緑にのみこまれても
2023.9.30(土)
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高速道路から見える景色。
そこから色んな民家を見ては、住人の生活を想像するのが子供の頃からの癖で。
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今日は久しぶりに高速道路を走った。
山間部を高速道路で走っていると、山の斜面に建っている、とある古い民家に目に留まる。
車道はなく、徒歩で上がらないと行けない場所にその家は建っている。
山間に建つその家が、どこか自分の祖父母の家にも似ていて。
子供の頃から、ここを通る度にその家を気にして見ていた。
「おばあちゃーん!」なんて言いながら、孫たちがあの道を登っていくのかなと想像していた。
標高の高い山間なのに、南国風の木が庭に一本だけ植わっていて。
不思議だなぁ、育つんだなぁ、良いなぁ、って。
その家は以前は人が住んでいた感じがあったけど、数年前からは住んでいなさそうだった。だけど、草刈りなどの管理はされている感じはあった。
そして、コロナ禍もあり、私も高速を利用しない期間が2年ほどあり。
今日、久しぶりに前を通った。
草木が生い茂っていて、なんとか家の壁が確認できるような状態だった。
その様子を見て、時の流れを感じた。
少し寂しい気持ちになった。
見知らぬ人の家のことなのに。
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あの家の印象的な瞬間が、私の中に存在しているのでここに記しておく。
〜〜
子供の私は高速を走る車の窓から、あの家をを見た。
良い天気。温かい日差し。
庭では洗濯物を干している。
その中に青い半透明のビニールのシートが干されていて、風に翻った。
お家のある辺りは太陽にぽかぽかと照らされて、山間の中で際立って見えた。
楽園、秘密の花園…?が山間にぽっかり浮かんでいるような感じ。
〜〜
その瞬間が、現実に見た光景だったのかどうか、今ではあやふやだ。
脳内で、「素敵な景色」として脚色が施されているのかもしれない。
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こういう風に、見知らぬ人の家が、私の頭の中に美しい景色として存在している。
あなたの知らないところで、あなたの実家が、見知らぬ人(私)の心の中に在る。
あなたがこの世から消えても、私がこの世から消えるまでは、あの家の思い出はこの世に存在している。
あなたの知らないところで。
ここにこうして、noteに文字にして「あの家のこと」を書き出した事によって、noteというサービスが終了するまでは「あの家のこと」がここに存在し続ける。
草木にあの家がのみ込まれても。
…と、そんなことが、私には、なんか面白くてしょうがない。
あの家、は、noteに書き出されたくないかもしれない。
と、少し頭をよぎったけど、私の記憶でもあるので文字にした。
わけのわからないことを書いていると自分でも思うんだけど…
ここだけにそんなことを書き出して思考の整理をしてる。
そんな感じ。
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おしまい
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