月間受注の6割を生み出す【ABM×セミナー】によるナーチャリングフロー設計
FORCAS(ユーザベース)の酒居です。
ぼくたちは現在週1,2回のペースで、自社セミナーを企画・開催しています。一回あたりの来場者数は30〜50名程度の少規模のものから、100〜200人程度の中規模のものまでさまざまです。
今回はマーケティング戦略上、セミナーをどういう位置づけで実施しているのか、そしてセミナーを通してマーケティングプロセスをいかに設計しているのか、についてご紹介したいと思います。
セミナーは最強のナーチャリング手段である
最初に結論を言うと、ぼくはセミナーを「最強のナーチャリング手段」だと考えています。
ナーチャリングとは、マーケティング用語で「見込み顧客の育成・啓蒙」などと訳されたりしますが、自社サービスを利用してくださる可能性がある見込み顧客の熱量を高め、購入へとつなげていくプロセスのことを指します。
ナーチャリングの方法は多種多様で、メルマガやステップメールによる企業事例や自社サービス活用方法などを伝えていくメールマーケティングがあったりします。もちろんそれはそれで、やり方次第では有効に機能すると思いますが、お客さんと直接の接点を持ち、会話ができるセミナーという場は、ナーチャリングの観点で非常に有効です。
特に、ぼくたちのFORCASというプロダクトは、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)やデータマネジメントという新たな概念をコアな層へ伝えるアプローチが多く、そもそもどういうプロダクトであり、どういうコンセプトで、どういう世界観を目指しているサービスなのか、というところを理解していただくことがとても重要になります。
このビジョンやプロダクト内容は、オンラインでのメールやホワイトペーパーなどの資料だけでは、どうしても伝えきれないところが多い。だからこそ、直接面と向かって、目指すB2Bマーケティングの世界観やそれに関連する情報をお伝えできるセミナーは非常に強力な武器となります。
セミナーに注力し始めた背景
実際に、元々マーケティング&インサイドセールス部門を立ち上げた時、最初の垂直立ち上げの為にまずは量にコミットし、オンラインからのリード流入をほぼ0の状態から月間500〜600まで一気に伸ばし、またインサイドセールスでの商談獲得数もそれに合わせて一気に伸ばしました。
しかし一方で、商談後の案件化率(パイプライン化率)が向上しないという事象が発生しました。ここがフィールドセールスとの連携がうまく進まないポイントでもありました。連携を円滑化し、受注数の向上のためには案件化率が高く、受注見込みが高い商談をいかに多く獲得出来るかがキーになります。
そんな中、部門立ち上げ後に同時に取り組み始めたセミナーのデータを見ると、セミナーを経由した商談の案件化率が経由しなかった場合と比較して、2.5倍以上の案件化率がありました。そこで、フィールドセールスの協力も得ながら、インバウンドで獲得したリードを一度セミナーへ誘導し、そこから商談を創出していくというフローの形成を進めていきました。
ぼくたちの組織はまだまだ人的リソースが少人数で、どうしても案件フォローやリサイクルリードへの対応まで手が回らないこともあります。そこで活躍するのがセミナーであり、昨年度ベースだと実際に成約の6割程度の企業が、受注にいたるまでのプロセスの中で、何かしらのセミナーやイベントにお越しいただいていました。(現在はソーシャルセリングや他の施策も増えて比率は変わってきています)
イベントとセミナーの定義と違い
ぼくたちがセミナーを実施する目的は、集客したターゲットアカウントに該当するリードから、成約見込みの高い商談数を最大化させることです。
ここで重要なことは、セミナー及びイベントは開催の目的を明確にすることです。
自分たちがターゲティングした企業のリードを集客する(いわゆるリードジェネレーション)ために開催するのか、集客したハウスリード(既に保有しているリード)をエンゲージし、商談・案件創出するためのナーチャリング目的でやるのか。大きく分けるとこの2つの目的に分かれます。この目的を明確化して、オフラインの企画をつくらないと、結局何のために企画を開催したのかがはっきりせず、手段が目的化してしまいがちです。そうなると、結果としても自分たちが求める成果にはつながりづらくなります。
そこで、ぼくたちの場合、新規でリードをつくること(いわゆるリードジェネレーション)を目的としたものを「イベント」と定義し、イベントやホワイトペーパーなどのオンラインコンテンツで集客したリードのナーチャリングを目的としたものを「セミナー」とよんで分類しています。
