見出し画像

起業の経営チームはどうあるべきか? 〜お互いの関係性が決定的に大切

 スタートアップの成否は、ビジネスモデルの優劣よりも、どんな創業メンバーで一緒に走っているかの方が重要な場合が多い。ビジネスモデルは、うまく行かなければピボットもできる。しかし、創業メンバーは、たとえいくら悪い関係になってしまったとしても、簡単には交換が効かない。スタートアップが早期にダメになる理由で多いのは、売上が伸びないことではなく、経営チームの仲違いや機能不全の方だ。

 では、どのような経営チームが理想なのだろうか? もちろんいろいろなケースがあり「これが絶対正解」というものは無いが、これまで成功してきたスタートアップの事例で、理想的な創業チームのあり方を検証してみたい。


1. 株式シェアの割合が適切 

 シェアの問題は、スタートアップの永遠の課題だ。まさに、これが正解という持分の割合というものはない。しかし一つ言えるのは、「シェアの割合の理由が明確で、かつ、それを創業メンバー全員が納得している」ということだ。

 よく、例えば創業者が2人の場合は、シェアが50%と50%というのは避けるべきということが言われる。確かにイーブンという状態が後に問題になるケースもあるが、それでも、お互いが良く話し合って、納得した結果であるのならそれでもいいと思う。

 実際、そのようなシェア割合で非常にうまく成長している会社もある。一方、外部からのアドバイスに従い、イーブンという状態を無理に避けようとして51%対49%などに設定したが、その後に49%側のモチベーションが急激に下がって空中分解した、という事例もある。一般論やセオリーよりも、お互いの納得性の方がよっぽど大切だ。

 

2. 互いに遠慮なくモノが言える関係

 経営トップにはリーダーシップが必要だ。しかしそれが行き過ぎ、ワンマンで独裁的になってしまうケースは往々にしてある。たとえ友人同士で起業したとしても、「社長」「取締役」という肩書きが決まった瞬間から、急に変な権威や上下関係ができてしまうことがある。

 それが、純粋に役割上やタスク上の関係に昇華した、ということであればいい。しかし、硬直したポジションとして、フラットなコミュニケーションを阻害する要因にさせることは絶対に避けるべきだ。トップになった方も、サポートする方も、お互いが意識して、フラットで、遠慮のない関係性を維持することに努めなければならない。


3.ケンカしても仲直りが早い

 上記と関連して、たとえ激しく言い合ったとしても、すぐに良い関係に戻れるということは非常に重要だ。この信頼関係がないと、人間関係を壊すことを恐れ、お互いにモノが言えなくなってしまう。逆にこの信頼がお互いにあると、遠慮なく自分の意見を言うことができる。その率直なコミュニケーションが、妥協の無いサービスクオリティ、そして高いレベルの経営オペレーションを生み出していく。

 先に折れるのは、特に、トップの方がその責を多く負ってると言えるだろう。尊敬される素晴らしい経営者は、とにかく度量が広く、間違っていたと自分が認めれば、謝るのもとても早く潔い。その姿勢は組織全体にも伝播し、本当にフラットで寛容、かつ真摯な厳しさを併せ持つ企業文化を作る。


4.お互いがカバーし合える

 CEO、COO、CFO、CTO、、起業前には、こういう肩書きにあこがれることもあろう。そして実際、創業チームで適切に役割分担をし、お互いがその責任を全うしていく姿勢は、それ自体とても重要である。それぞれの強みを明確に出せるチームはとても強い

 しかしながら、責任の範囲にこだわりすぎ、お互いがタコツボ化してしまっては絶対にダメ。それは少人数にして、すでにセクショナリズムが発生してるというとても残念な状況だ

 起業直後は混乱の連続だ。日々刻々と状況が変わり、危機も次々と襲ってくる。営業面、システム面、資金面、どこかで大きな穴が開いた場合、「お前の責任だからしっかりやれよ」という姿勢だけでは、いずれ破綻してしまう。実際、そんな感じの関係性になってしまうスタートアップは多い。そうではなく、お互いができる限りカバーし合い、危機は全員で乗り切るというカルチャーを醸成しなければならない。


 他にも色々あるが、まず上記の4点は非常に重要である。しかしながら、このような理想からかなり遠いスタートアップの経営チームも、実はとても多い。

 起業してしばらくは、どうしてもプロダクトの開発、営業、資金調達、、目の前の仕事にずっと追われることになりがちだ。だから、チームマネジメントがどうしてもおろそかになる。

 冒頭でも述べたとおり、スタートアップの成否を握るのは、まずはチームのあり方だ。経営チームの、お互いの関係が適切に維持できるよう、常に最大限の努力を払わねばならない。


///
ツイッターでも、できるだけ有益なことを毎日発信してます。ぜひフォローをよろしくお願い致します 🙇🏻‍♂️


 経営者、若手リーダー向けのメンターとしても活動しております。課題をクリアにし、前向きに進みたい方の背中を押す伴走型サポートです。ぜひご気軽にお問い合わせください、お話できることを楽しみにしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?