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キャリアと心理って関係あるの?

ご無沙汰しております。

今回はキャリアを心理の側面から考えてみたいと思います。

まず、みなさんはキャリアと聞いて何を思い浮かべますか?真っ先に思い浮かべるのは仕事ではないかと思います。職種や仕事の内容、担当業務といったところでしょうか。また、スキルや資格、職歴なども連想されると思います。正式な定義があるのですが、今回の記事におけるキャリアというのは、「働くことの継続的なプロセス」や「人生設計」「個人の生き方」というような意味合いで理解してもらえるといいかなと思います。

特に、学生さんなどは、就活において大学のキャリアセンターで相談をすることも多いかと思います。ここでは、どちらかといえば自分の人生設計や生き方について相談をするというよりも、就職のために相談をするという意味合いが強いのではないでしょうか。また、転職においても「キャリア相談」というと、転職を成功させるため、希望する職種や企業に採用されるためという意味合いが込められているように感じます。

このように、多くの人はキャリアと聞くと仕事や就職・転職についての想像がなされるのではないでしょうか。一方で、私たちキャリアコンサルタントはキャリアと聞くと仕事や就職という狭義の意味だけではなく、人生にかかわる広義の意味でのキャリアとしてとらえています。ここのところをまずは考えてみたいと思います。

キャリアには二つの考え方があります。ひとつは、職業、職務経歴、職業上の地位・役割などがそれにあたります。自分の思う職業に就くために希望する企業に入るということもそうですね。これらは、「狭義のキャリア」や「外的キャリア」などと呼ばれています。外的という言葉から、与えられるとかつかみ取るという言葉が連想されるように、形としてあるものとしてとらえることができます。

もうひとつは、個人の人生設計や生き方といった抽象的なものになります。もっといえば、自分がこれまでどのように仕事に取り組んできたのか、どのようなことを大事にしてきたのか、失敗したときにどのような対処をしたのか、自分の将来像をどのように思い描くのかといったものがそれにあたります。これらを「広義のキャリア」や「内的キャリア」と呼ばれます。

これらに共通することとして、私たちの心の働きがあります。たとえば、自分に就きたい職業がある場合、なぜその職業に就きたいのかという動機や、その職業についてどういうことをしたいのか、また、経験を積むことで自分のなりたい姿を思い描くことができます。このように考えると、ただ単に、線を引いたように外的キャリアと内的キャリアと分けて考えることが難しいことが理解でできると思います。

別の側面からキャリアと心理について考えてみます。例えば、大学における就活で、周りのみんなは就活を本格的に始めているけど、自分はまだどんな仕事をしたいのかすら考えられておらず、だんだんと焦ってきたなど経験がある人もいると思います。また、自分は仕事を一生懸命頑張っているのに上司から評価をされないとか、先輩とそりが合わなくて精神的にしんどいとか誰しも同じような経験があると思います。

このように見てみると、有形無形としてのキャリアというものは、実は私たちの気持ちや考え、つまり心理的側面と密接に相互に関連しあっていることが理解できると思います。

つまり、他者からの言動や要請、態度、思考、感情、評価などから私たちの心理的側面に影響をうけているということです。自分の今後のキャリアについて明確なビジョンがあったとして、もしそれが知らず知らずのうちに他者からの影響を多少なりとも受けているしたらどうでしょうか。

私たちは自分のことは自分が一番よくわかっていると思いがちです。しかしながら、実はそうでもなく、自分が意識していないところで他者から影響を受けていることを認識できないことが多くあります。

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先日、自尊心をテーマにしたセミナーを開催しましたが、キャリアと心理についてのつながりについては、まだまだ認識されていないように感じます。ごく一般的なキャリアと聞くと広義と狭義のキャリアが思い浮かべられます。自分がどうなりたいとか他者からの影響についても議論されることがありますが、キャリアと心理についてはあまり深く考えられることは少ないのではないかと思います。ここのところに今後の可能性があるように私は感じています。キャリアと心理で密接に関連しあっているのですが、その認識はまだまだ薄いようにも感じています。

広義のキャリアと狭義のキャリアについて、なんとなくでも理解が深まってきているようにも感じますが、心理と絡めたキャリアについてのセミナーを考えてみようかなと思い、記事にしてみました。

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