【エッセイ】本を買うお金がないので新聞を読むようにしたらこんなことが起きた
読書が大好きなのだが、2か月くらい前は本を買う金銭的な余裕が無かった。
本を買うお金は無い。それでも活字にふれたい。「活字欲」を満たしたいと思った私は「そうだ、新聞でも読んでみよう」と思った。幸い私は実家暮らし。親が地元紙を取っている。活字欲を満たすために、今まで意識して読んでいなかった新聞を読むようにした。
以下、新聞を読んでみて思った、私のバカみたいな感想。
ネットニュースと違ってコメント欄がない!
ニュース番組でよく見る「街の声は…」がない!
Xのポストで書き足される「こういうニュースをもっと報道しろ」という一言が無い!
新聞の良さに30歳になってようやく気が付いた。私は「ニュースが苦手」なのではなく、「ニュースにつく有象無象のコメント」が苦手なのだと思った。新聞は淡々と取材結果を報道するのみ。ミルクボーイの漫才から引用するなら、新聞は「生産者さんの顔が浮かばない」から良い。あくまでニュースだけが書かれているので、自分の意見が持てるのも素晴らしい。
Xでネットニュースに関するツイートが回ってきて「自分のタイミングで学びたいのに」と何度も思っていた。その点新聞は、能動的にニュースにふれることが出来る、素晴らしい媒体だと思った。しかも私の場合は、能動的にニュースを知ろうとすると、どんなに嫌なニュースでも、ショックが少ない。
XなどのSNSでニュースを見る時は、ポストやリポストをした人による「このニュースを広めてやろう」という意図がある。私はそれも苦手だったんだなと思った。
新聞の良さを知ったところで、数年前に購入して読んだ、プチ鹿島さんの「芸人式新聞の読み方」(幻冬舎文庫)を改めて読み返した。
そこには、各新聞にも芸風があることや、政権寄りの新聞と政権に批判的な新聞があるといったことが書かれていた。プチ鹿島さんは、毎日10誌以上の新聞を読み比べて、様々なニュースをやじうま的に楽しんで、それを仕事にしている。
ニュースの内容がわからなくても、毎日読んでいくうちに、少しずつ理解できるようになる。「このニュースまだこの状態なんだ」「また似たような事件が起きているな」といった具合に。私が以前から提唱している「本を読むために本を読む」(本が苦手でも、一冊一冊丁寧に読んでいくことで、本の読み方がわかるようになり、読書が楽しくなる)のと同じで「新聞を読むために新聞を読む」ということになる。
SNSで、賢い人の投稿を読んで、知識のおこぼれを得て、自分も賢くなろうとしていた過去の私は愚か者だったのは間違いない。
時事ネタ漫才でも作ってみようか。
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