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「水羊羹」はお正月の風物詩だった!?

水羊羹みずようかんは、煉(練)ねり羊羹と同様に小豆餡あずきあん、寒天、水分を使用して作られますが、寒天を煮溶かし、餡と砂糖を加えて混ぜた後、型に流し込んで固めます。
寒天や餡の量を少なくして煮詰めずに固めるので、完成品は名前の通り水分を多く含んだ羊羹となります。
その結果、喉越しの良い、まるで「すらり」と溶けるような柔らかさと、軽やかでさっぱりした食感が特徴で、一般的には暑い夏場に冷やして食べるのが定番の和菓子です。

古のレシピ本に見る「水羊羹」

現在でも、一部では餡に替えて黒砂糖を使う所もありますが、過去には寒天の代わりに葛を用いたとの記録もあります。
1856年、安政3年の『御菓子之畫圖写おかしのえずうつし』によると、水羊羹は「氷砂糖、小麦の粉、小豆の粉、葛の粉」を材料として使用すると記されており、当時は小麦粉と葛粉と餡が使用されていたようです。
ただし明治期以降は、寒天を用いた製法が一般的になりました。

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