イベントはとにかく新規のターゲットアカウントに興味を持って参加いただき、コンテンツに満足いただいて、最初のつながりをつくること(新規アカウントのカバレッジを広げること)にフォーカスし、一方のセミナーでは、サービス説明などをメインにすることはないものの、より自社プロダクトにつながる世界観やマーケティングノウハウ、またはユーザーさんのリアルな事例セッションを用意し、商談化を見据えた場づくりをしています。
イベントの集客方法については別記事でご紹介しているので、よければそちらをご覧ください↓
今回はセミナーでのナーチャリングプロセスについてご紹介します。
ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)の実践
ぼくたちは現在ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)という最新のマーケティングの実践をFORCAS全社で取り組んでいます。
これまでのマーケティング(いわゆるリード・ベースド・マーケティングと言われるもの)は、まず始めに広告やDM等で一気に集客をかけ、見込み案件を見つけ出し、そこから営業がフォローして成約へつなげていくというものでした。
しかし、ABMはまず最初に自分たちが狙うアカウント(企業)をバイネームで特定し、その企業リスト(ターゲットリスト)に対して、マーケティング及びセールス活動を通していかにアプローチしていくかを逆算して考えていくものになります。
2018年にABMを開始した当初、ぼくたちのターゲットアカウントは600社程度に絞り込みました。(ターゲティング方法については別の記事化します)
このターゲットリストは四半期ベースで見直しとアップデートを重ねており、現在は新たなセグメントの層を追加して、約1,500社のターゲットリストを作成しています。
ターゲットリストは、特定した企業群をずらずらとリスト化するだけでなく、優先順位別に3つのレイヤーに分類しています。最優先でアプローチするターゲット企業を「Tier1(ティアワン)」と呼んでいて、順番に「Tier2」、「Tier3」と続きます。
優先順位をつけるとともに、実際にTier別にアプローチ方法も分けています。ここはリードジェネレーションの分野なので、今回は省略します。
ABM×セミナーで構築するナーチャリングフロー
ぼくたちは、ABMとセミナーを組み合わせることにより、ターゲット企業別のナーチャリングフローを構築しています。その流れをご紹介します。
まずはリードジェネレーションによって、さまざまなチャネルからインバウンドで流入してくる流れを構築しています。
例えば、現在ぼくたちの場合は、オンラインコンテンツであるホワイトペーパーやオフラインイベントの集客による流入が圧倒的なメインとなっています。それ以外にもサービスの資料請求や展示会、これまでのリードの蓄積によるハウスリスト(MarketoとSalesforceに蓄積)があります。
インバウンドでリードが流入してきたタイミングで、ターゲットリストと自動的に統合させ、そのリードがターゲットリストに該当するアカウントかどうかを判別します。さらにターゲットアカウントに該当する場合、Tier1〜3のいずれに該当するのかを特定し、Tier情報をリードへ自動付与します。
余談ですが、インバウンドでTierリードが流入してきた場合、MarketoとSlackをウェブフックで連携させているため、リアルタイムでSlack上でアラートが上がり、担当のインサイドセールスメンバーへ伝達する仕組みになっています。
全体のナーチャリングプロセスは、上記の図の通りですが、Tier別のナーチャリングフローについて個別に書いていきます。
流入リードがTier1に該当した場合
まず流入してきたリードが、Tier1に該当するリードだった場合。
Tier1リードはフィールドセールス自身がコミットしたアカウントリストであり、自社サービスが一番相性が良く、導入ハードルとともにLTV観点でも長期で継続活用してくれるであろう企業です。そのため、インバウンド流入のところから、個別のコンテンツ化を進めていますが、いかにTier1アカウントの該当部門のキーマンへつなげていくかが、とても重要なキーとなります。
Tier1に該当するリードは、最優先企業のため、インサイドセールスがダイレクトに商談を打診する、もしくはクローズドでインタラクティブ性が高い超少人数セミナー(勉強会等)を用意し、課題感のヒアリングや弊社取組みの具体的な事例を共有するなどを実施していきます。
昨年度では、インサイドセールスマネージャーの土屋が超少人数の勉強会を「ABM勉強会」として週次で企画開催してくれており、そこにTier1アカウントをインサイドセールスメンバーがアサインしていく形をとっていました。
