【アジャイル】できない・わからないを認知する
まず認知できていれば、立派な前進です。
やるたびにExcuseが入る
会社の研修講師をしていて、ワークショップで実際にこれやってくださいと参加している受講者にお願いすると、だいたい皆様「Excuse」つまり何かしらの言い訳的なものを言葉の枕詞に使います。
「うまくやれてないのですが…」
「まだ描き出せてないのですが…」
「これでよいかわかりませんが…」
など、ほとんどの方が一回言い訳のクッションをおいてから、ワークショップの中でやってもらっているアウトプットや成果を共有してくれます。
私もその気持ちはわかります。
私のやっている研修はなかなか話を聞いたらすぐできますよというものではありません。自分の中にあるものを表出し、それを言語化し、その言語化されたものを他の人に共有し、フィードバックをもらって新しい気づきを得て改善する…文章で書くとサラッと流れているようですが、これを限られた時間の中でやって、しかも他の人に話すというのは、実はそこまで簡単ではありません。
「できてない」と分かってることが大事
ここでうまくできていないからといって私も他の一緒にやっている講師も、受講生を攻め立てるようなことはもちろんしません。
私がそのように言い訳の枕詞をつけて話す人には、このようにフィードバックをします。
「できてないということ自体を認識できているなら、先に進んでるのですよ」
「できてないなら何ができてないのか分かっていれば、どうすればよいか考えることができます。その位置にまで来てそこに立つことができたのでも立派ですよ」
「できてない」「分からない」ということが自覚できているだけでも素晴らしい、自覚できているのであれば、あとはできるようになるにはどうするか?分かるようになるにはどうするか?という次の一手を考えることができます。
以前、メタ認知について書いたnoteでも挙げた「無知の知」に通じるところです。
わからないことを、わかるようにする
これはアジャイルによって、何が正しいか分からない中で探索をして、適応していく流れにも似ています。
仮説を構築して検証していくことで、何が合っていて何が間違っているかを少しずつ分かるようにして、これを繰り返しやっていく中で分かることを増やしていくという動き方です。
これも「何が分からないのかがわからない」を認知することが出発点になります。分からないを認知しているからこそ、分かるようにするために動き出せるのです。
なので、分かったふりして本質を理解しないまま前に進んで後々痛い目にあう人よりも、言い訳でもいいのでわからないと認知したうえで謙虚にわかるように動いていく人の方が、これからの変化に富む時代に成長していける人だと思います。
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