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まずは打席に立つ。成功はその数で決まるから

成功者の話を聞いてると、偶然にも次々とラッキーが重なって.. みたいな逸話がよく出ます。しかし実際にはそうではなく、成功者に共通するのは挑戦の数が異常に多いことだと思います。その中で、うまくいったエピソードのみをつないで話しているだけです。

それでは成功者がウソを言ってるのかというと、決してそうではないと思います。失敗した挑戦まですべて詳しく説明していたら、あまりにも数が多すぎて話が終わらないからです。

成功ストーリーを効率よくまとめて話そうとすると、おのずと成功例のみがピックアップされます。だから、成功話だけを聞いていると、ものすごくスマートにやってきたように見える。だから、それを聞く方としては「ラッキーな人はいいな」とうらやんでしまうのですよね。

しかしながら、ラッキーに見えるのは結局のところバイアスに過ぎないということです。


一方、成功者が語るストーリーにはまた別のパターンもあります。それは、「自分はこれまで失敗ばかりで...  なぜうまくいったのか分かりません。たまたまラッキーでした」というようなものです。

こういう言い方をする人も、割といますよね。この場合も、聞く方としては同じく「ラッキーな人はいいな、うらやましい」という感想を持ってしまいがちです。


しかし実はこれ、前者の「偶然にもラッキーが重なった」という成功者と、「失敗ばかりだった」という成功者は、結局は同じような経緯を述べているだけだと思うのです。

それは、両者ともとにかく打席に多く立ってきたということ。そしてその多くの挑戦の中から少ない割合の成功があり(たとえば10回に1回とか)、それによって自分の道をなんとか切り拓いてきたということです。

成功だけにフォーカスすれば、たまたま成功が続いたストーリーとも理解できるし、失敗だけにフォーカスすれば、ものすごい数の失敗をしてきた、という話になるわけです。


ある一つの挑戦において、打率、つまり成功率なんてなかなか上げられないものだと思います。なぜなら、ここでいう挑戦は「同じこと」では決してないから。自分が知らない領域やレベルにおいて新しい挑戦をするのに、「こうやればうまくいく」なんて確かな知見や確証などは特にないわけです。

だからこそ、打席に立つ数が大事。正直、何が当たるかわからないからです。これは、過去のどんな成功者や偉人もそうだったはずです。失敗前提で、とにかく数をこなしていくとそのうちどれかが当たる、実際にはそういうものだと思います。

▶「敢えてバカになってみる」のがいい


ここでの問題は、一般的に、「頭のいい人」ほど打席に立つ回数が少なくなってしまう傾向があることです。

例えば、SNSの運用みたいなものについてもあてはまります。

なにかのSNSで初めての投稿をする前までに、驚くくらいの量のしっかりとした下準備をするような人がいます。そのSNSの特性を調べ、多くのノウハウを集め、精緻なKPIやKGIを設定し..という感じで、たとえばNotionなどでものすごく精緻に計画をまとめ上げるわけです。

しかし得てして、そういう人ほどあまりうまく行かず、その結果として運用も続かなかったりします。逆にとにかくえいや!で始めた人の方が、失敗の数もカジュアルにかつ早めに重ねられるので、最終的にはうまくいったりするものです。スタートが早いほど、PDCAも早く回せるからです。


「失敗前提で、打席を重ねる」人が成功するのは、環境の変化に強いからということも大きいと思っています。

たとえば、ここ数年のパンデミック社会において、ビジネスを取り巻く事業環境は大きく変わりました。僕も、「あの会社さんの事業モデルだと、これは本当に厳しい局面になるだろうな…」と心配になるようなケースもありました。

しかし、本当にチャレンジ精神にあふれる経営やメンバーが揃っている組織ほど、見事にピボットや新規事業を進めてその後もさらに業績を伸ばしているんですよね。


これにも、表には見えない、数知れない失敗にまみれた試行錯誤があったはずです。実際に、ある知人経営者からもまさにそういう話を聞きました。コロナ下において変化への挑戦に成功したプロジェクトは「最後の一個」だけで、それまでは膨大な失敗を積み重ねてしまったと。笑ってそう言ってました。

さらに、彼はこう続けました。
「詳細に分析や検討を繰り返す時間はなかった。状況が刻々と変わるから。だから、あまり深く考えずに、とにかく打ち手を打ちまくった。バカになりきってみたら、気が楽になった。失敗してもあたり前だ、と思えたから」
ということです。


とにかく、打席に立つことこそが大事だと思います。うまく行くだろうかとか、あまりあれこれと心配しても仕方ありません。失敗が前提で良いのです。失敗からも学べるし、それこそが貴重な経験になります。

これからの「先が読めない時代」においては、この姿勢こそがますます重要になるはずです。


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