また、セールスメンバーと連携し、業界特化型のクローズドミートアップの企画も開催をしていました。例えば、当時セールスを担当していた小田切(現在HRマネージャー)にオーナーを持ってもらい企画したものに「HR MEETUP」があります。
クローズドの少人数勉強会は、オフレコで企業間でもインタラクティブに相談し合うことが可能で、より親密性を高めることができます。実際にここでマーケティング戦略上の課題と目的のヒアリングとすり合わせができれば、実際に我々のサービスがどのようにお役に立てるかも、その後のインサイドセールスからの提案としてかなり円滑化します。
流入リードがTier2,3に該当した場合
流入リードがTier2やTier3だった場合。ここで活躍するのが「セミナー」です。
Tier2,3のリードが流入すると、資料請求等、即時対応が可能なケースを除いて、なるべくセミナーへのナーチャリングへとフローをまわします。
セミナーの効果としては、3つのメリットがあります。一つは、「参加者のエンゲージメントを高められること」。これはもちろんですが、セミナーに参加いただくことで、コンテンツや会場の空間を体感いただく中で、自分たちが伝えたい世界観やテーマを知っていただけます。
2つ目として、当日会場にてインサイドセールス含む我々のメンバーと直接のコミュニケーションがとっていただくことで、後のコールやメールでのフォロー時にも、「誰」がわかり、より円滑なコミュニケーションが可能となります。
3つ目としては、言い方が難しいですが、セミナーに来ていただくという物理的ハードルをあえて設けることで、ある意味、テーマに対して課題感が強く、興味関心が高い層のみにアプローチができる、いわゆる「フィルタリング」としての有効性もあります。
もちろんセミナーにお越しいただいても、無理なサービス紹介や提案は行わず、あくまで来場者の興味関心度合いに沿ったコミュニケーションをとらせていただき、そこから商談機会が生まれるという形になります。
また、セミナーにお越しいただいても、全員が商談につながるというわけではありません。テーマやタイミングによっても、状況は変わってきます。そこで、セミナーを週次による定期開催にし、コンテンツのバリュエーションを増やし、別の機会にも改めて興味を持っていただいて、リピートしていただけるように構成しています。
1度目のセミナーではタイミングが合わなかったとしても、2度目のセミナーで商談化するケースも多く、またご自身は決裁権や利用ニーズがなくても、社内の別部門の方や上長の方を同行してお越しくださる、というケースもあります。
リサイクル&掘り起こしアプローチにも有効
さらに、一度商談化してロストした案件でも、再度別の機会にセミナーにお越しいただくことで、再度のアプローチが可能になることも多くあります。そのためリサイクルフロー、掘り起こしアプローチとしても有効です。
実際に、一度商談させていただき、そのタイミングでは見送りになったものの、数ヶ月後に再度メールでのご案内からセミナーへお越しくださり、そこから再度ご提案させていただき、ご契約いただいたというケースも結構あります。
セミナーを定期開催し、いつでも気軽に話を聴けて、学ぶことができる場をつくることで、先方のタイミングや状況に合わせた形でのご提案が可能となり、そのタイミングまでお客さんとつながりを保ちながら、信頼関係を構築できるようになります。これが、ぼくがナーチャリング手段としてセミナーが最強だと思う理由です。
ちなみに、上記のフローの棲み分けは絶対的なものではなく、状況に応じてTier1企業でもセミナーやイベントに招待するケースもありますし、Tier2,3企業でもインサイドセールスがダイレクトにアプローチするケースもあります。
ですが、ここで大切なのは、基本的なパターンを自分たちで可視化し、フローを整え、それが実際に機能しているのかどうかをデータを元に計測し、PDCAを回しながら改善を繰り返していく、ということだと考えています。
集客はMAによるセグメント別メール配信
セミナーのナーチャリングフローをまわす中で重要なことは、「適切な集客をする」ことです。
コンテンツづくりでは、顧客目線で、聴きたい、参加したいと思っていただけるコンテンツを用意し、そのセミナーの対象となる方のみへセミナー案内を送るように心がけています。
コンテンツづくりについては、下記の記事↓で書いています。
しかし、どれだけ価値のあるコンテンツでも、対象として該当しない層の方へ案内しても効果はありません。むしろ迷惑メールとして、配信停止の依頼が来てしまいかねません。
そのため、ここで考えるべきことは、「誰に対して、何のコンテンツをご案内するか」になります。
