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なぜゴーキョ・ピークに行ったのか

 2018/10/23〜11/8、女3人でネパールのエベレスト街道を12日間歩いて、ゴーキョ・ピーク(標高5,357m)までトレッキングへ! 忘れないうちに、その楽しかった記録を日記形式で書いておこうと思い立ちました。今回はその準備回です。

そもそもゴーキョ・ピークってどこ?

登山やトレッキングによっぽど興味のある人以外、ゴーキョ・ピークって言われてもまったくピンと来ないですよね。

世界一の標高8,848mを誇るエベレスト(チベット語名:チョモランマ、ネパール語名:サガルマータ)は、チベットとネパールの国境上にあり、そのネパール側に続いているのがエベレスト街道です。エベレストを筆頭とするクーンブ山群のトレッキング・コース全般をこう呼んでいます。

「エベレスト街道を歩いた」と言うと「え、エベレストに登ったの?」と言われることもあるのですが、これは大きな誤解。ネパールでは、標高6,000m以上の山に登頂する登山と、それ以下の観光的なトレッキングを明確に分けて、入山料にも大きな差をつけています。私たちが行ったのは後者の「トレッキング」です。富士山より高いところまで行っても、あくまでもトレッキング。

エベレスト街道のトレッキングにもいろいろあるのですが、言わば「歩けさえすれば誰でも行ける」のが、飛行場のあるルクラ(標高2,860m)からナムチェ・バザール(標高3,446m)あたりまで行くルート。途中でエベレストも見られるし、全行程歩いても5日間ぐらいあれば行けるので、ここまで行く人は多いです。

ナムチェよりもうちょっと先まで行きたい、と思った人の多くが目指すのが、カラパタール(標高5,643m)とエベレスト・ベースキャンプ。これは全行程歩くと往復で2週間ぐらいかかるし、標高が5,000mを超えてくるので、さすがに誰でも行けるというわけにはいきません(ちなみに富士山の標高が3,776m)。

私たちが行ったゴーキョ・ピーク(標高5,357m)はというと、カラパタール&ベースキャンプとほぼ同レベルながら、そっちのコースほど混んでいなくて歩きやすいルートです。しかも、ゴーキョ・ピークの頂きに立てば、エベレストはもちろん、チョー・オユー、ローツェ、マカルーという4つの8,000m峰、ゴズンバ氷河、ゴーキョレイクと360度雄大な景色を見渡すことができます。

ちなみに、「歩くと」って前提で書いてますが、車が走れるわけではありません。ただ、毎日ヘリコプターがタクシーかっていうぐらい飛んでいて、「下りはヘリ」なんていうツアーも珍しくはないんです。歩きかヘリかって、なんという両極端・・・。

なぜゴーキョ・ピークに行ったの?

私の母は子育てが終わった40代から登山にハマり、ついには日本百名山全座登頂まで達成してしまった人なのですが、その母が「エベレスト街道を歩いてみたい」とずっと思っていたようです。その下見として、2013年に家族旅行(父母と私)で初めてネパールに行き、アンナプルナエリアで1日ハイキングを何日かしました。

満を持して母とエベレスト街道を歩いたのが、昨年の10月末から11月アタマ(父は「スパイシーなご飯が無理」などの理由でリタイア)。そのときは、アルパインツアーのツアートレッキングで、ルクラからナムチェまで歩いて、その先のクムジュンまでハイキングというルート。しかも「下りはヘリ」という金持ちツアーでした。

それで母は満足したようなのですが、私は「ナムチェよりもっと先」から戻ってきた人たちが気になって気になって・・・。この先まで歩くと、どんな景色が見られるんだろうと。

そのときのツアーは、最少催行人数4名に対して3名しか集まらず(つまり母と私ともう一人の70歳女性だけ)、日本人添乗員がついていなくて。現地の日本語が話せるネパール人添乗員と、トレッキングガイドをしてくれるシェルパと、私たち3人というトレッキングチームでした。

最初はネパール人添乗員と私たち3人で日本語で話をしていて、シェルパのナワンくんとはまったく話していませんでした。そもそも何語がどのぐらい話せるのかもわからず・・・。が、途中から徐々に、ロッジのダイニングやトレッキング中などに、彼と私は英語で話をするように。彼は英語が堪能で、こちらの拙い英語も理解しようと耳を傾けてくれるので、ネパールやシェルパ族の暮らしと文化のことなど、いろいろ聞きました。

そんな会話の中で、「もうちょっと先まで行ってみたいんだけど・・・」という相談をして、期間や費用なども教えてもらいました。ますます行ってみたいと思いつつも、5,000mを超える標高まで自分が行けるのか不安な気持ちを伝えると、彼いわく「もちろん行けないこともあるかもしれないけど。It's adventure」。

アドベンチャーって、なんて魅力的な響き。私、子どものころから冒険という言葉に弱いのです。その一言で、行けなくてもいいから行ってみよう。そう思いました。

そして実現したのが、今回のゴーキョ・ピークへのトレッキングというわけです。

長くなってきたので今回はこの辺で!

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