【マネジメント・仕事】新規系に携わる人をどう評価するか
既存事業と同じ軸で評価するべきではないのは、わかってはいますが…
難易度も高く、失敗も多い新規事業
言うまでもないですが、新規事業を立ちあげることは容易い話ではありません。
ほとんどのアイディアは初期の仮説検証を突破できませんし、なんとかゼロイチまで辿り着いても、それをグロースさせるのも難しく、かなり後の工程まで進んでも閉じてしまう新規事業も少なくありません。
課題感があって自ら新規事業に取り組む人も、役割として充てられ(進んでやりたいわけではないけど)仕事として新規事業に取り組んでいる人もいますが、いずれにしても既存の軸で評価されてしまうと「失敗している」「何も生み出してない」「事業貢献していない」と見なされ、既存でそれなりにやってる人と比べてもあまりよい評価をもらえないことが多いです。
もちろん評価する人がそのことを理解していれば別ですが、それなりのサイズの会社だと、なかなか新規事業に取り組んだマネジャーも多くないですよね…
私の周りでも、新規事業に飛び込んだ人が社内でも良いポジションにいるのかというと、正直そこまでおらず、既存事業で同じ領域を長年やってきた人の方が上位のポジションを得られているように見受けられます。
新規事業に取り組んでいる人は評価されたいのか?
新規事業に携わる人が評価されたいのかどうか?について興味があったので、社内でも新規事業に携わっている人に何人かヒアリングしました。
「社内で新規事業をやって出世したい」「お給料たくさんもらいたい」という人はおらず、評価に関してもそこまで気にしておらず、「自分がやるべきと思った課題に取り組めている」「自分に裁量がある」「それをさせてもらっている機会や環境をもらえている」ことである程度の満足感があるようでした。
もちろん、今の給料の半分以下で新規事業をやれとか、何も裁量がない中でやれとかは許容はできません。しかし、そこまで評価を気にしてないというのは正直個人的には驚きでした。
ただ、評価に関しては「納得できる説明があるなら受け入れるが、正当に評価されてないなら受け入れ難い」というコメントもありました。
自分のやりたいことができているなら、評価なんて気にしないだろ?と他人が言うのは失礼です。新規事業に携わる本人が仮にそう思っていても、外野が言うことではありません。
もちろん評価が給与や今後のポジションに影響はするものですが、ヒアリングして伝わってくるのは「ちゃんと社会や会社の役に立てているか」という点の評価を気にしているように捉えました。
新規事業に取り組む人ならではの評価方法
評価方法については何が正解かというのは正直私もわかりません。
非常にセンシティブな話ですし、実験的にやって比較できるようなものでもありません。
ただ、新規事業については、
どれだけ多く探索と実験(仮説検証)ができたか?
(↑と絡んで)どれだけ「安く」「速く」失敗したか?
失敗から何を学んで、次どのようにうまくいくようにするか?
諦めず、走り続けられるか?
どれだけ自律的に走ることができたか?
リソースが無い中、どれだけ工夫できるか?
どれだけ人を巻き込んで、協力を得たか?
あたりが評価されるポイントと感じています。
新規事業なんて成功するかどうか分かりませんし、本当に市場に受け入れられるかも分かりません。分からないことだらけの中で実験をして、良い失敗をして、学びにして、いかに速く安く分からなかったことを分かるようにしていくことができるか?が新規事業の一番重要な活動であり、成果だと思っています。
これを許容し、それなりに当人に納得できる説明と評価ができるマネジメントは、多く無さそうだなと思いつつ、新規事業に携わる人はもっと評価され、報われて欲しいと願っていますし、自分も何か変えることができないか日々探索しています。