質問フォーマットを使うことで質問のハードルを下げる。【質問しないのは損です。】
X(旧Twitter)を見ていたら、フリーランスでエンジニアをやっている方が、
「コミュニティに入っているけど、全然質問がまとまらなくて結局自分で考えて時間が掛かっちゃった〜〜(泣)」
という内容をしていた。
「ふむ・・・」と考えてみた。
というのも、僕も最初は同じような経験をしていたから。
僕は大学を卒業してからすぐにフリーランスのエンジニアとして活動を始めたのだけれど、当然社会人経験も純粋な場数も全くない状態での挑戦。
仕事上でのコミュニケーションも、同じフリーランスや起業者がいるコミュニティでのコミュニケーションにも大いに苦労した。
口を酸っぱくして言われたのが「相手が誰であろうが、回答者の時間を奪ってはいけない」ということ。
最初は全然意味がわからなかったけど、キャリアを積む中で質問を受ける立場になって少しずつ実感が持ててきた。
質問に答えるには思ったよりカロリーが必要なのだ。
1つの質問ならまだいいが、これが何十個、何百個ともなると、あっという間に時間が溶けてしまう。
こりゃ大変だ!!
と、僕はますます「質問」に対しての仮説と検証を進めていった。
フリーランスになってから大体2~3年目くらいだったかな。
当時はそんな実験的なことをしているつもりはなかったのだけれど、さまざまなタイプの方と仕事をする中で自然と身につき、4年目になった今ではほとんど質問に関して困ることは無くなった。
質問の内容がまとまらず、どう聞いたらいいか分からない。
どうやら、冒頭のような発信をみていると、
(主にIT分野の人で)何か分からないことがあった時、
人に聞くこと自体はできるけど 「どう」聞けばいいのかが分からない人が一定数いるみたい。 一番の理由はやはり、質問の内容がまとまらないから。
他には
そんなものが多かった。
1番の理由である「質問の内容がまとまらない」という部分は、
この後紹介するフォーマットにのっとれば良いとして。
後2つに関しては、個人的には「質問しないことがむしろ失礼だし、気後れしてわからないことを聞かないと自分が損をするだけ」だと思う。
自分と相手の認識は必ず異なっている
僕が常に頭の中に置いている考えとして、「自分と相手の認識は必ず異なっている」というものがある。
たとえ双子であっても、自分と、自分とは異なる他人が100%全く同じ考えを持っていることはあり得ないからだ。
育った環境も、身につけてきた価値観も違うのだから当たり前なのだけれど、ことあるごとに忘れがちなことだ。
認識が異なっているのだから、できることは認識を合わせようと試みることしかない。
そして、認識を合わせるにはどうしたら良いかというと、相手に質問して聞くしかない。あれこれ頭の中で考えていても、それは自分という視点から見た相手の思考に過ぎないからだ。
フリーランスなりたての頃、プログラミングの修正が20~30箇所もまとめてきたことがあった。
自分の技術の未熟さももちろんあったが、それにしても多かった。
修正の一つ一つは大したことなかったけれど、見れば、実装の際に「崩れているな」と思い修正とは関係なしに直した箇所を指摘する指示があちこちに見られた。
当時の自分はとにかく作業者で、どうせ作業するのであれば自分が気がついたところも気を利かせて直した方が喜んでもらえるはずだ!と思っていた。
けれど、実際は真逆の結果。
僕は、「自分から見た相手の思考」に酔って、自己満足で「作業をやった気」になっていただけだったのだ。
認識を相手と共有するために、質問する。
僕がやるべきことは、認識を相手と共有することだった。
相手に完全に合わせるというわけではない。こちらの意図も自分の中で明確にして相手に示した上で、双方の意図の擦り合わせをしていくということだ。
例えば、仕事をしている途中に、指示にはなかったけど直した方がいいだろう部分を見かけたとしても、自分一人判断することはなるべく避けたほうが望ましい。
理由は簡単で、その部分は相手があえてそうしている可能性があるからだ。
サービスのブランディング上の見せ方なのかもしれないし、あえて隙を
作ることによってお客さんを引き込もうとしているのかもしれない。
それは当事者である自分にはわからない。
だから、「相手に聞く」という作業が必然的に発生する。
ここまで仕事を例にして話を進めてきたけれど、コミュニティでの運営メンバーとの関わり方や、普段のコミュニケーションでも同じだ。
前提として、「自分と相手の認識は必ず同じではない」。
つまり、自分が認識していない・気づこうとしていないだけで、相手には何か意図があるかもしれないという前提で人に接する。
「自分は相手のことを100%知っている」と思うのは傲慢なんじゃないか?と最近では感じる。
ポーズとして、「君のことはなんでも知ってるよ」と言うことはあるかも知れないけれど(あるか?)、実際、自分が知っていることは相手のほんの一部でしかない。
なんなら、相手自身もきっと自分を100%認識できていないだろう。
となると質問するしか道はないし、
やはり、「質問しないことがむしろ失礼で、気後してわからないことを聞かないと自分が損をするだけ」ということになる。
確かに質問するのはある程度疲れることもあるし大変だけれど、質問にかけるコスト以上のリターンが期待できる上に、致命的なすれ違いにつながる可能性を格段に減らすことができるので、僕はここにかけるコストは惜しまなくていいんじゃないかなぁと思う。
仕事であれば、認識が違う部分については情報を共有しつつも、こちらから改善案や実装案を提案すれば、主導権を握りやすいという場合もある。
だから、分からないことは質問するに越したことはないんじゃないか、と思うのだ。
質問者と解答者の投げるボールの違い
とはいえ、なんでもかんでも質問すればいいというわけではない。
