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1977年、東京生まれ。

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季節の空隙

夜の意志をつかまえて 放て 空 墨汁を一滴 暗くなるまで待って おそくなってしまって 目立ったミスを取り繕って 溶けていった球 どこまでも白くて それは夏で 汗で だれかの記憶で だれかってだれなんだろう 東京にむかって 新幹線のなかで

    • プロフィール

      1977年、東京生まれ。野川周縁に棲息。 書店勤め。 ソーダ書房社長 カニ文庫そうじ係 十七時退勤社顧問 八画文化会館社外営業部長 立川読書倶楽部幽霊部員 偏愛詩歌倶楽部サブホスト 花本武物産展代表 短歌西荻派発起人 詩をめぐる対話カフェ書記長 武蔵野ホルモン倶楽部部長 FC重版 吉っ読発起人 ブックスピストルズ ブックストリートボーイズ

      • 『その日暮らし』刊行記念坂口恭平トークライブ&サイン会すべての日々に花束を

        パームブックスから坂口恭平さんの新作エッセイ集『その日暮らし』が刊行されます。 生まれ育った熊本に移り住み、畑をはじめ、渡辺京二さん、石牟礼道子さんと過ごし、元気なときもまた鬱で苦しいときも、ともにある家族との日々。いのっちの電話、さまざまな土地や人との出会いのなかで、ひとを助けることで自分が助けられていたこと、ともに生きる喜びが語られたエッセイ49篇と、半年にわたる長い鬱の果てに、あらたに至った境地が書き下ろされた「あとがき」(1万字超!)がしずかに胸に迫る内容になっていま

        • 村上春樹

          初期の羊シリーズ→ド傑作 ノルウェイの森→たぶん傑作 世界の終わりとハードボイルドワンダーランド→超ド傑作 ねじまき鳥クロニクル→力作 海辺のカフカ→傑作 1Q84→途中で挫折 騎士団長殺し→未読

        季節の空隙

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        記事

          憂鬱な人民のための人文書

          金持ちが、たくさんの良書を買う。 格差が固定された社会、世界で。 良書の普及にプライドを賭ける本屋。 格差が固定された社会、世界で。 欺瞞しかない。 何にも見えてないし、見ようとしないし。 良き社会を夢想して、良書を読む。 格差が固定された社会、世界で。 くたびれて麻痺してる。 不満を溜めて。 読むことを神格して、憂えるだけして忘れる。 欺瞞しかない。

          憂鬱な人民のための人文書

          尾崎世界観さんとのLINE雑談 『私語と』編

          花本 対談集出たとき以来のLINE雑談、よろしくお願いします。『私語と』すごい良かったです!タイトルからして秀逸ですよね。どんな経緯でこのタイトルに? 尾崎 今回は珍しく早い段階でタイトルが出てきて、自分でも驚きました。まだ収録曲が決まる前からこのタイトルがありました。タイトル決めるの本当に苦手です。 花本 そうなんだ。少し意外。学校の先生ってやたら、私語はつつしめよ、みたいな事言ってたじゃないですか?尾崎さんが学生だったころ、その注意をよく受ける生徒でしたか? 尾崎 

          尾崎世界観さんとのLINE雑談 『私語と』編

          駄目でかっこいい。

           「かっこいい」とはどういうものなのか。日夜研究、検討しながらかっこよくあるための研鑽を欠かさない人物が私です。10代のみなさまにその成果の一端を開陳いたしましょう。これから取り上げる人間たちはには、キラリと光る「駄目」と「かっこいい」があります。  かっこいいミュージシャンは確固たるスタイルを持ってそうです。独特なセンス、なんかもありそうですねえ。そいからなんらかの楽器を持ってるんじゃないでしょうか。  いいや違います。そのどれをも持たず、過剰な自意識を両手いっぱいに抱えて

          駄目でかっこいい。

          加瀬健太郎とは

           うちの子は、妻を「ママ」と呼んでるけど、私を「パパ」とはしない。「お父さん」である。なぜなのか。無論、そのように仕向けてない。別に「パパ」と呼ばれたいわけじゃないけど、「パパ」にはイメージがある。         「パパ」はお金持ちだ。一方「お父さん」。これは難しい。特にイメージなどない。それが問題だ。イメージがない。存在が希薄。お父さん…。  いろんなところのいろんな神話では「父殺し」のテーマがずいぶん散見されるらしい。殺されたくはないが、しかしなぜだ。お父さんなど殺して

