ゆきのしたのお手当

昨年の春　通りがかりの　ちいさな露店で
念願の　ゆきのしたを　見つけました
お花好きな　その方が育てた　ゆきのしたは
ぷっくり　つやつや　愛らしく
わたしの　ちいさなお庭にも　すっとなじんでくれました

ゆきのしたは　お花が可愛いだけでは　ありません
葉っぱは　古来より
傷、火傷、かぶれ、虫刺され、中耳炎.......
たくさんの　疾患に
癒しの手を　さしのべて　くれています

わたしは　天然の化粧水として　
日に焼けた肌を　なだめるお薬として
この美しい葉っぱを　つかっています

日焼け止めと　さようならをして　早５年
麦わら帽子と　手ぬぐいが
顔や首を　まもってくれますが
裸足のまま　あるくので
足の甲は　ときたま日差しで　じりじりと焼かれます

そんなとき　ぷっくりした葉っぱを２、３枚　
軽く洗って　手のひらにのせ

くるくる　こねこね
お団子を　つくるように
やさしく　まあるく　円をかいて
葉っぱを　そっと　まるめていきます

まあるくなったら　手のひらに　すこし　熱と力を加え
くるくる　こねこね
さらに　両手で　しぼるように
もみこんでいきます

そうすると　葉っぱから　力づよい水分が
じんわりと　染み出してきます

それを　そっと　日焼けした肌に
さーっと　なじませていくのです

丸まった葉っぱは　そのまま大地へ
土に還り　天然の肥料になり　大地をさらに豊かにします

虫刺されには
よもぎ　どくだみ　あさがお.....
その他　いろいろな草花も　とてもよく効きますが
ゆきのしたもまた　同じように　たすけてくれます
かゆみはさっと　ほどけていき
半日たてば　噛まれたあとも　なくなります

化粧水としても　同じように　つかえます
庭がなくても　プランターひとつあれば
そこに　天然の　しぼりたて！
エネルギーにあふれる　化粧水が
あっという間に　つくれます

ゆきのした　以外にも
ゼラニウム、どくだみ、ラムズイヤー、、、
お肌によい葉っぱは　いろいろ　あります

その日　ぐっとくる　香りを選び
ときたま　真正ラベンダーやコモンマロウのお花なんかも　まぜたりして
そのときだけの　オリジナル天然化粧水が
あっという間に　できあがり

あぁどうか、そだてるときは　農薬や化学肥料には頼らずに
それは　あなたのからだとこころに　はいるものだから
ゆきのしたは　とてもたくましく　
虫も　ほとんど　ひきよせません
痩せた土や　日陰でも　ちゃんと育ってくれるのです

そして、葉っぱをとったら
「その場ですぐに」　つかいます
時間が経つと　やはり　えぐみや臭みが　でてしまいます

この　天然化粧水に　必要なのは
ほんのすこしの太陽と　土と雨

手軽で　お金もかからない
副作用もない
ごみも出ない、それどころか
絞りカスは　大地を豊かにしてくれる
お花の可愛さにも　うっとり.....

ゆきのしたは　1年中　おしみなく
そのぷっくりした　まあるい葉っぱを
あなたに　そそいでくれるでしょう

今日も自分の　ちいさな庭で　
日に焼けた肌に　ゆきのしたを　感じながら
「必要なものはすべて　もうすでに　あたえられている」
この言葉の意味を　深く　かみしめます

そして足元の植物を　見つめながら
なんと多くのものが
この地球の　はじまりから
おしむことなく　こんこんと
見返りも　もとめずに
あたえられているのかと　胸があつくなるのです

可愛い　やさしい　ゆきのした
あなたのそばに　いかがでしょうか。

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「ゆきのした」さんが載っている　おすすめの本
☆ 一条ふみ『ふみさんの自分で治す草と野菜の常備薬』（自然食通信社）
☆東城百合子『家庭でできる自然療法』（あなたと健康社）
☆東城百合子『薬草の自然療法　難病も自然療法と食養生で治そう』（池田書店）