質問の仕方によっては相手に悪い印象を与えるばかりか、自分が望む方向性の回答が返ってこないことなんてザラにある。
そうなると、やり取りの回数が増え、質問にかける双方のコストが増え、
さらに質問をするにも申し訳なくなってきて・・・・・
という負のループに突入する。
冒頭にも書いたが、回答する側は質問者が思っているよりもエネルギーを消耗する。
キャッチボールで例えるとしたら。
質問者は回答者に受け取ってもらえればいいから、ふわ〜〜〜っとしたボールを多少回答者のいるところからずれた場所に投げたとしても受け取ってもらえる。
対して、回答者は相手のいる位置に向かってピンポイントで、相手の力量に合わせてちょうどいいスピードでボールを投げ返す必要がある。
なぜピンポイントでなければいけないかというと、質問者は「今、困っている」からだ。今か今か、と投げたボールが返ってくるのを待っている。
たとえ自分が大暴投をして、ボールが回答者に届いていないとしても・・・
加えて、質問者はボールを1回投げればそれでいいかも知れないが、回答者が投げ返す必要があるボールは必ずしも1つではない。
場合によっては、さまざまな方向から別の人が投げたボールが飛んでくる。
質問者と回答者、どちらがエネルギーを使うかは明白だろう。
だからこそ、質問者はできるだけ回答者のミットにピンポイントに届くような質問をする必要がある。
たとえ回答者が自分のクライアントであろうが、それなりに中のいい友達であろうが、大切なパートナーであろうが。
安定して質の高い質問をするためのフォーマット
安定して、質の高い質問をするためにおすすめなのは質問のフォーマットを作ることだ。ようやくここまできた。
フォーマットさえあれば、最低限のクオリティが担保できる。
0から考える必要がないので、質問が全くまとまらない・・・という最初にして一番重要な悩みの解決にもつながる。
まあ、あれこれ言ってもしょうがないので、
実際に見てもらおうと思う。
僕が使っているのはこんな感じ。
主に仕事において使うことが多いので、それに沿った文言になっているが、
必要に応じて文言は調整してほしい。
こんな感じ。
あとは適宜語尾を丁寧にして提出すればOK。
「意図」を「質問に乗せて」伝えること。
一番大切なのは、「質問意図」を伝えようとすること。
読み手に全てを委ねるとうまくいかないことが多い。
例えば主題。「〇〇について分からない」だけだと、読み手としてはどういう点が分からないか一発で理解できないので、解答の方向性が掴めないまま内容を読む事になる。
ぶっちゃけ読むのもダルくなる。
ボールを投げ返す気も起きなくなってしまう。
だからまずは、自分がどういうつもりで質問をしたのか、何を知りたくて質問をしたのか、今までどんなことをしてきて、どういう方向性からのアドバイスが欲しいのか、しっかり伝える。
質問者と回答者が共同で応答を作っていくことで、
気持ちのいいやりとりが生まれる。
「意図」を「質問」に乗せることは、ある種プレゼントに添える
ラッピングみたいなもの。
必ずしもなければいけないものではないけれど、あったほうが「それっぽい」し、相手にも自分の誠意や気持ちが伝わりやすい。
加えて、適度に画像を挟むことも大切。
文章が長すぎると読むのが面倒くさいし、文字だけでは伝わらないことも多い。(例えば、プログラミングのコードの説明とか)
複数枚画像を使う場合は、「この文言は何番目の画像のことを指しているのか」ということも示してあげるとなお良いかと思う。
とにかくいかに読み手に負担を与えず、自分の意図を共有するかに全力投球すること。
コツとしては、読んだ時に解釈の可能性が複数生まれないかということ。
Aといいたいのか、Bといいたいのか分からない。
となると、読み手は複数回答を用意する必要がある。
それはめんどくさいので「場合によるね」って回答が返ってきたりする。
これが「質問がまとまらず、言いたいことが伝わらない」の正体の1つ。
これだと、お互い損でしかない。
質問を考える時間と答える時間をそれぞれ使っているから。
そうならないために、相手に伝わるかつ、失礼でもなく、気後れすることもない質問フォーマットが役に立つ。
これに沿って質問を紡げば、質問する側の時間短縮にもなるし、
質問のハードルも下がるはず。
僕も試行錯誤の中でこの方を作り、使い始めてから、実案件でもクライアントさんと意思疎通が圧倒的にしやすくなった。
次第に感謝されることも増えているように思う。
ここまで色々書いてきたが、僕自身、以前は人に質問をすることすらできなかった。どう質問するか以前の段階にいたのだ。
そんな自分でもなんとか質問に対する抵抗感を無くして、
コミュニケーションをとることができるようになった。
なので、質問の仕方で悩んでいる人はぜひ一度このフォーマットを試してみて欲しい。
もし何か分からないことなどあれば、いつでもご連絡ください!
X、Line、Instagramなど、どのような形でも構いません。
一緒に質問について考えていきましょう〜!
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『旅をしながら想いを仕事に』| プログラミングを武器に【日本を旅するフリーアコモデーション】に挑戦中。
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HSS型HSP | 長野住み24歳。最近の趣味はポーカー🃏
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長野県立長野高等学校 卒業 ➡︎ 立命館大学総合心理学部卒業 ➡︎ 新卒フリーランスエンジニアとして独立。屋号は「WebTria」。
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