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公共デザイン①

市民アゴラ2期もいよいよ残す授業は2回だけとなりました。
11月最終の授業は共につくる気候都市(都市再生)というテーマ。
実は今回の講師の授業を聞くのは3回目でした。
内心、他の講師のように全く同じスライドと資料だったらどうしようか…と半分期待をせずに行きました。
ところが、私のように初めてではない受講生もいることを事前にチェックして下さっており、授業内容をアップデートして下さったとのこと。
思わず拍手!(苦笑)

公共デザインという単語は実は韓国が発祥だそうです。
ただ、皮肉だとおっしゃるのは韓国が公共デザインの分野で全くもって後進国なことだとおっしゃっていました。
車や家電製品など、インテリアも含め、韓国のデザイン力は国際的にも高く評価されています。
しかし、公共空間は全く別の国と言っても過言ではないほど、お粗末なのが現実です。

教授は日本も含め海外の様々な公共デザインの例を写真を交えて具体的に説明してくださいました。
日本の例としては京都があがっていたのですが、私も学生のころ景観を守るための条例があり、高層建築物は許可されていないと学んだ記憶があります。
そして、甲板がガラスの内側になっており、真正面から見ると視界を邪魔しないということ。
日本で当たり前だった日常の風景が、デザインという力で住みやすくなっていたのだと気づかされました。

実際、初めて韓国に来たときはビルに所狭しと並ぶ甲板(おまけに色も主張が強い)は、韓国らしさなのだと思っていました。
条例も実際あるようですが、ここでも登場するお決まりのフレーズ "먹고 살아야해"
守っていなくてもお咎めなし。
ちなみに景観法は2014年に施行されております…

公共デザインともっと国家的にも自治体としても推進していかなければならい理由の一つに、高齢化社会があります。
これからますます韓国が高齢化社会になる現実を前に、今からでも始めなければならない部分なのです。
舗装されてもすぐにガタガタになる歩道、段差のある歩道…あげればきりがありません。
急速な行動成長の裏で、それに合わせて作った都市は韓国に合っていなかったのです。
そして慌てて作ったせいか管理管轄の複雑さがさらに都市を散らかしています。

そんな韓国の中でも、済州島などいくつか公共デザインの重要性を認知し、街づくりをしているところもあります。
成功したケースとしては송정역시장1913(홈 | 1913송정역시장 (modoo.at))、そして釜山の工場跡を再活用した망미동 F1963(F1963)、창신승인 도시재생()などを紹介して下さいました。
ただ、最後の都市再生事業に関しては賛否両論あるらしく、これはまた学習しなければならないところ。

そして公共デザインが地域の生態系、そして環境問題へのアプローチにつながるというお話に続きます。

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