあるか

  • 人的資本の開示はあくまでも意識付けに過ぎない

  • 戦略とは「肉を切らせて骨を断つ」こと

  • 自分たちの基準を持っているかが「良い企業」の条件

  • 戦略が決まって人事があるという発想から脱却を


【後編はこちらから】

■後編の目次

  • 解雇ができない日本企業。本社が重荷になっている

  • 単純なジョブ型雇用には反対。リソースの配置は柔軟であるべき

  • 戦略の核心は「差別化」。他社の真似事では意味がない

  • 人的資本経営の実現には、社長のコミットメントが不可欠

  • 今こそ、自分の仕事のミッションとは何かを考え直す良い機会


清水 勝彦 氏
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 教授

東京大学法学部卒業、MBA(ダートマス大学エイモス・タックスクール)、コーポレイトディレクション(CDI)を経て、2000年Ph.D.(経営学、テキサスA&M大学)。同年テキサス大学サンアントニオ校助教授、2006年准教授(テニュア取得)。2010年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授。Strategic Management Journal、Journal of Management Studies、Journal of International Management、Asia-Pacific Journal of Managementの編集委員(Editorial Board member)。株式会社ドリコム(東証グロース)取締役 監査等委員。『機会損失』(東洋経済新報社)、『プロがすすめるベストセラー経営書』(日本経済新聞社、第1章)『リーダーの基準:見えない経営の「あたりまえ」』(日経BP社)『あなたの会社が理不尽な理由』(日経BP社)などの著書がある。
研究室のホームページは、 https://shimizu-lab.jp/