          加瀬健太郎とは

          ファミコンの思い出

           ファミコンが登場しだしたときというのは、自分が小学校の1年とか2年のときだった。が、うちはMSXだった。ゲームするためのパソコンみたいなもので、キーボードがあって、カセットを挿すところが二つある。3つ上の姉が親に買ってもらってきた。  ドラクエ1はMSX版でやった。やってみたけど、いまひとつ楽しみ方がわからないから、姉がやってるのをうしろから見物していた。傍観だ。  その後、3つ下の弟が親を動かして、ファミコンが導入された。弟は器用でいろんなゲームを攻略していった。それも傍

          ファミコンの思い出

          夢の本屋

           東急大井町線、下神明駅から徒歩17分、河谷家書店の河谷店長は愛妻家である。  河谷さんとの出会いは高田馬場のカフェだった。二十年以上前の話。そこでは自由参加による詩の朗読会が定例で催されており、当時の私は常連の一人だった。河谷さんの登場は全裸で詩を読んだことを差し引いても衝撃的で、散会後おそるおそるファミレスに誘った。その夜から二年三か月、河谷さん、当時の旧姓で芝崎さんは西荻窪の私のアパートで居候をすることになる。 「あの、どこ住んでるんですか?」 「大森貝塚がある大森だ

          ブックツリー

          どうせならオリジナルな存在でありたい。みんなと同じ人生を送りたくない。こころ密かにそうおもっているのだが、この世界は出る杭が打たれるようにもできているようであり、鋭くオリジナルを目指そうとすると、けっこうな軋轢があり、ハイリスクです。せめて人があんまり読まない感じの本を読みたい。奇妙なテーマに根ざし、よくわからないコンセプトを掲げ、変な情熱が横溢する本を紹介しよう。 ディス・イズ・オリジナル! 1977年、東京生まれ。現在は西荻窪にある書店、今野書店に勤務している。なかな

          ブックツリー

          外文三選

          ヘミングウェイ『移動祝祭日』 気鋭の新人作家だったころのヘミングウェイがパリでめちゃくちゃ愉しそう。有名人がいっぱい出てきて、好き嫌いが、露骨に顕れる。フィッツジェラルドは、やけにズッコケた感じにされて可哀そう。最初の妻が天真爛漫で魅力爆発です。カフェで仕事したり、牡蠣を喰ったり、競馬にハマったりするヘミングウェイは、かなり等身大である。 レーモンクノー『地下鉄のザジ』 不適切な環境で不適切な大人たちに囲まれて、不適切な騒動の渦中に放りこまれるこども。ザジの目にうつるパリの

          2月3日の日記

          ママと二人は上野へ。 コンサート。 晴天。 保育園の懇談会。 たんぽぽ組の部屋。 こどもたちによるこどもたちの評がプリントにある。 うちの子は「やさしい。ほんがすき。」 先生が活き活きとした園生活を語り、保護者も活き活きと子育てを語る、語りが存外巧みで、自分の番がきて、妙にあがってしまい、待ってるあいだに言おうとしたことを、言い漏らすまいとして、焦り詰まり、言葉が上滑りして、咳も出る。 なんか調子悪いなあ、と園を出て駅へ。 自販機でしるこドリンク。 日高屋で味玉とんこつラーメ

          2月3日の日記

          蛍リミックス

          ざわざわした日暮れの野川 (毎日毎日、全員生きていて、いいことばかりじゃないけど、わるいことばかりでもなくて、死んだ人、死にたくなる夜、戦争がおわらず、子供が殺されていて、そんななかSNSでポジティブなこと言ってるやつは、全員気違いで、宮沢賢治が言ってたろう、世界全体が幸福にならない限り、個人の幸福なんてあるわけねーだろ) 一番星を見つけた子の指先を見た (永遠に星が瞬いてるようだけど、はやぶさ2がリュウグウの石だか砂だかを持ち帰ったのは、あきらかに宇宙への侵略行為で「やっ

          蛍リミックス

          どもない

           何を書こう、かと途方に暮れる。いつも書きだすのが大変だ。それにいま眠い。  下の子が「先に死んだほうのおじいちゃんちのばあばに手紙かく」と言いだした。妻の母に何か伝えたいことがあるようだ。私の父は去年死んでしまった。いまだぼんやりとした喪失感がある。  こないだ下の子と実家に寄った。下の子は自分より仏壇の作法をよく知り、ごはんを供えたり、チーンって鳴らしたり、線香もしていた。 父はいろんなものをコレクションしていて、でかすぎる酒の瓶(?)みたいなものにごっそり小銭を入れてい

          必須

          二十三時の混迷。 狼狽えない群衆。 燻製された今日。 地下の焚書室。 太陽昨日今日。