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食べ比べ同人誌を作る際のポリシー

食べ比べ同人誌を仲間と一緒に作っている。同じジャンルの食べ物を実際に食べ比べて、ああだこうだという本だ。どんな食品をテーマに同人誌を作っているのか、宣伝がてらnoteで記事にしていく予定だが、その前に、僕たちが食べ比べ同人誌を作るに際して、ポリシーを持っているからここで、僕たちが作った同人誌の表紙と一緒に紹介したい。

ポリシーその1 スーパーで手に入る食べ物

いわゆるグルメな食べ物やお店に興味はない。いや、興味はあるが、そんなものをネタにするのは、大手出版社やテレビ局に任せておけばいい。わざわざ僕たちが出ていく必要はない。好奇心も探求心も斬新なアイデアも必要ない。過去の経験だけで、焼き増しコンテンツはいくらでも生み出せる。そんなものがおもしろいかはここでは別の話ね。

僕たちがターゲットにするのは、スーパーやコンビニ、あるいはネット通販で買える食べ物。食品メーカーが作っているものだ。食品メーカーが作った商品の食べ比べこそ、消費者にとって一番欲しい情報だろう。けど、マスコミでは宣伝しかできない。ならば、インディーズの出番だろうと、同じジャンルの商品を食べ比べて一冊の本にまとめている。僕たちは宣伝はしない。完全主観で美味い・不味いを書く。時には、辛口のコメントや評価もする。僕たちの偽りのない主観を読者が判断してくれればそれでいい。

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ポリシーその2 ただの商品紹介で終わらない

同じジャンルの商品を一堂に集めて、紹介するだけでも十分価値はあると思っているが、僕たちはそれだけでは終わらせたくない。業界トップメーカーを取材してその強さを探ったり、食品や業界の歴史を探ったりして、読者と一緒に取り上げた商品について詳しくなりたい。これまでに制作した本でも、キユーピーや丸美屋、タカノフーズなど、業界トップメーカーが取材に協力してくれた。トップメーカーはどこもすごい。業界トップのプライドを持って、日々研鑽している姿を見ると「さすが!」と唸る。

僕たちは自分たちの活動を「食品ジャーナリズム」と唱えている。食べ物の味だけでなく、その裏にあるストーリーが大切なの。歴史であったり、こだわりであったり、自社製品に対する熱量やプライドを掘り下げたい。「この食品メーカーがすごい!」なる同人誌を作りたいと考えているぐらい。大手食品メーカーは、それぞれいろんなストーリーを持っている。それを紹介し、新たに発見するのが「食品ジャーナリズム」なんだ!

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ポリシーその3 誰もが知る業界には手を出さない

ラーメンやカレーといった「国民食」的な食べ物は取り上げない。他の人がやってくれそうだから。それよりもみんな知っているけど詳しく知らない食べ物を対象にしたい。例えば「麻婆豆腐」。僕たちの作った本で一番売れたのが市販の家庭用麻婆豆腐の素を130種類以食べ比べた「この麻婆豆腐がすごい!」。麻婆豆腐って誰でも知っているけど、どれぐらい種類があるのか知らないよね。そういうちょっとニッチな食材の選び方も僕たちの味だと思っている。

国民食的な食べ物は取り上げないとかカッコいいことを言いながら、カレーの同人誌は作った。でも、ある特異な視点を設定した。例えば「キーマカレー」。キーマカレーってどんな食べ物かよくわからなかった。だから、30種類のキーマカレーを食べて「このキーマカレーがすごい」という同人誌を作った。この記事を書いている現在、「このご当地カレーがすごい」という新刊を制作中。どっちもただのカレー好きが作った本ではない。カレーを通して世の中を見ている。

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ポリシーその4 ガチで作る

内容がガチなのは当たり前で、ここで言いたいのはデザイン。仲間に本職のエディトリアルデザイナーがいるので、その人にほとんどデザインを丸投げしている。そして全頁フルカラー。例外もあるけど、食べ比べ同人誌は基本的にフルカラーで印刷している。デザイン費も支払っているし、フルカラーだと印刷代がシャレにならない。でも、ただの同人誌活動ではなく、まずは僕たちが胸を張ってインディーズ出版といえるように、書店流通している雑誌や本と変わらないクオリティにこだわっている。

書籍と雑誌のハイブリットな存在であるムックというものがある。マガジン+ブックでムックと呼んでいるらしいが、雑誌のテイストでテーマを持って制作された本だ。僕たちは自分たちの食べ比べ同人誌をインディーズムックだと思っている。だからこそ、本屋やコンビニに並んでいても遜色ないクオリティは譲れないポリシー。予算はかかるけど、赤字を出さないように頑張って販売している。従来の同人誌の販路以外にも同人誌を手に取ってもらう場所を作ろうと、情報系同人誌の即売会「おもしろ同人誌バザール」も立ち上げた。この話は、また別の記事で詳しく書く予定。

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紹介したい食べ比べ同人誌予備軍

これまでに、いろんな食べ比べ同人誌を作ってきたが、次を狙っているネタはたくさんあるし、その数はどんどん増えている。中にはフルカラーの印刷費を稼げないくらいニッチなネタもある。せっかく考えたネタなので、何らかの形で読んでほしいと常々思っていたので、noteでコンテンツに昇華させて成仏させようと思う。単発で終わるものもあれば、連載企画になるものもあるだろうね。絶版になった同人誌の焼き直しも記事にしようかと思っている。こうご期待!

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