見出し画像

私は文章を売らない…というか売れない

つくづく思うことに、商売下手だなぁというのがあります。自分に対してです。

私は3年半以上物書きをしてきたのですが、自ら文章を売ったことは片手で数えるほどしかありません。

それはなぜか。

理由は簡単で、文章単体で購入しようなんて顧客はほぼいないからです。

以前、取材してもらった「みんなde職業図鑑」さんでも語りましたが、文章がそのお客さんにとって有効打・解決策でなければ売ろうとは思いません。

それに、自分の性質的に用意されたものを粛々とこなすより、ゼロから始めたほうがやりがいを感じています。

文章を使うシーンは主にマーケティングやブランディングですが、自分で書くというお客さんも少なくありません。

こういったお客さんは「プロに頼む価値を感じない」か「頼むほどじゃない(何かしらの事情で頼めないもある)」かだと思います。

もちろん「文章はいらないです」と言われても、押し切って売ることはできました。
私の収入になりますし、実績になります。

ですが、引き受けた分、結果がついてこなければ意味がない。
仮にお客さんが購入したとしても、費用をかけた分(あるいはそれ以上)の仕上がりでないとますます意味がないでしょう。

「売れてる営業マンは売り込まない」みたいな崇高なビジネス理論を語るつもりはありません。

しかし、売り込んでもお金をかける価値を感じにくい文章だけで勝負するには限界があります。
書こうと思えば誰でも書けますし、物書き名乗っておいて変な話ですが、私しかできない仕事では当然ありませんしね。

そこらじゅうにノウハウは転がっているので、自分で書くにしても以前ほど難しい話でもないはずです。

結果、少ない鉢を奪い合っている状況から逃れるように、私はスタートアップの事業に関わるようになりました。
文章だけで売り込みたくないという想いと同時に、自身の成長に限界を感じたからです。

ほかのものを提案して、ついでに文章って感覚がたぶん一番お任せいただけると思っています。
デザインや動画の性質について勉強したり、その道のプロと情報交換をしたりしてきたので、今ではそれなりに形になっているでしょう。

ただ、もしスタートアップのお客さんに購入いただいた場合、求められるレベルは尋常ではありません。

ですが、私にとっては俄然燃える領域。選んだことに後悔はありません。

自分の商品が売れないかもしれないとわかっていても、お客さんに最適な施策を提供したい。

動画やデザインを先に提案するのは、必然的に文章が必要になる領域だからというのも、心のどこかにはあります。

ただ自分では絶対に「買ってください」とは言わない。最終判断はお客さんにしてもらいます。

その結果、文章も欲しいと言われたら「ありがとうございます」と笑顔で言いながら脳みそをフル回転させて(さぁどうしようか)と考えていいものを作る。

それでいい気がします、自分には。


焦って無理矢理売り込んで受注できても、一時の喜びで終わってしまいそう…

だから私は自分の商品である文章を、積極的に売らないのかもしれません。


バカだねぇ…、自分って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?