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サンタの手紙と1ルピー


“いのちの本質は愛です。…
愛に囲まれているとき、いのちはより完全にそれ自身になります。”

(風景の天使のことば、ドロシー・マクリーン『天使の歌が聞こえる』(日本教文社より)

クリスマスの時期が近づくと、毎年必ず思い出す、ちいさな男の子がいます。

中学生のころ、わたしは黒柳徹子さんの『トットちゃんとトットちゃんたち』という本を読みました。

ユニセフの親善大使としての活動が描かれている赤い表紙の本でした。

とてもやせ細った男の子の写真や未だに世界各地でつづいている紛争。幼い男の子たちが銃をもたされ、死ととなりあわせの生活......悲しすぎて想像もしたくない、そんな世界に生きている子どもたちがいることに衝撃を受けました。そして自分も大きくなったら発展途上国で働きたいと思ったことを覚えています。

それ以降、黒柳さんの本をいろいろと読むようになったのですが、そのなかひとりの男の子に出会いました (本のタイトルは忘れてしまいました😂)。

その男の子は、ある日、おかあさんといっしょに黒柳さんの途上国での活動をとりあげたテレビ番組を観たそうです。

アフリカでの戦争のことや、きれいな水さえ満足に手に入らない、そんな子どもたちの映像が流れました。自分と同じくらいの年の子たちが、日々、食べるものさえ精一杯で、銃弾のなかで生きている。「平和」な日本で暮らすその男の子にとって、その映像はきっとかなりの衝撃だったのでしょう。

もうすぐクリスマス。日本では街のあちらこちらでクリスマスムードが高まっていました。テレビをだまってみていたその男の子は、その後、毎年書いているサンタさんへの「欲しいもの」を伝える手紙に、その年はこんなお手紙を書いたそうです。

「サンタさん、ぼくはなにもいりません。アフリカでこまっている こどもたちのところに いってあげてください」

わたしは子どものころ、毎年サンタさんにほしいものを気兼ねなくお願いしていましたが(笑)、自分が途上国のことを知っていたとしても、この男の子のように、こまっているひとのことをまっすぐに想うことなんてできたかな?なんて感じてしまいます。

自分がどれくらい恵まれ、与えられているかしらないまま、自分を憐れんだり、他人を羨んだり、もっともっと!とないものを求めたり。自分がはずかしくなってしまったことを、クリスマスの時期になるとこの男の子のエピソードとともに思い出します。

その年のクリスマス、その男の子のところにはサンタさんからのお手紙が、枕元に届いたそうです。その手紙にはこう書かれていました。

「おてがみをありがとう。
アフリカにいってきます。
サンタクロースより」


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おつきさまと朝の空


それから年月が流れ、2011年、東日本大震災が起きた年、わたしはヨガの勉強のため2度目のインドを訪れていました。

バラナシのガンジス川を訪れて、ガンジス川とその周辺を案内してくれたホテルのおじさんと、話しながらバラナシの繁華街を歩いていたときのことです。

(おじさん)「国はどこ?」

(じゆうな木)「日本です。」

そう答えると、おじさんは繁華街でうつむいて立ち止まり、それから目を少しうるうるさせて顔をあげました。そして、右手を自分の胸に置いてこう言いました。

(おじさん)「大変な、災害だったね。」

わたしは全く被災もしていないし(まして震災のときはインドにいたし)、その時はまだ東北には知り合いもいなかったのに、おじさんはわたしが「日本人」であるだけで、心をいためて祈ってくれたのです。おじさんは続けていいました。

「みて、路上で物乞いをしているひとたちがここにはたくさんいるだろう。みんな、毎日食べる分を稼ぐだけで精一杯さ。でもね、あの震災があったあと、ぼくたちはみんな自分たちで寄付できるお金をあつめたんだ。ここの物乞いのひとたちも、たった1ルピーとかだけど、寄付したんだよ。ほんの少しの金額だけどね。」

食べるだけで精一杯のときの1ルピー、、、。

彼らの1ルピーの重さと、そのなかに含まれているとても清らかなきもちに、わたしはとても心を打たれ、思いがけずバラナシの街なかで涙を流してしまいました。

見た目は「物乞い」かもしれないけれど、そのなかで輝く、「かみさま」や「愛」みたいなものがほんとうに まぶしくて。

その後、おじさんは、首を振りながら言いました。

「本当は連れて行きたくないけど、商魂たくましい、われわれインド人のことはあなたもご存知だと思うから、これから提携している布屋さんに寄ってから帰るよ。別に買わなくていいからね」

と、よく観光客が連れて行かれ、布や装飾品を買わされる(笑)ようなお店にとりあえず一緒にいき、ひととおり義理として見せられた布などをみて(😂)、ホテルにもどったのでした。


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ことしのリース✨


わたしはキリスト教徒ではありませんが、クリスマスの雰囲気や精神がだいすきです。

愛と平和が、ひとの世界にも、植物の世界にも、虫や動物の世界にも、すみずみまであまねくひろがりますように✨

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Happy Merry Christmas✨


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