コンテンツだけつくって、あとは一斉メール配信、という形を繰り返せば、最初は集客できたとしても、いずれ効果は減少します。集客はコンテンツだけでなく、その集客対象を特定し、その集客層に特化したチャネルを構築して集客プロセスを回すところまで徹底することが大切だと考えています。
ここで活用するのが、「MAによるセグメント別のメール配信」です。
ぼくたちの場合は、MAとしてMarketoを利用しています。MarketoとFORCASと連携させることで、FORCASから企業情報や企業特性をリードへ付与し、合わせてTier情報をエンリッチします。
これによって、Tier別の配信のみでなく、特定の業界や切り口でのセグメントをつくることができ、そのセグメントに対してメールを配信する流れになります。
例えば、ターゲットアカウントの中でも、SaaS企業を集客したい場合には、SaaS企業でセグメンテーションし、SaaS企業の方が興味を持ってくれるであろうテーマとコンテンツでメールで案内を送ります。また、MAを導入している企業でセグメンテーションし、Marketo湯原さんが講師を務めてくださる人気のABM事例セミナーやFORCASユーザーさんにおけるMA活用のコンテンツでセミナーを企画し、案内を行っています。
セールス部門との連携による商談案件の促進
ぼくたちのセミナーにお越しいただく方は、新規の見込み顧客だけではありません。フィールドセールスと連携することで、フィールドセールスの見込み案件(パイプライン)のフォローも同時に行っています。
セミナースケジュールをフィールドセールスに事前共有することで、フィールドセールスは一度商談したけれど、サービスやコンセプトについてもう少し理解促進や興味喚起を進めたい場合に、商談中の対面やその対面が推進したいキーマンの方をご招待して、セミナーにお越しいただきます。
ぼくたちの場合、特にセールスメンバーも昨年夏ごろまでは少人数(2名)で回していたので、なおさらフォローのリソースが少なく、セミナーでエンゲージすることは有効な手段だと考えていました。
また、サービス検討中の企業の方同士がお話し合い、他社はなぜ導入を検討しているのか、ということを相談し合えることも、サービス検討を進めていただく一つの形になります。
ユーザーコミュニティとの連携で双方にメリットを増やす
そして、ぼくたちのセミナーにとって一番重要なポイントとなるのがここ。「FORCASユーザーさんとの共創関係」です。FORCASユーザーの方々には様々なカタチで自社のセミナーにご協力いただいています。
まず1つ目は、「未来のマーケティングを創るマーケター、経営者の方々との共創」です。
FORCASは最先端のデジタルマーケティングの取り組みを実践されている方々や企業に利用いただいています。そのため、ありがたいことに新たな取り組みを実践して、未来のマーケティングを創っていこうとされている方々とのつながりがたくさんあります。
その方々にご協力をお願いして、弊社のセミナーにて自社でのマーケティングの取り組みについて、リアルなお話をしていただいています。それがABM実践セミナーになります。
特にFORCASのことに特化してお話いただくのではなく、あくまで自社のデジタルマーケティングの取り組みを具体的にお話いただくことで、来場者の方々にもよりリアルな推進方法を知っていただくことができます。その実践のイメージを持っていただければ、自社サービスを無理にご紹介せずとも、そのサービスへの興味関心は自然に持っていただけます。
そして、ユーザーさんからお話いただく内容は、我々ベンダーがお話するよりもリアルかつ親近感があり、より一層来場者の方々に深く理解していただけます。そのためにも、ご登壇いただくユーザーさんご自身にも楽しんでお話いただく環境や場づくりに努めています。
2つ目の関わり方としては、「聴講者としてセミナーへ参加いただく」ものです。
日頃FORCASのカスタマーサクセスのメンバーが各社さんのフォローをしていますが、テーマやコンテンツでご興味を持ってくださるユーザーさんにはセミナーにどんどんお越しいただいており、またユーザーさんが持っている現在の課題の解決にお役に立てるテーマである場合は、カスタマーサクセスのメンバーからそのセミナーをご案内することもあります。
通常のマーケティングの目的とは異なりますが、マーケやCS関係なしに、ユーザーさんのことを考え、ユーザーさんのお役に立てる機会をつくったり、より強固な関係づくりを進めていくことが大切だと思っています。
ユーザーさんが参加していただくことの副次的効果
また、既存のユーザーの方々と新規の見込み顧客が、一緒にセミナーを受けていただくことは、新規の見込み顧客の方々にとっても良い効果があると考えています。
ぼくたちはセミナーの中で、インタラクティブ性を重視し、オープニングで参加者同士の自己紹介タイムを設けていたり、ワークショップ形式で一緒に相談しながらワークをしていただくセミナーを開催しています。
参加者同士が話し合える環境づくりをすることで、自然とぼくたちのサービスについても、参加者の中でお話いただけることになります。実際にFORCASを活用してくださっているユーザーさんとサービス検討中の方から新規の方々に向けてサービスをお話いただけるのは、ぼくたちがサービスを紹介するよりも何倍も効果的です。
弊社代表の佐久間が「コンテンツの王様は利用事例だ」とよく話していますが、ぼくもこれはとても同意です。そしてこの利用事例とは取材したインタビュー記事のようなものだけをいくのではなく、それはあくまで手段の一つであり、「お客さんの声」をさまざまな形でマーケティング施策へと落とし込んでいくことは、マーケティング活動を考える上でとても重要だと考えています。
ナーチャリングフローとして機能させる前提条件
ここまでセミナーが最強のナーチャリング手段であり、ターゲティングと組み合わせ、ターゲット別にナーチャリングフローを構築することを書いてきました。
とは言うものの、このナーチャリングプロセスを設計し、それをさらに日頃の活動として落とし込むのはどう進めていくか。
そこでまずオススメしたいのは、「明確なターゲットリストの作成」です。「え、セミナー関係ないじゃん」ってなりますが、セミナーはあくまで手段であり、目的ではないと思ってます。そのため、そもそもの自分たちがどこを狙い、マーケティング活動を実施するのかをはっきりさせることが大切だと考えています。
ぼくたちの場合、ABMの実践にあたり、CS、セールス、インサイドセールス 、マーケが連携して、既存顧客の傾向を分析し、特定したセグメンテーションから具体的な企業名までを特定し、ターゲットリストをつくります。今回は省略しますが、全ての部門がコミットした共通のターゲットを特定することが重要です。
そして、ターゲットが明確になれば、そのターゲット企業のカバレッジ(網羅率)を計測し、まだ未コンタクトの企業へはリードジェネレーションの施策、すでにコンタクト(つながり)がある先にはナーチャリングプロセスをまわしていきます。
そのナーチャリングプロセスを回すにあたっては、セミナーをいかに実施できる環境をつくっていけるかが大切です。下記のような点を重視しながら、ぼくたちはセミナー施策を進めてきました。
・セミナーの高頻度の定期開催を継続する
・コンテンツのバリュエーションを増やす
・参加者目線でのコンテンツを用意
このあたりは詳しくは別記事で書いてるので、ご興味ある方は下記記事をご参考ください↓
さいごに: インサイドセールスによるセミナー企画運営体制へ
セミナーは昨年ひたすらPDCAを繰り返し、ある程度カタチができてきました。しかし、そこからさらなるパワーアップをしてもらうために、現在はセミナーに関する企画運営はインサイドセールスチームにてオーナーを持ってもらっています。
インサイドセールスがオーナーを持つことで、より現場や顧客のタイミングにあったテーマやスケジュールでの開催を進めてくれています。また、最近ではソーシャルセリングや新たなチャネルの開拓なども同時に進んだことにより、ナーチャリングプロセスはより新たなカタチができようとしています。
セミナーの企画運営をするというのは、物理的にも時間的にも労力もリソースもかかり大変な施策です。しかし、あえてその労力をかける価値は十分にあると実感しています。セミナーは何よりもカタチにこだわらず、まずはやってみて、それを継続する忍耐力と体制づくりをし、PDCAを回しながら改善を進めていかかとが大切だと思います。
新規開拓を進める上で、フィールドセールスやインサイドセールスが商談獲得から受注に至るまで、提案と徹底的なフォローをしてくれるおかげで契約を伸ばせています。また、カスタマーサクセスのメンバーがしっかりとユーザーのオンボーディングとフォローをしてくれていることも、安心して新規開拓を進められています。
だからこそ、その努力を最大限に活かせるためにも、リサイクルを含めたナーチャリングのプロセスをいかに構築するかは、B2Bマーケを考える上で非常に重要だと思っています。まだまだ試行錯誤の連続ですが、これからも新たな取り組みをどんどん進めて、より良いカタチをつくっていこうと思います。
またまた長文になってしまいました。今回もお付き合いいただきありがとうございましたー!
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読んでくださってありがとうございます。まだまだ試行錯誤の連続ながら、自分たちの日々の取組みから得た気づきをシェアしていきたいと思っています。